『キノの旅Ⅱ-the Beautiful World-』/時雨沢恵一 ○

喋るモトラド(自動二輪車)と旅を続ける、パースエイダー(銃器)の有段者・キノ。キノが訪れる様々な国(地域)の物語の、連作短編。
水無月・R、確実に「ラノベの罠」に嵌っております(笑)。

『キノの旅Ⅱ-the Beautiful World-』
口絵「狙撃兵の話」
キノの師匠らしい女性と新しい弟子。
プロローグ「砂漠の真ん中で・b」
大笑いしながら、雨に打たれるキノ。
第一話「人を喰った話」
雪にはまり込んだトラックの連中を救ったキノだが。
第二話「過保護」
体面と過保護が交錯する夫婦喧嘩。
第三話「魔法使いの国」
飛行機に乗って空を飛んだ女が、魔法使い扱いされる国。
第四話「自由報道の国」
まるでキノのような旅人が、事件を起こした国の新聞報道。
第五話「絵の話」
絵描きの意図と誤解される作品。
第六話「帰郷」
平凡な自分の国が嫌で出奔しした男が、故郷の良さを思い知り戻ってくるが。
第七話「本の国」
本を読んで批評し合う国民たち。彼らは生み出さない。
第八話「優しい国」
旅人に冷たいという評判の国。が、キノが訪れた時全く違う状況に。その国の優しさの真実とは。キノがパースエイダー「森の人」を手に入れた経緯。
エピローグ「砂漠の真ん中で・a」
プロローグの少し前。砂漠で干上がる寸前のキノ。
特別編「続・絵の話」
亡国の王子・シズと喋る犬・陸がキノの訪れた国を、知らず来訪する。

それぞれの国は、「ひと」の醜さや弱さや美しさや優しさを切り取って、強調して描かれている。誰もが持っている、その光と影、甘さと苦さ。時雨沢恵一さんは、あっさりとして読みやすい文章の中に、鋭い皮肉を仕込んでいる。ついつい普通に読み進めて、後になってそのあっさりとしたグロテスクさ(あ~、表現が矛盾してる…)に気付くのだ。気づいた時にはもう遅い。さらっと流せなくなっている。

表紙を開いて、口絵(今回は物語付き)があり、目次があり、そして前文。
~~何が正しいのか?誰が正しいのか?
   何か正しいのか?誰か正しいのか?~~
 (本文より引用)
まさにそう。時雨沢さんの描く世界を端的に表した言葉だ。
ちょっとハマりすぎかな、という気もするのだけど。

ラノベの罠だ~と言いつつ、これからも読み続ける予定です。
キノが旅する国やその国民たちを否定も肯定もせず、あるがままに受け入れていくのが、とてもよい感じです。これから、どんな国を旅するのか。どんな経験をするのか。
キノとエルメスの、軽妙洒脱な会話がとっても面白い。どちらも少々ひねくれてるのが、楽しい。

今回、特別編でシズと陸がまた出てきました。きっとあちこちで、キノとすれ違ってゆくのではないかと、期待しています。だって、陸が面白いんですもん!「シズ様」をたしなめるあの口調!素敵すぎです。
そして口絵の物語では、たぶんキノの師匠と思われる女性が出てきました。キノとエルメスの会話からして、相当インパクトの強い人物のようです。この人の物語も読んでみたいです。もちろんキノ達との出会いも。

(2008.07.17 読了)
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この記事へのコメント

藍色
2008年07月25日 01:57
ラノベの罠、少しずつ嵌ってるみたいですね~。
あっさりとしたグロテスクさ、うん、すごくうなづける表現です。
キノとエルメスの、ひねくれてる会話が楽しめればもう安心です。
師匠とのあれこれもお楽しみに。
2008年07月25日 21:46
藍色さん、ありがとうございます(^^)。
うふふ、立派な「キノシリーズ読者」になれますかしら(笑)。
今後のシリーズにも、期待は高まりますねぇ~。
シズ様と陸や師匠、楽しみだな~!(^^)!
苗坊
2011年09月20日 09:35
第1弾を読んでからもう4ヶ月くらい経過していますが^^;2冊目をようやく読みました。
時雨沢さんの人の描かれ方が凄いですよね。たまに心を抉られそうになったりとか^^;ぐさっとくることもあり。
師匠の話を楽しみにしていたのですがこの作品では登場しなかったのでまた楽しみにしています^^
次はもうちょっと早めに読みたいなぁ・・・読めるかなぁ・・・
2011年09月20日 23:02
苗坊さん、ありがとうございます(^^)。
時雨沢さんの描く、ずれた国とそこに住む人々、オソロシイなぁと思う面もありオモシロイなぁと思う面もあり、ですね。
それを淡々と通り過ぎていくキノたちが、ほんとにいい味出してます。
師匠の話は…いいですよぅ!すっごく楽しいです。私なんて、やたらニヤニヤして読んでます(^_^;)。

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