『俗・偽恋愛小説家』/森晶麿 〇

・・・夢センセ、月子さん、そして涙子さんも、メンドクサイ人だなぁ・・・。
・・・すみません、ホント夢のない感想で申し訳ない。
とはいえ、前作『偽恋愛小説家』を読んだ時、続編があるかな?と期待してたので、読めてうれしかったのは本当です。
〈続〉でなくて〈俗〉なのがポイントともいえる、本作『俗・偽恋愛小説家』
森晶麿さんのおとぎ話解釈、興味深かったです。

「白雪姫」「ラプンツェル」「カエルの王さま」「くるみ割り人形」を独特の感性で読み解く夢センセと、その解釈に反発したり納得したりしつつ、自分が関わってる事態の謎が解かれていくのを受け入れていく月子。
甘い甘い砂糖掛けのお菓子の砂糖を取り払った下に隠されている、苦い真実。
編集者として夢センセの執筆作『月と涙』を待ちながら、その作品になぞらえているのは自分と涙子さんなのか、物語の中で選ばれるのはどちらなのか現実はどうなるのか、と心穏やかでない月子。
ひねくれた表現ばかりする夢センセに、期待と絶望を繰り返す月子は、どうしても疑心暗鬼になってしまい、素直になれない。
そんな中、かつて憧れていた幼馴染の「聡さん」とお見合いをし、プロポーズまでされてしまう。流れで受け入れたような雰囲気になってしまい、何とか訂正せねばとあがくうちに・・・何故か夢センセが現れ、聡と彼の関わる真実を暴く。

いやぁ。実は登場時から聡さんは何となく怪しいなぁと思ってました(笑)。いや、月子に魅力がないとかそういう話じゃないんですけどね。ただ、聡の真実を明らかにする場に夢センセがいたのはちょっとご都合主義だったと思いますよ(笑)。まあ、あそこで夢センセが現れなかったら、真実は闇の中ってやつで、、物語の方向性がおかしくなっちゃうわけですが。

「白雪姫」と「カエルの王さま」「くるみ割り人形」の解釈はよかったですけど、今一つ納得がいかなかったのが「ラプンツェル」の解釈。ラプンツェル2人説は、ちょっと突然過ぎないかなぁ~と。元演歌歌手の卵の有名女性歌手と大物演歌歌手の事件を解き明かすのには、この2人説が必要ですけど・・・。他のおとぎ話はしっくりき多分、ちょっと違和感が残りました。

夢センセと月子の関係が微妙なところへ来て、前作の涙子さんがまた上京してきてしまったので、余計にこじれてしまったのは、仕方ないかなぁと思いましたよ(笑)。涙子さんもメンドクサイけど、色々誤解を生みそうな捻くれた言動で月子を振り回す夢センセ、鈍感で疑心ばかりが肥大化しちゃってる月子、そして例によって「叙述トリック」。
あ、でも今回の叙述トリックは、途中で気が付きました。だって、さすがに「人間」が誘拐されたにしては夢センセの対応がのんびりしすぎてましたからね~。

まあ、紆余曲折(やや自業自得)ありつつもとりあえず、夢センセと月子が上手いこといった感じのラストだったので、続編はないかな?
まあ、夢センセが素直になることも、月子が手放しで夢センセを信じ切れるのもなかなか難しいことだと思いますので、きっとこれからもこの二人には紆余曲折がありまくるんでしょうけどね~。

ところで。
そろそろ夢センセも〈私小説的偽恋愛小説〉以外を書いた方が良いのでは、なんて思ってしまいました。魅力的な物語を書ける力はあるんだから、一つのジャンルに固執せず作風を広げた方が良いんじゃないでしょうか。
・・・って、私は編集者か(笑)。

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(2018.06.20 読了)


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この記事へのコメント

苗坊
2018年06月24日 23:00
こんばんは~。
森さんの作品で、割と安心して読めるシリーズで^m^今回も色んなおとぎ話の新解釈を読めて良かったです。
でも、確かに「ラプンツェル」は突飛すぎたかもしれませんね^^;
2018年06月25日 20:22
苗坊さん、ありがとうございます(^^)。
おとぎ話の甘さは、万人向けというかなんというか、ちょっとご都合すぎやしないか?!と思うこと多々あるので、こういうビターな解釈があると納得しちゃいますよね。
ラプンツェルには驚かされましたが(笑)。

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