『異人館画廊 ~盗まれた絵と謎を読む少女~』/谷瑞恵 〇

独自の意味を背景や小物として絵画に書き込む手法、「図像」。
その「図像学」をイギリスで学んだ此花千景が、10年ぶりに帰国。
彼女に、盗まれた絵画の鑑定の依頼が入り、物語は動き出す。
谷瑞恵さんって確か、コバルト文庫の人だよねぇ・・・、じゃあ読みやすいかな…と書評に惹かれての〈読みたい本リスト〉入りした作品です。
『異人館画廊 ~盗まれた絵と謎を読む少女~』、なかなか興味深かったです。

盗まれたのは、ゴヤの未発表作品と作者不詳の作品の2枚。絵画に書き込まれた図像を目にすることで、深層心理に訴えかけるという手法を使って悪意を盛り込んだ絵と、それと対を成す悪意の図像を打ち消す絵だろうと推測される。悪意の絵をを悪用しようという者がいて、それを阻止するために、千景の祖母の経営する画廊に集う「珍しい美術品を収集するグループ・キューブ」のメンバーと千景(千景も勝手にメンバー入りさせられたらしい)が奔走することになる。

千景は幼少期に誘拐されたことがあり、当時以前の記憶があいまいで、更に両親からも愛されず親権放棄までされてしまったという過去がある。そのころからの知り合いである、西之宮透磨には苦手意識があるのだが、透磨の方は千景を揶揄うかのように近付いて来、翻弄する。

絵を巡る攻防だけでなく、個性的なキューブのメンバー、千景のまた従兄である京一の間の悪さ、透磨の真意、千景の過去を巡る謎…いろいろなことが気になります。
少し変わった子供とは言え、なぜ千景の両親はそこまで千景を疎んだのか。誘拐の経緯は本作で明らかになったけど、その際のショックで千景が失った記憶の真実、どうして透磨には「図像」が効かないのか、まだまだ明らかになることが多くありそうだし、図像学や美術についての色々な物語も読んでみたいですね。
千景の「とても残念な画力」というのも可愛らしくていいですよね~。
千景自身が、大人びて落ち着いてるので、ついつい18歳であることを忘れてしまいがちなんですが、サブタイトルにも「少女」とあるし、年齢相応の女の子としてこれからな色々ありそう。
千景の残念な画力なのに、透磨は何が描かれているかを見抜くことが出来るのは何故かというのも、いろいろ含むところがありそう。
大体、キューブの存在そのものも、なんだかありそうな香りがプンプンしますよね。
本書『異人館画廊 ~盗まれた絵と謎を読む少女~』をはじめとして、もう何冊もシリーズが出てるので、読み続けてみようかな~。

(2018.05.06 読了)

水無月・Rの〈異人館画廊シリーズ〉記事
『異人館画廊 ~透明な絵と堕天使の誘惑~』


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