『眩談』/京極夏彦 ○

う~わ~。う~わ~。う~わ~。
はい、淡々と3回呻いてみました。
歪んでるよね。うん、歪んでますよ。
眩暈(めまい)しそうですよね。ぬとってしてますよね。
非ッ常~に、厭ですよねぇ
・・・京極夏彦さんだよなぁ、すんごく。
『眩談』(げんだん)っていうタイトル通り、非常にグネグネしてるというか歪(いびつ)です。クラクラしてきます。

今まで『○談』シリーズ(?)として『幽談』『冥談』を読んだんですが、どちらも怖いか怖くないかで言ったら、怖くはない。
本作も、怖いか?って聞かれたら全然、と言い切れるんですよね。
なんていうかねぇ。若い人にはわからないと思うんですけど、風呂場の木の「すのこ」みたいなんですよ。感触が。風呂場なんていう湿気のある場所にずっとあるから、ぬとっとしてるすのこ。べたべた、じゃなくて、ぬとっとしてるの。水垢みたいな感じ、って言えばわかるかしら。あのぬとぬと感の中に、黴菌とか厭な要素とかが盛んに繁殖してるんじゃないかと思うと、げっそりする(^_^;)。
『厭な小説』系かもなぁ。

「便所の神様」
暗くてぬとっとしてそうな便所の天井にいたもの。
「歪み観音」
くにゃりと曲がってしまった世界。私だけが真っ直ぐなの?
「見世物馬姥」
6年前の祭りで姿を消したとよちゃんのことを、思い出した。
「もくちゃん」
隣人は狂人。記憶を流し込まれる子供の行く末。
「シリミズさん」
昔の母屋に祀ってある「シリミズさん」。
「杜鵑乃湯」
ヘンな温泉ホテルを彷徨う。
「けしに坂」
忘れていた記憶を思い出させられてしまった。
「むかし塚」
埋めたら、昔話になるから。

どの物語も、実はきちんとした結末がない。登場人物たちは、多分歪んだ自分の日常をそのまま続けていく。歪んでいたって、いなくたって、キレイに片付くことはないんだから。
怖くはないけど、厭ですなぁ(^_^;)。
だけど、そんなこと言ってる自分だって、フツウのつもりでいるけど、普通って何?私だって、歪んでるかもしれないよね。そう思うと怖いか?いや怖くない。じゃあどうするのって言われたら、まあ、私もそのまま続けてくな。この日常を。

「シリミズさん」の「お水をあげなかったらどうなるのか」知りたいなぁ。私だったら、試してみちゃうかも。シリミズさんには触れなくても何か変化を起こしてみたら、どうかな~って思うわけデスよ。
ただ、池から涌いてきたぺらぺらの奴がシリミズさんの部屋でくしゃくしゃに丸められてたという事実からして、シリミズさんにも行動力があるのかもしれない。だとすると、そういう実験はしたらマズイのかしら・・・。

「けしに坂」のラスト、ある意味凄い。すっかり忘れることにしてた記憶を思い出してしまったのに、全て忘れて恩知らずになることにしちゃったんだ、主人公。その開き直り、潔いっちゃ潔いけど、人としてダメですよねぇ。

「むかし塚」の、埋めれば昔話になるし、自分もだれかの昔話になっている、っていうのは、ちょっと魅力だなと思った。もしかしたら、私も何か物語を持っているか、誰かの物語になってるかもしれないんだもの。ただ、埋めるべき何かを思いつけないんだけど。

しかしホント、歪んでますな。
再読はしたくないし、おススメは出来ないんだけど、この作品を避けて通れなかった私。
居心地の悪い、オチのない、ぬとっとしてて気味の悪い何かが繁殖してそうな物語なのに、読むのを止められなかったです。
京極さんて、怖くて厭な人だなぁ(笑)。いろんなイミで。

(2014.07.19 読了)


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