『本日は大安なり』/辻村深月 ◎

おぉ~!面白かった~♪
最近身の回りがバタバタと忙しく、なかなか読書に集中する時間が作れてなかったんですが、そんな事情を吹っ飛ばすほど楽しめました!
実は、辻村深月さんは初読みです。読んでみたいと思いつつ、なかなか新しい作家さんまで手が出せない今日この頃ですが、やっぱりいろんな作家さんを読める方がいいですねぇ。新鮮でした
老舗ホテルの結婚式場〈アールマティ〉で11月のとある大安の日に4組の結婚式が執り行われる、その一日を描いた『本日は大安なり』
ありきたりな結婚式にかかわる悲喜交々ではなく、かなり、ひねりの効いた物語になっています。すごいです。

なんか、自分の結婚式のことを思い出しました。もう15年も前のことですが(笑)。この作品のようなドラマティックなことは何一つ起こりませんでしたが(多分ね?)、それでもやっぱり晴れ舞台だったよな~と(^_^;)。
もしあの時、自分にもこんなドラマがあったら?・・・それは勘弁してほしいかな~(笑)。こういうのは、物語だからいいのよね。当事者は、色々大変すぎるわ~。少なくとも、今の私には許容範囲を超える事態ですわ~。

お互いに複雑な思いを抱いている美人双子姉妹の結婚式、プランナー泣かせのクレーマー花嫁の結婚式、花嫁側親族が花婿に対して不満を抱いている結婚式、花嫁に重大な事実を話せていない花婿がいる結婚式。
その4組の結婚式&披露宴があるその1日を、時間を追ってそれぞれの事情を小出しにしつつ、謎と人間関係を絡めて進行していくその構成、大変面白かったです~♪

最初はちょっと、登場人物が多くて頭がこんがらがったりしましたが、何回も最初の方に載ってるインフォメーション(時間と両家名と会場の表)と会場図を確認しつつ読み進めて、だんだん人間関係がすっきりしてきました。
どのカップルも、いろいろ事情が複雑で、あらすじ書こうとすると、長いうえに収拾がつかなさそうなので、やめときます。

双子姉妹の鞠香・妃美佳の仕組んだことにはビックリ。でも、読んでるうちに、お互いにいろいろ複雑な感情を持ってて、だけどそれを上回る姉妹を愛おしいと思う気持ち、結婚する相手に対する気持ち、双子という特殊な姉妹関係(しかも親でも気づかないくらいそっくり)の上に成り立つ、強い思いからやったことなんだなぁ、と納得。しかも新郎と来たら、「勘弁してよ」と言いつつ、それを許容できる(いい意味で)ややこしい人。この双子姉妹の結婚式の話が、一番好きかな。

クレーマー花嫁・玲奈に対するプランナー・山井の苦労、イロイロ大変でした。読んでて私もイラッとしたもの。しかも、そんな過去関係があろうとは。披露宴の最中に山井に対するサプライズがあって、後日談でも玲奈のインタビューが〈アールマティ〉を救った、というのがあったので、玲奈の印象もそんなに悪くはないんだけど。もしかして玲奈は、山井のことに気づいてたのかも…?なんて思ったりもしたんだけど、それはない、のかな。
後日談で、山井にも幸せが訪れてジューンブライドになる、っていうラスト、結構好きです。

叔母・りえちゃんの結婚相手に疑念を持つ少年・真空もよかったです。とにかく結婚式を止めようと色々頑張るけど、そんなことじゃ止まらないよっていうのが微笑ましい。りえちゃんの幸せために頑張る真空くん、健気でいいわ~。そして真空に協力する男性2人狐塚・恭司も、子供の言うことでもきちんと聞いてあげて真剣に対応してくれるところが素敵。
りえちゃんの相手、東さんが不器用だけどいい人で、後日談では真空と仲よく遊んでたのがよかったですね。

しかし、4組目の鈴木陸雄は、もう・・・全ッ然!駄目です!
途中で何度も「きーー!!この場に私がいたら、回し蹴りをくれてやる!」と思いました。何なの、この他力流され男!イライラするっていうか、イライラを通り越して暴力行為に走りたかった、マジで!
結婚してるのに、妻を運命の女とか言ってるくせに、なんで別の女との結婚式までズルズルと流されるの?!信じらんないっ!!しかも「何とかなる、いつでもなんとか逃げ切れてきたから」って、はぁ?!ですわ!
恭司が「殴りに来ました」っていったときは、万歳しそうになりましたね。思いっきりぶん殴ったれ!と(笑)。
まあ、さすがにゴルフクラブじゃ殺人事件になっちゃうんで、拳でしたけど、やってくれてありがとう!って思いました。
この人の後日談だけは、納得いかないなぁ~。幸せになっちゃっていいの、こういうしょうもない奴と。一度も物語の表に出てこなかった妻に対してね。まあ、かなりきつくお灸をすえたんでしょうけど。

4組目に関しては、なんとも言いようがないというか、私自身がぶん殴りたかったのですが、とりあえずみんな収まるところに収まって、それぞれの幸せがあり、アールマティの山井によってその後が語られてたのがよかったです。
初出一覧で、もともとは一組ずつの章立てで雑誌掲載されてたってのを見て、へぇ~と思いました。
その形もいいけど、、時間経過を追ってそれぞれが絡み合うように一日が進行していくこの作品での構成の方が、より面白いと思います。

いやいや、結婚式ってのは、ホント色々大変ですなぁ。
私も、もう2回目をする気力はないね(笑)。楽しかったけど。

(2012.03.15 読了)


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この記事へのコメント

苗坊
2012年03月15日 18:01
こんばんは^^
おお!辻村さん初読みでしたか。
辻村さん、初期の作品は学生ものが多くて読んでいてつらいものも結構あるのですが(といいつつ読んでない本も多いのですが^^;)最近はいろんなジャンルのものを書かれていて新境地を開いているなって思います。
4組の夫婦、それぞれどうなるんだろうとドキドキしました。面白かったです^^特に印象的だったのは双子ですかね。でも、真空くんの一生懸命さも好きでした^^
2012年03月15日 20:44
苗坊さん、ありがとうございます(^^)。
話題の作家さんなのは知ってましたが、ジャンルも広いんですね~。
なかなか〈読みたい本リスト〉が長くなるばかりの現状ですが、いずれは…と思ってます。
双子の話はとてもビックリしましたが、その上を行く新郎の「ややこしさ」には感心しましたね。
2012年03月16日 12:56
おー!辻村さんは初読みなんですねー。是非是非、他作品も読んでみてください!ちなみに私は「凍りのくじら」が大好きです。が、これを読むなら「子どもたちは夜と遊ぶ」を先に読まれることをお勧めします^^;

面白かったですね~!
私も双子の話が一番好きでした。なーんてややこしい花嫁だ!と思いつつ、その上をいく新郎に感心しちゃいました。そして、陸雄にはイライラしましたねー!私もムカつきながら読みました。でも、奥さんは心が広くって…凄いなぁと、こちらも感心しちゃいました。
2012年03月16日 13:58
↑勘違いしてました!
「子どもたちは夜と遊ぶ」は違うお話でした^^;すみませーんm(__)m
2012年03月16日 15:02
すずなさん、ありがとうございます(^^)。
辻村さんの作品、『凍りのくじら』がオススメなんですね~。さっそくリスト入りです♪

こんなにイロイロある大安の結婚式場は、大変でしょうけど(笑)、読んでる方としては、面白かったですね~、ホント!

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