『変身』/嶽本野ばら ○

ええ~と。これは、新境地・・・なのかな?ある意味『下妻物語』(ヤンキーちゃんとローリタちゃんの話ですね)的な笑い要素?なのかな・・・?
ロリータなファッションと精神にこだわりを持ち、繊細な少女たちの息詰まるような心の戦いを描いた美しい物語・・・てのが嶽本野ばらさんの定番だと思ってたんですが、今回の『変身』は一味違います。

「ある朝目覚めたら・・・」
虫になってたのがカフカですが、この作品は違う。なんと「ハンサム」になってたのです。
その「変身」男・星沢皇児は、美容整形の医者もいじりようがないとサジを投げられた醜男で、30歳にもなってコンビニバイトで食いつなぐ漫画家。1度は賞を取って一応担当もいるけど、現在は自費出版した作品『エルドラド』(1~9巻)を、吉祥寺サンロード(アーケード商店街)の路上で売っている(全然売れない)。

ハンサムになった途端、路上の漫画は売れまくり、編集長に「漫画家王子化作戦」を展開され、あれよあれよという間に作品は大ブレイク、写真集まで出し、作品は映画化。だけど、その作品がとんでもなくレトロなと言えば聞こえはいいけど、ゴテゴテと装飾過剰、花や星や光が乱れ飛びロマンがあふれすぎ、ワケわかんなくなってるシロモノである。単に作者が美男子だというだけで、そこまでブレイクするのか、日本社会よ・・・。ありそうなだけに、その余りの馬鹿馬鹿しさに危機感を覚えるね。

付き合う相手も、同じコンビニバイトのちょっとかわいい子→担当のハーフ美女→映画主演のアイドルとステップアップしてゆくが・・・。
結局、モトは「モテない醜男が少女漫画に嵌ってロマンス満載思考」なんていうトンデモナイ男なので、次々に振られてしまう。そりゃ確かに、キモイよ、それ・・・。「としまえんのエルドラド(回転木馬)の来歴云々」を熱く語られ、さっむ~いセリフを吐かれてるとな~。どんなハンサムでもヒくよ、それは~クドすぎるわ~。
いや~、誠実な男性だと思いますよ。漫画に対する姿勢も真摯だし、酔った女性には手を出さないとか、ハンサムになっても驕ることなく真面目に生きてるところなんか、ホント。・・・でもね~けどね~(^_^;)。

いつ、この「変身」がとけて、醜男に戻ってしまうのか・・・と思ってたらびっくり。「変身」はとけないままに、状況だけが変転し。売れっ子ハンサム漫画家は、世に忘れられ、サンロード時代からの唯一のファン・ゲロ子(ブスだけど、皇児の作品に傾倒している)の元へ、柔道を習いに行っている。
このオチが、いい。いや、まあ結局、醜男の皇児の相手はゲロ子なんだろうな~という予想通りだったんだけど、けどそのゲロ子がハンサムになった皇児を元の醜男とは認めず(最初に弟と名乗っていた)、受け入れられてないってところが(笑)。なのに皇児は「ゲロ子、お前にいつかプロポーズするよ」とかいってる・・・。
ハンサムになっても、中身は変わんないんだな~、あはは。と、妙にホッとする終わりでした。

(2008.07.12 読了)
変身
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著者:嶽本野ばら出版社:小学館サイズ:単行本ページ数:269p発行年月:2007年04月この著者の新


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