『フリークス』/綾辻行人 ○

K**総合病院精神科病棟で、3つの物語が語られる。何かが、おかしい・・・。
本格ミステリの綾辻行人さんが、「精神科病棟患者」物を描いた『フリークス』
疑ってかかる読者、翻弄しようとする作家。より狂気に近いのは、どちらなのだろうか・・・。

「夢魔の手」
1年前殺人事件を起こした母を見舞う青年。母から聞かされたこと、真実と思われること。そして彼の罪の告白と、病室に収容された人物は。
「四○九号室の患者」
事故で生き残った人物は、記憶喪失。自分を実感できないでいると、自分は夫の妻であり愛人でもあるような気がしてくる。そして医師から驚くべき現実を知らされる。
「フリークス」
小説家に手渡された原稿は、「自分はスランプの小説家である」と思っている精神病棟患者の書いたもの。解決編の欠落したその推理小説の謎を解こうとする、小説家と友人の探偵。だが、その内容は微妙に小説家とリンクすることを探偵は突きつけてくる・・・。

何か現実とずれている状況。彼らの主観で語る事件は、本当なのか。どれが狂気で、どれが現実で、どれが夢なのか分からなくなる、語り手の不安定さ。
3章それぞれに、違った形の展開で、オチも全く違う。

「四○九号室の患者」のオチには、ビックリした。自分は夫の妻であり愛人でもあると言う狂気が、実は別の方向に向かっていたとは!!きっちり、だまされました。
逆に「フリークス」は、途中から語り手の小説家が怪しい、友人である探偵の言動もおかしいような気がして、オチというかカラクリは分かってしまった。だけど、入れ子細工のような作中作と小説家の関係は分かっても、解決編は「探偵」に読み説いてもらわないと判らなかった・・・。

『眼球綺譚』『深泥丘奇談』に出てきた、綾辻ホラーに欠かせない?「咲谷由伊」がいなかったのが、ちょっと残念でした。

(2010.02.09読了)

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