『覚えていない』/佐野洋子 ○ (エッセイ)

基本、物語読みな水無月・Rであるが、たま~に、エッセイも読む。お気に入り作家さんのエッセイがほとんどだが、佐野洋子さんは、物語作家と言う訳ではなく。じゃあなんだと言うと挿絵画家&エッセイストだという認識です。
その佐野さんが1990年代前後に書いたエッセイをまとめのが本書なんだが、タイトルが『覚えていない』なんだから、笑っちゃう。

あとがきで佐野さんは告白(?)している。編集者が持ってきたゲラを「何これ?」とか、「恥ずかしくって出せない」といったと言う話を(笑)。書いた自分が『覚えていない』という訳なのか・・・(^_^;)。
まあそれは佐野さんの諧謔も交じってるのでしょうけど。

前にも『神も仏もありませぬ』という佐野さんのエッセイを読んだのだけれど、この人はすごいなぁ、と思います。なんと言うか、「確たるもの」を持ってる。私自身はやたら揺らぐ人だから、ここまですっきりキッパリしていると憧れすら感じる。

90年代というとバブル前後で、ひと昔どころかふた昔前といった風情ですが、時代を描いた文章よりも、ご本人の覚悟ある意見を述べてる文章が多く、読んでて爽快な気分になります。

ううん~、内容に細かく触れるのはやめときます。なんせ40節(この単位で合ってる?)以上もあるんですから。
一番、「おお!」と思ったのは、現代詩人・伊藤比呂美さんの「子育てエッセイ」について語った「比呂美さん」かしらん。私も長男が赤ん坊の時代によく読んだものです、伊藤さんの「子育てエッセイ」。「子育てはいいかげん(いいサジ加減)で」というフレーズを覚えて、自分にいいように解釈してずいぶん楽させていただきました(笑)。
佐野さんが言うように、伊藤さんはとっても、只者じゃないです。

佐野さんとモリ・ヨーコさんの交流を語った「華やかな荒野を」は、結構切々としたものがったな。全く正反対な二人だけど、きっと惹かれあうものがあったのだと思う。その彼女を偲ぶ、佐野さんの抑えた筆致が、とてもよかったです。

(2008.11.11 読了)
覚えていない
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著者:佐野洋子出版社:マガジンハウスサイズ:単行本ページ数:219p発行年月:2006年08月この著


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