『掘るひと』/岩阪恵子 △

この本を「読みたい本リスト」に入れたのは新聞の書評からだったかな~。
岩阪恵子さんの『掘るひと』は、更年期前後の女性の様々な孤独を描いた、短編集です。

なんかねぇ…まだ更年期には早いながらも、身につまされる部分が結構あって。さまざまな孤独は乾いていたり、生温かったり、研ぎ澄まされていたり。
夫との死別。子供が独立。定年を迎える夫との気持ちのすれ違い。
色々な孤独が描かれていて、「もしかして私もこんな孤独な更年期を過ごすことになるのでは」と怖れの気持ちを抱いてしまいますね。

夫は単身赴任で義母と同居中の「掘るひと」、離婚相手の実家の夏ミカンでマーマレードを作る破目になる「マーマレード作り」、5年の同棲を経た相手と別れてバツイチ男と付き合っている「タマゴヤキ」、義叔母の死で集まった親戚から疎外感を受け義叔母を見てしまう「雨通夜」、実家の両親を見舞う時パートナーが野良猫にえさをやっているのを想像してしまう「ねこめし」、夫の湿疹から妄想が広がってゆく「母のほうへ」、夫の死後包丁研ぎを思いつく「包丁研ぎます」、お人よしにも騙されたのか「渡しの穴」。
どれもが、淋しさのすきま風が吹くような、読後感。

共通するのが、40~60代の女性の孤独や焦燥が、事細かに描かれていることです。子供が独立し夫と過ごす日々や、産まず女のまま生涯をすごす悲しみ、夫に死に別れその後も一人の生活が続いてゆくことなどの、ゆるみながらも妙に緊張感が漂う孤独が、非常にリアル。
もうすぐ更年期かもという身としては、ここまで孤独を感じるようになっちゃうのかなと、なんだか後ろ向きになってしまいます。

更年期の予習・・・って感じで読んでしまいました。
いやいやイカンよ。更年期は鬱や孤独だけじゃない!って思わないと。

(2008.06.06 読了)
掘るひと
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著者:岩阪恵子出版社:講談社サイズ:単行本ページ数:202p発行年月:2006年01月この著者の新着


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