『プリティが多すぎる』/大崎梢 ◎

いや~、ホントいいわぁ、大崎梢さんの〈出版業界(含む書店)モノ〉
本が好きな私にとって、こういうジャンルってホントに楽しくて、わくわくします。
さて、本書『プリティが多すぎる』、確かに〈プリティ〉が多すぎます(笑)。
表紙の装丁も、あふれかえる〈プリティ〉に取り囲まれてあたふたしてる主人公らしき人形が、点在。超汗かきまくってます(笑)。

老舗出版社「千石社」の編集者・新見佳孝は、希望とは全く違うジャンルの編集部に配属され、困惑し不貞腐れていた。なんでおれが「キラキラふわふわフリフリの女の子雑誌なんだ・・・。訳が分からない、ボンボン飾りが一つでも二つでも、どうでもいいじゃないか。眩暈がする・・・。
・・・えぇ~!そりゃ私だって、きゃり~ぱみゅぱみゅとか全然理解できないし、多分佳孝の所属する雑誌『ピピン』を眺めてたら頭痛しそうだけど、仕事ならもうちょっと頑張るよ?
割と優秀なので、そこそこソツのない仕事が出来るんだけど、やっぱり熱意がないから、詰めの甘いミスを連発する。なんかイライラするなぁ、いつになったらこのヒト成長するの?!もうちょっと頑張ってよ!と、佳孝に対してむかっ腹立てまくりでした。しかも、なかなか熱意を持ってオシゴトしてくれないんですよ、この主人公(^_^;)。

そんな彼を少しずつやる気にさせてくれたのは、「プロ」の仕事をする人たち。カメラマン・スタイリスト・メイクアップアーチスト・そしてモデルの少女たち。『ピピン』と言う雑誌を盛り上げようと、彼らが片手間仕事じゃなく真剣な気持ちで取り組んでいくのを見て、少しずつ佳孝も変わっていくんだけど。その度合いが遅くて、結構イライラしました。
プロの仕事って、ほんとにすごいと思うのです。どんなジャンルでもどんなことでも、本当に真剣に取り組み、誠心誠意ベストを尽くす。手を抜いたりしない。
十代前半のモデルの少女たちだって、常に真剣勝負。楽しくてかわいくて綺麗で素敵なお仕事にだって、色々な努力がつきもので、人気ランキングやスポンサーの意向、涙をのんだり歯を食いしばったり。だけど、『ピピン』の専属モデル「ピピモ」たちは、読者たちの夢を体現する。カメラの前に立つときは、思いっきり元気でキュートで素敵なモデルさんになるのだ。
そんな少女たちを見てたら、自分ももうちょっと頑張ろうって気にならないものかね(笑)。

まあ、南吉くん(佳孝のあだ名)のハナシはこの辺で止めとこう。
モデルオーディションの話やファッション誌の出来上がっていく過程とか、興味深かったです。それでもやっぱり、『ピピン』はきちんと読めそうにないんですけどね(笑)。
キラキラした可愛らしい雑誌の世界でも、やっぱり大人の都合や思惑、お金になるかならないか、ファッションメーカーや広告代理店との駆け引きとか、ホント大変なんですねぇ。

しかし、大崎さんは主人公本人ががっくりくるようなあだ名をつけるのがうまいですねぇ。
「ひつじくん」に続いて「南吉くん」ですか(笑)。
しかもね、この間、丁度うちの次男君が「ごんぎつね」の音読を始めたんですよ、宿題で。「ごんぎつね。新美南吉・文…」と読み始めたところで大爆笑し、「なんなん、おかーさん!」と怒られちゃいました。ごめん、南吉違いなのは分かってるけど、あまりにもタイムリーすぎて(笑)。

ところで、「千石社」といえば、『クローバー・レイン』の主人公・工藤彰彦(文芸書籍担当)の会社ですねぇ。っていうか、この作品の方が、先に出版されてるんですよね。図書館の予約の順番で、読むの逆になっちゃいました。
なので、この作品中で文芸担当の先輩・工藤という名前が出てきたときに、おお!って思いました。そういえば、彰彦もそつなく仕事のデキるエリート社員だったんですよね~。
とすると本作は、「千石社シリーズ」になるのかな?これからも、イロイロ物語のネタはありそうですもんね。
是非、「成風堂シリーズ」「ひつじくんシリーズ」とコラボしてほしいです♪

(2012.09.29 読了)

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大崎梢 文藝春秋発行年月:2012年01月 予約締切日:2012年01月20日 ページ数:285p


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この記事へのコメント

苗坊
2012年09月29日 18:56
こんばんは。
南吉君は最初どうなることかと思いましたが、意欲が出てきて安心しました^^
10代の若い子でも、仕事上ではライバルでありれっきとした仕事で、プロ意識は本当に高いんでしょうねー。私ももうちょっと頑張ろうと思いました^^;
2012年09月29日 20:50
苗坊さん、ありがとうございます(^^)。
不貞腐れ開き直ってた最初の方は、かなりハラハラしましたよ~(^_^;)。
与えられた場で頑張って働くことって、大事だなって、私も思いました~。
2012年10月02日 12:59
もうホントに佳孝にイライラしっぱなしでした^^;もっと真剣にやれー!と何度、突っ込みを入れたことか^^;あんなに必死な中高生たちの姿を見てるのに、なかなか本気モードにならなくってヤキモキしました。

「千石社シリーズ」っていいですねぇ~♪是非、シリーズ化して欲しいですね。
2012年10月02日 17:30
すずなさん、ありがとうございます(^^)。
自分の希望と違っていて嫌なんだろうけど、でもお仕事なんだから、ちゃんとやろうぜ~(-_-;)、ってずっと思ってました。
まだなんとな~く腰が引けてる感はありますが、ちょっとは頑張ってくれそう(笑)なんで、シリーズ化してほしいです。「千石社シリーズ」で、ほかの部署の人が主人公になっても面白いんじゃないかと、妄想しています(笑)。
るか
2014年03月04日 23:57
サクサク読めました♪

大崎梢さんの新作『ようこそ授賞式の夕べに』を読みました。
賞について考えさせられる内容だね♪
登場人物多すぎてちょっと困りました~

http://birthday-energy.co.jp/ってサイトは大崎梢さんのことを本人なりの特別意識のために、働くのが大好きで大衆的 なんて書いてましたよ。元力士の貴闘力と同じ生年月日なんだそうな。コラムをぜひ読んでね♪
「ハレる運命2014」も配信中!!

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