『陽気なギャングの日常と襲撃』/伊坂幸太郎 ○

おお~う!伊坂幸太郎さんらしい、伏線回収の見事さ!伊坂さんのコトだから、これはきっちり回収されるだろうという予測、それを上回る展開・構成のスンバらしさ!読んでいて、痛快です!いやもう、ホントに凄い!
『陽気なギャングの日常と襲撃』は、『陽気なギャングが地球を回す』の続編です。

人間嘘発見器・成瀬。演説の達人・響野。スリの名人・久遠。正確無比な体内時計の持ち主・雪子。この4人が、それぞれ別の奇妙な事件に関与する。後日、裏稼業の銀行強盗を行ってるときに彼らのアンテナに引っかかった、怪しげな男女。
別々だったはずの事件は、ひとつの社長令嬢誘拐事件へつながってゆく。
令嬢救出のため誘拐犯の動向を探りに向かった久遠が捕らわれ、久遠奪還へ走る仲間たち。令嬢の身代金回収現場で久遠は蹴り出され、令嬢は別の誘拐犯に連れ去られてしまい、4人組は再び救出作戦を練り直す。

練り直した救出作戦も、どこかから情報が漏れ、うまく回らなくなり、逃亡する久遠と響野と令嬢。追手に追い詰められたその時、現れたのは柔道着の集団(笑)。3人を担ぎ上げ、走り去る。そして誘拐の首謀者は、成瀬の深謀遠慮&伊坂さんの巧妙な伏線回収(?)により、とある南国へと・・・。

いや~、面白いよね~。4人各自のキャラが活きてます。もちろん、それぞれの特技も遺憾なく発揮。前回弱かった久遠君のスリの技も、動物好きなところも(笑)、きっちりストーリーに活かされてます。あの軽妙なキャラはいいね。チャラチャラしてるようで、きっちり抑えるところは抑えてる、しっかり青年なんじゃないか?と気づきましたよ。他の3人よりちょっと若い、いい立ち位置だな~。

あれがここに納まるとはッ!みたいなね、予想を超える感じがすごいな~と、読んでてカ・イ・カ・ン!です。
二転三転する、令嬢誘拐の事情。あちこちに救助に走るが、空振りに終わってしまうギャング組。
どうなっちゃうんだよ~、と思いつつも、「伊坂さんなら上手く纏めてくれるに違いない」という安心感があり、逆に「これは伏線?どうよ?どうよ?」という期待が空回りしてた部分も。(←水無月・Rが妄想走らせ過ぎだ)

ところで、敵を欺くためにはまず味方から、が成瀬のモットーなのかしらん(笑)。だから響野に「お前は全部知ってますって顔して~!」とか言われちゃうんだけどね。この二人の同級生時代って、どんなんだったんだろう・・・って思うわ~。きっといつも、響野が成瀬に丸め込まれちゃうんだろうな。(ほんとは喋りの響野が上手のはずなのに?)でも、成瀬は響野をバカにしてるわけじゃなく、自分にはない才能を認めてるって感じですな。

そして今回も、4人組プラスαの会話の軽妙洒脱さが光ってましたね~。この4人の絆って、いい感じです。明るく軽く、だけどお互いへの信頼は確固たるものがある。羨ましいですよ。
もちろん、成瀬と自閉症の息子・タダシの電話のやり取りも、いい。しかもきっちり伏線になってるし。

響野は喋りまくるクセに奥さんの祥子さんにやり込められるし、前回ちょっと精彩を欠いてた雪子が体内時計だけじゃなく推理力まで発揮し、もちろん久遠もばっちり活躍し。成瀬の深謀遠慮&格言ぽい言葉は、言うことなし。
出来れば、またこの4人が、新たな難事件(面倒くさそうで怪しげで、でも面白そうな事態)を引っかき回してくれないかな~と思います。だって、実に爽快!なんですもん。
伊坂さん、よろしくお願いしま~す!

(2008.07.28 読了)
陽気なギャングの日常と襲撃
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長編サスペンスNon novel 著者:伊坂幸太郎出版社:祥伝社サイズ:新書ページ数:273p発行年


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この記事へのコメント

雪芽
2008年07月29日 22:09
こんばんは~
伏線と回収の絶妙さは、もういまさら言うことないくらい見事でした。でも、毎回感心。4人の個性もより際立って、信頼関係もバッチリ伝わります。痛快な彼らの活躍をまた期待したいですよね。
前作「地球を回す」と「日常と襲撃」のTBがごっちゃになってました。すみませぬ(今頃気づいた阿呆デス)両方再度TBしました。
2008年07月29日 23:13
雪芽さん、ありがとうございます(^^)。
伊坂さんの妙技は、期待以上なのが分かってても尚、更にその上をゆくという・・・ホントにすごいですよね!
この4人なら、もっと面白いことをやってくれそうですから、ぜひシリーズ化を、ですネ♪

再TBの件、お手数をおかけして、申し訳ありません<(_ _)>。
藍色
2008年07月30日 02:05
こんばんは。
期待を裏切らない軽快なストーリー展開でしたね。
4人の日常がのぞけたのも、新鮮で楽しかったです。
そういえば成瀬と響野って同級生だったんですよね。
きっと書かれてるように、響野は成瀬に丸め込まれてたんでしょう(笑)。
伊坂さん、書いてくださいっ!です。
エビノート
2008年07月30日 21:25
こんばんは。
これ、伊坂さんの作品では初のシリーズなんですよね。今のところコレだけですが、他の作品もシリーズ化してほしいなぁと願っています。もちろん、陽気なギャング~の第三弾も読みたい!
楽しいうえに構成の見事さにも脱帽の作品ですよね。次はどんな騒動に4人のギャング達が巻き込まれるのか、想像するだけで楽しいです。
2008年07月30日 22:01
>藍色さん。
すでに水無月・Rの脳内では、やたら喋りまくる響野とそこへビシッと一言トドメを刺す成瀬、の学ラン姿が・・・。
いかんいかん。伊坂さんの補完を待たずして、勝手に妄想を走らせてはいけないぞ(^_^;)。

>エビノートさん。
伊坂さんはシリーズ書いてなかったんですね!・・知らなかった(←モノ知らず(笑))わ~。
伊坂作品は、あちこちでリンクしてるので、何だか大枠でシリーズのような作品も結構ありますよね(^^)。
とは言え、このシリーズの楽しさは、群を抜いてますもの、是非々々第3弾を!と望んじゃいます。もちろん他の作品も!
あ、『魔王』は続編出るんですよね。かなり後年の話だったはずですが。こちらも期待以上の作品になるだろうと思ってます。伊坂さんなら全然OKですよね!
たかこ
2010年01月21日 10:43
水無月・Rさん こんにちは。
いやぁ、面白かったです、コレ!
4人のコンビの個性が前作より際立っていたし、伏線につぐ伏線?いろいろ深読みしちゃいました。
成瀬と響野の学生時代、ってサイドストーリーで書いてくれないかしら、ちょっと期待☆
2010年01月21日 22:58
たかこさん、ありがとうございます(^^)。
ホント、面白いですよね~!
『陽気なギャング』シリーズ、続いたらいいのに~と思いますね♪
成瀬&響野の過去話や、雪子や久遠のサイドストーリーなど、気になることいっぱいですもん。

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