『GOSICK BLUE』/桜庭一樹 ◎

前作『GOSICK RED』のラストで、次への伏線がたくさん用意されてたのですが、なんとそちらではなく、『RED』の前の物語でした!
それがまあ、すごいのなんのって!
ヴィクトリカと一弥が移民として新大陸アメリカに上陸したその日に、とんでもない大事件に巻き込まれることに。
マンハッタンで一番高いビル「アポカリプス」の新造お披露目パーティーでヴィクトリカが解き明かした、とてつもない謎!
桜庭一樹さん、ありがとうございます!
『GOSICK BLUE』すっごくワクワクしました!

いやもう、堪能いたしました!
相変わらず、一弥がとんでもなく大変な目に遭ってるのに、ものともせず頑張っちゃってるのがホントに愛おしいです。
ぼちぼち一弥も、[少年]ではなく[青年]というお年頃なのですが、それでもやっぱりヘッドロックかけてぐりぐり頭を撫でまわしてあげたいぐらい、愛おしい!一弥のヴィクトリカへの果てしない愛情が溢れすぎてて、たまりません!

移民船からニューヨークに上陸したその日に、人気漫画家・ボンヴィアンに熱望されて、超高層ビル・アポカリプスのお披露目パーティーに同伴することになった、ヴィクトリカと一弥。ボンヴィアンは大人気漫画「ワンダーガール」の作画担当で且つそのアポカリプスを建てた、たばこ産業界一のブルーキャンディ家の孫。
ブルーキャンディ家の1代目・ラガーディアはイタリアからの移民だったのだが、彼女には裏切りと偽りの過去が・・・。
その裏切りと偽りや非情な仕打ちの恨みが渦巻くタワーの最上階のパーティー会場で爆発事故が起こり、会場の人々は切り離されたその場で、様々な告発をし、告発されたラガーディアは高笑いを続ける。
危機的状況の中で、灰色狼のヴィクトリカは、ラガーディアの偽りと裏切りを暴ききり、最終対決を挑む。
たまたま爆発時に地下にいた一弥はヴィクトリカを助けるために、ボンヴィアンの友人で漫画の脚本担当・クードグラースと女性消防士・メアリと名士と嘯く小男・トロルと共に、非常階段を上っていき、ヴィクトリカの危機を救う。
全ての人がアポカリプスから退避し、ニューヨークの夜の街を一緒に歩き始めたヴィクトリカと一弥は、一弥の姉・瑠璃と巡り会う。瑠璃は二人を抱きしめて言う。
~~「――新しい世界へようこそ」~~(本文より引用) と。

「回転木馬」に事務所を構えるきっかけ、一弥の就職先、ヴィクトリカが咥える新しいパイプ、色々なネタが詰まってましたねぇ。
自分たちの描いている人気コミック「ワンダーガール」の主人公にそっくりなヴィクトリカをパーティーの同伴者として連れて行きたいボンヴィアンが札束を振り回しても見向きもしなかったのに、巨大ペロペロキャンディに反応しちゃうヴィクトリカ。パーティー会場でも、黙々とお菓子を平らげ続ける姿は、とっても懐かしかったですね。周りに書物が散らばってなかったのが惜しいくらい(笑)。
そして、ヴィクトリカのために延々階段を上り続ける一弥にも、デジャヴ感が(笑)。

大変な事件なんだけど、ヴィクトリカの安定の推理があれば解決はばっちり。ただし、その後の賭けは、ひやひやの綱渡り。ボンヴィアンの協力あっての勝利に、ほっとしました。

途中途中で挟まれる「ワンダーガール」ストーリーが、物語の進行とオーバーラップしてて、良かったです。
ワンダーガールは空も飛べる怪力の女の子だけどヴィクトリカは頭脳派、全然違うのに「正しいと思うことに力を使う」という共通点が真っ直ぐでうつくしくて、外見がそっくりなだけじゃない、素晴らしさがありました。
最終話は作者がボンヴィアンだけになってました。…切ないなぁ。

切ないと言えば、ヴィクトリカと一弥が移民となって海を渡ることになった理由も、切ない。堅物の父親が言いそうなことだけど・・・。でも、それに抵抗して、ヴィクトリカと共に生きることを選んだ一弥、本当に素敵な青年になりましたな!感慨深いです。

『RED』の伏線がまだ回収されてないし、まだ二人は結婚してないし、だから続編があるんですよね♪
すっっっごく、楽しみです!赤→青ときたら、次は黄色なのかな、緑かな。いやいや、意表を突いて白黒金銀もアリだな(笑)。どっちにしろ、二人のアメリカ舞台らしい冒険活劇(もちろんヴィクトリカの頭脳のひらめきも)を読めるかと思うと、すごく嬉しいです。

あ、そうそう。小男のトロル氏ですが、たぶん灰色狼の末裔ですね。小柄で金髪碧眼、移民船で仲間が次々と死亡というエピソード。トロル氏との今後のストーリーもありそうで、楽しみですね!

(2015.07.26 読了)

GOSICK BLUE [ 桜庭一樹 ]
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桜庭一樹 KADOKAWA発行年月:2014年11月27日 ページ数:350p サイズ:単行本 IS


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水無月・Rの『GOSICK』シリーズ記事
『GOSICK』
『GOSICK Ⅱ ~その罪は名もなき~』
『GOSICK Ⅲ ~青い薔薇の下で~』
『GOSICK Ⅳ ~愚者を代弁せよ~』
『GOSICK Ⅴ ~ベルゼブブの頭蓋~』
『GOSICK Ⅵ ~仮面舞踏会の夜~』
『GOSICK Ⅶ ~薔薇色の人生~』
『GOSICK Ⅷ 上 ~神々の黄昏~』
『GOSICK 下 ~神々の黄昏~』
『GOSICKs ~春来たる死神~』
『GOSICKsⅡ ~夏から遠ざかる列車~』
『GOSICKsⅢ ~秋の花の思い出~』
『GOSICKsⅣ ~冬のサクリファイス~』

『GOSICK RED』
『GOSICK BLUE』 (本稿)
『GOSICK PINK』
『GOSICK GREEN』

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