『七人の敵がいる』/加納朋子 ◎

うわぁ・・・。冒頭っから、すんごく、身につまされるんですが
あの沈黙は、辛いんだよねぇ・・・沈黙の重さに負けて厄介事を引き受けてしまったこと、ありますもん。
PTA役員ね、やったことあるんですよ。すんごいめんどくさかった・・・。非常に旧弊なシステムで、もう勘弁してぇ!もっとシステマティックに、合理的にやろうよ!って叫びたくなったこともしばしば・・・。
だいたいねぇ!何で子供がらみの付き合いや自治会などの近所づきあいは「妻」の仕事なんでしょうね!確かに私は、パートすらしてない専業主婦ですけど!
加納朋子さんの『七人の敵がいる』は、ワーキングマザーの主人公・陽子が色々な人付き合いに絡んで「敵」と対峙していくそのパワーが、尋常じゃないです。

相手を(論理的に)斬りつけて倒すだけでなく、その力を利用して、大改革を計画する陽子のバイタリティにはびっくりします。うらやましいというか・・・ねぇ。
頭が良くて実行力もある、職場でのあだ名は「ブルドーザー」だという陽子が、女の集団の中で上手く空気を読まないで言動して敵を作りまくり、合理を叫ぼうとすると昔からの慣習を振りかざされる。敵たちからは、ねちねちとした嫌がらせにも合う。
それでも、一度つかんだ人間関係きちんと維持して、最後には地域全体を巻き込んで地域の活動や学校活動(PTA)などを集約する計画を、実現可能レベルまでに仕上げていく。まあ・・・現実は、そう簡単にはいかないと思うんですけどね~。
私がPTAやった時、理不尽な前例とかまるきりグダグダでまとまってない引き継ぎ内容とかに、ぶつぶつ文句を言うことはしたけど、改革には手を出しませんでした。それをする勇気を持てなかった自分を卑怯だった・・・、と後ろめたく恥じる気持ちが結構湧いてくるんですよね~、この作品読んでると。
・・・なので、実を言うと、読了後の爽快感は半減してしまっている。あ~すみません、すっごく個人的な意見です(^_^;)。

私個人の感じ方はともかく、内容は非常にリアリティがある。
「無料奉仕」をさせられる損にどう対処して行くか、何故それが必要なのか、どういう部分が現代の家庭や社会と合っていないか、というところは、有能な主人公・陽子が論理的に語ってくれていますからね。
たださ~、陽子みたいになんでも出来て、頭の回転が速くて、精神的にも強いスーパーウーマンじゃなきゃ、この問題をどうにか出来ないんだろうなぁ。
そういう人がいたら、ついていくよ、私は。頭に立って旗を振ることは、能力的にもキャラ的にも無理だから。事務屋は、先頭集団のちょっと後ろからトップの指示を受けて、働きたい・・・。改革には大賛成なんで・・・。

うわ・・・!私、いいわけばっかりして、内容に言及しきれててないじゃん!
「女は女の敵である」
PTA役員決めは我慢比べ?
「義母義家族も敵である」
上手くいってると思ってた義母とも、実は大きな溝がある。
「男もたいがい、敵である」
子供のための保護者会なのに、なぜ父親は不在なのか?
「当然夫も敵である」
勝手に自治会長を引き受けて来て、丸投げしてくる夫。
「我が子だろうが敵になる」
スポーツ少年団の親って、ここまで大変?!
「先生が敵である」
学校で、小さな集団の中で、子供が被害者になるとき、親は。
「会長様は敵である」
子供のために、と倫理を振り回すPTA会長と対決!

子供を持つフルタイム編集者の陽子に次々と襲いかかる、ありとあらゆる敵。「自分の子供のためでしょ」を振りかざして負担を強いてくるのだ。その負担を、ありとあらゆる手段で逃げ出す人もいるけれど、陽子は何とかやりこなそうと悪戦苦闘。
いや~、非常に身につまされますよ、ホントに。
陽子レベルはどう考えても無理だけど、私なりにこれからも頑張っていこうかな~、という気にはなります。ちょっとは参考になるかな?

そして、とりあえず、陽子の敵には回りたくないなぁと思います。(笑)。絶対勝てないもん。

(2010.11.04 読了)

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この記事へのコメント

苗坊
2010年11月07日 00:26
こんばんは^^
TBとカキコありがとうございました。
私、読もうか悩んでいたんですよ。嫁入り前に読んだら結婚したくなくなるかなとか^^;思ったので。
でも、陽子の家庭は素敵だと思いました。真相を知ったときは驚きましたけど。それでも家族の絆が垣間見えました。
陽子は敵が多いけど、味方も多いと思います。
っていうか敵に回したくない^^;
難しい問題ですよね~PTAとか。あ~やだな~
2010年11月07日 23:25
苗坊さん、ありがとうございます(^^)。
大丈夫です。結婚は別物ですよ(笑)。
そして、PTAだなんだは、何とかなります・・・たぶん。・・・面倒くさいけど。
一応結婚13年、小学生の親5年やってる私が言うんで、確かですよ。
陽子みたいに、先陣切って改革するのは、かなりパワーが必要だと思いますけどね(^_^;)。
すずな
2010年11月11日 12:48
専業主婦である水無月・Rさんだからこそのレビューですね。ふんふん、なるほどなるほどー。と思いながら読みました。
陽子は凄い!と思うけれど、周囲と上手く付き合えなかった部分には「もうちょっと空気を読んだ方が…」と思っちゃいました。そこが出来てこその「デキル女」だと思うので。
でも、ホント、PTAとかって面倒そうだなーと思いました^^;子供の為じゃなきゃやれないですね、きっと…。
2010年11月11日 23:14
すずなさん、ありがとうございます(^^)。
いやいや、ホント身につまされた作品でした(^_^;)。
陽子が「空気読めない合理性属性」であるというのも、陽子もまた生身の人間ってことかなあと思いました(笑)。ある意味、親しみが持てるというか。
避けて通れないとは言わないけど、PTAだの近所付き合いだの、親戚付き合いだのは・・・なんとかなります、・・・多分。
まあ私の場合、無理やり何とかしてるという気も、無きにしも非ずですが(笑)。

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