『GOSICK Ⅵ ~仮面舞踏会の夜~』/桜庭一樹 ◎

ヨーロッパの架空の小王国・ソヴュールの貴族の娘・ヴィクトリカと、ヴィクトリカのいる聖マルグリット学園に留学してきた日本の少年・久城一弥。二人は魔術ショーから始まる大混乱から何とか脱出し、夜行列車に飛び乗ったのだが・・・。
桜庭一樹さんの描く『GOSICK Ⅵ ~仮面舞踏会の夜~』『GOSICK』シリーズ5作目、『GOSICK Ⅴ ~ベルゼブブの頭蓋~』の続きの物語です。うわ~、続きなのに、だいぶ間が空いてしまいましたな・・・(^_^;)。

一弥達が同じ客室に乗り合わせた、奇妙な客たち。「孤児」と名乗る暗い雰囲気の少女、「公妃」と名乗る気さくで上品な中年婦人、「木こり」と名乗る貴族的な若い男、「死者」と名乗るちぐはぐな印象の大男。夜をついて走る列車の中で殺人事件が起き、列車が暴走し始める。一弥は列車の屋根に上がり、運転室まで走って飛び込むと、そこにはヴィクトリカが。一弥とヴィクトリカは協力して、線路の分岐器を拳銃で撃ち抜き、列車がソヴレムで大事故を起こすのを何とか止める。
そして舞台は警察署へ移り、残った者たちに対するブロワ警部(二股ドリル頭(笑))による尋問が始まる。各自が列車の中で語った、偽りの自己紹介と真実の姿。そしてブロワ侯爵の、目的のためにはどんな手段でもとる冷徹な姿が浮かび上がる。
ヴィクトリカは、真犯人に告げる。「私が君を殺人者だと見抜いたのは、久城の為だ」「久城には正しい弱さがあり、私はそれを〈高潔〉と呼ぶ」と。そして「逃げろ」と。
事件はひと段落し、一弥とヴィクトリカは手を取り合って学園への帰途に就く。二人にとってただ一つの故郷と言える、聖マルグリット学園へと。

二つの大戦の間の、ささやかな凪の時間は終わりを告げ、時代は鳴動を始めた。〈灰色狼〉であるヴィクトリカは否応なくその大嵐に巻き込まれるだろうし、ヴィクトリカを守る、一緒にいるのだと心に誓った一弥もまた同じく。
〈名も無き村〉での占いでは「からだは離れても心は共に在る」と言われたけれど、やはりそれでは駄目なのだと、一弥は思っている。勿論ヴィクトリカも。
ますます強くなる二人の絆が、とても心強いです。
一弥は気付いてないけど、ヴィクトリカだって、一弥を大切に思っている。そして、過去に兄に投げつけられた〈愛を知らない〉という言葉に対する答えを得つつある。
どうか、二人が引き裂かれることなく、お互いを守って、一緒にいられますように。

深刻な物語なんだけど、楽しかったというか、面白かったというか、すごい勢いで読んじゃました。
ところどころで発揮される一弥のトホホ、要所を押さえてるヴィクトリカのツンデレ(笑)。
そして何より、グレヴィール・ブロワ警部のナイスポーズ(爆笑)。二股になったドリルの間が深遠に見えたり、暑さで下側のドリルがぐったりしてしまったり・・・。ハンサムなんだけどねぇ。腹違いとは言え、ヴィクトリカのお兄さんなんだし。勿論侯爵子息で地位もあるし。初恋の女性のためには、どんな犠牲だって払う覚悟のある、男気ある人なんだけど。
全てを台無しにするドリル頭。そしてカッコつけのナイスポーズ。
・・・悪い人じゃないんですよねぇ、きっと(笑)。ブロワ警部が登場するたびに、ニヤニヤが隠せません。

そういえば、もちろん今回も富士見ミステリー文庫版で読みました。挿絵のヴィクトリカがとても可愛い!フリルとレース満載のドレス姿もよかったんですが、表紙の給仕の衣装で銃を構える姿、きりりとしてましたねぇ!勿論後ろから支える一弥もカッコよかったし。今回一弥の大活躍(暴走する列車の屋根を駆け抜ける)のイラストもあり、一弥がずいぶんカッコよく成長したなぁ!頼れる男になってきたなぁ!ただの女難少年ではなくなってきたなぁ!と思いました。
(だから尚のこと、ブロワ警部のトホホ加減が目立っていい感じになってきたのかも・・・(笑))

学園に戻った二人を待ちうけるのは、どんな出来事になるんでしょう。
これから先も、とても楽しみです。

(2011.08.31 読了)

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水無月・Rの『GOSICK』シリーズ記事
『GOSICK』
『GOSICK Ⅱ ~その罪は名もなき~』
『GOSICK Ⅲ ~青い薔薇の下で~』
『GOSICK Ⅳ ~愚者を代弁せよ~』
『GOSICK Ⅴ ~ベルゼブブの頭蓋~』
『GOSICK Ⅵ ~仮面舞踏会の夜~』 (本稿)
『GOSICK Ⅶ ~薔薇色の人生~』
『GOSICK Ⅷ 上 ~神々の黄昏~』
『GOSICK Ⅷ 下 ~神々の黄昏~』
『GOSICKs ~春来たる死神~』
『GOSICKsⅡ ~夏から遠ざかる列車~』
『GOSICKsⅢ ~秋の花の思い出~』
『GOSICKsⅣ ~冬のサクリファイス~』

『GOSICK RED』
『GOSICK BLUE』
『GOSICK PINK』
『GOSICK GREEN』

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この記事へのコメント

苗坊
2015年10月01日 21:30
こんばんは^^
ようやく脱出できたと思ったら汽車内での事件。2人はそういう星の下に生まれてきてしまったんですかねぇ。
一弥のトホホも可愛いし、ヴィクトリカのツンデレも冴えてましたね^^
でも、ヴィクトリカの本音には感動しちゃいました。そこまで思っていたのか!!と。
私はまだ全部読んでいないので2人がどうなるのか分かりませんが、やっぱり傍にいないとダメですよね。2人の今後が気になります。
2015年10月02日 12:47
苗坊さん、ありがとうございます(^^)。
常に事件の渦中にある二人ですが、お互いを思う気持ちは本当に強いもので、とても素晴らしいですよね。可愛すぎです、二人とも!
ヴィクトリカが一弥を思う本音の気持ち、たまりませんでした!!

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