『GOSICK Ⅳ ~愚者を代弁せよ~』/桜庭一樹 ○

世界的なあの2つの戦争の間の、ひとときの平和の時代。ヨーロッパの小王国・ソヴュールの奥にある、聖マルグリット学園。学園から外へ出ることを許されず、授業に出ないでその図書館塔に居続ける、小柄でビスクドールのように美しく、そして怖ろしいまでに頭脳明晰な少女・ヴィクトリカ。
彼女は、「退屈を紛らわせよ、謎を持ってこい」と、極東・日本からの留学生・久城一弥を振り回す。頭が良すぎる上に出生に秘密があって、人付き合いをしたことのないヴィクトリカと、生真面目な日本男児である一弥が、友情を深めながら、今回は学園に起こった殺人事件に取り組む。
シリーズ4作目に当たる『GOSICK Ⅳ ~愚者を代弁せよ~』、やっぱり一弥がヴィクトリカに振り回され、更に同級生のアブリルやセシル先生にまで振り回され、・・・大変トホホ萌えに美味しい物語でございました。
桜庭一樹さんのこのシリーズ、ホントに美味しいです♪

ああ、でも一弥頑張ってましたよ、今回は!
ヴィクトリカのために「混沌の欠片」である情報を集めて回ることはもちろん、身を張って闘うシーンもあり。コレは、日本のお兄さんから送られてくる「格闘技の本」も少しは役に立っているということでしょうか(笑)。

一弥達の学園の時計塔には、20年ほど前に王妃に取り入り、国政に干渉した「偉大なる錬金術師・リヴァイアサン」が棲みついていたという。その時計塔で、東洋人の青年奇術師が死亡、『リヴァイアサンの回顧録』に挑発されたヴィクトリカは、謎を解き図書館塔から下界に降りてくる。
学園には「闇のヨーロッパ史」が秘匿されている、下手に捜査してはならないのだ、とヴィクトリカの兄・ブロワ警部は牽制するが、退屈を紛らわすのだとヴィクトリカは宣言し、謎ときを開始する。
時計塔に入ると、何故か空間がねじ曲がったかのような不快感がしたり、2階なのに窓の外を人が横切ったりするし、村へ出れば「大勢のプロテスタントが埋葬された」「見えない幽霊が墓地を駆け抜ける」という噂話を聞くし、死亡した奇術師の同行者・ブライアン・ロスコーが時計塔に入り込み、錬金術の謎に迫ろうとする。
一弥との争いの後、ロスコーは「灰色狼の娘は、次の大きな嵐の切り札とする為に作られた」といい、姿を消す。
そして、ヴィクトリカは時計塔の謎、リヴァイアサンの秘密を暴き、図書館塔へと退場する。
一弥を、お供に連れて。

今回、かなり物語が進展したんじゃないでしょうか。まだまだ謎は多いものの、二つの世界大戦に関わる計画が存在すること、その切り札たるヴィクトリカの存在など、色々と見えてきたことは多い。この後、大いなる嵐に向かって世界が否応なく巻き込まれていくとき、ヴィクトリカと一弥の友情は、どうなってしまうのか・・・。
何だかシリアス展開になりそうで、ちょっと怖いです。
やっぱり私的には、ヴィクトリカ(およびほかの女性キャラ)にぶんぶん振り回される、健気なトホホ少年一弥、っていうのが好きなので・・・。(セシル先生も、一弥に女難の相が出てるって言ってたし(笑))

今回、一弥も頑張ってましたが、全然別方向でアブリルちゃんが頑張ってましたね♪・・・但し、全然伝わってないけど(^_^;)。「久城君を取らないで!」とまで言ったたのにねぇ、聞いてたのセシル先生だけだったなんて・・・。不憫なお嬢さんだわ・・・クラス一の美人なのに・・・。デートにも誘っちゃうし、「ヴィクトリカさんと仲良しなのね」なんてふくれて見せるし、・・・なのに、何で気付かないんだ一弥!コレだから日本男児は(笑)!アブリルちゃん、負けるな!

ブライアン・ロスコー、同時存在という奇術(たぶんトリック)を見せたり、一弥にヴィクトリカの秘密を明かしたり、今後の展開に色々とかかわってきそう。怖ろしい男、というイメージはあんまりないけど、灰色狼の謎やこれから起こる大戦への大きな影響力を持ってるがゆえに、一弥たちの未来を左右しするのではないでしょうか。

さて、今回も富士見ミステリー文庫版を借りてきてるんですが、ホントにイラストが可愛い!特に、ヴィクトリカが退屈と不満でと体を丸めてフリルのボールと化してるイラストが、すっごくかわいい!・・・しかし、この服およびブーツを脱ぎ着するのはすごく大変そうだよねぇ(笑)。

(2010.10.03 読了)

GOSICK (4) ゴシック・愚者を代弁せよ (富士見ミステリー文庫)
富士見書房
桜庭 一樹


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水無月・Rの『GOSICK』シリーズ記事
『GOSICK』
『GOSICK Ⅱ ~その罪は名もなき~』
『GOSICK Ⅲ ~青い薔薇の下で~』
『GOSICK Ⅳ ~愚者を代弁せよ~』 (本稿)
『GOSICK Ⅴ ~ベルゼブブの頭蓋~』
『GOSICK Ⅵ ~仮面舞踏会の夜~』
『GOSICK Ⅶ ~薔薇色の人生~』
『GOSICK Ⅷ 上 ~神々の黄昏~』
『GOSICK Ⅷ 下 ~神々の黄昏~』
『GOSICKs ~春来たる死神~』
『GOSICKsⅡ ~夏から遠ざかる列車~』
『GOSICKsⅢ ~秋の花の思い出~』
『GOSICKsⅣ ~冬のサクリファイス~』
『GOSICK RED』
『GOSICK BLUE』
『GOSICK PINK』
『GOSICK GREEN』

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この記事へのコメント

june
2010年10月10日 15:19
水無月・Rさんは、富士見ミステリー文庫の方で読んでるんですね。いいなぁ・・。挿絵も入ってるんですよね?いいなぁ・・。
それにしても、今回は物語がだいぶ進展しましたね。これから起こることが、単に時代の波に翻弄されるくらいじゃなくて、大きな意志によって激しく巻き込まれそうで、なんだか怖くなりました。
2010年10月11日 22:08
juneさん、ありがとうございます(^^)。
たまたま、N市図書館が富士見ミステリー文庫を持ってたというのが、ラッキーでした♪
ちょっとふくれっ面な女の子のイラストが秀逸!
そうなんですよ、今作でだいぶ今後への布石がなされた感じですね。
一弥とヴィクトリカの平穏の時代が終わりを告げるとき、世界はどうなってしまうんでしょう。怖ろしい気持ちの方が大きいのですが、物語への期待は、やはり抱いてしまいます。
苗坊
2014年04月11日 23:42
こんばんは^^
私は某古書店で富士見ミステリー文庫を買いあさりました^m^挿絵が本当に可愛いですよね。角川ではないと知ってショックでしたもん。
今回はかなり次を彷彿とさせる布石がありましたよね。って、水無月・Rさんは読まれているんですよねー。気になるので頑張って読みます^^
アブリルはとても可愛いのに本当に不憫でした…。
一弥もトホホに変わりはないですけど、頑張っていましたよね。報われているような報われていないようなですが^^;
2014年04月13日 22:12
苗坊さん、ありがとうございます(^^)。
古書店で探すとは、ハマってますね♪でもホント、イラスト可愛いですもんねぇ。
ええ、これから、本当にいろんなことが起こります。胸の痛むような事件も、たくさん起こります。
でも、少年少女たちの成長には、心洗われる気持ちになったことだけは、確かです。
ちなみに一弥は、トホホテイストを残しつつ成長してくれてますヨ(^^)。

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