『ご用命とあらば、ゆりかごからお墓まで』/真梨幸子 〇


百貨店の外商。外商部の顧客のためには、ありとあらゆる手段を使い、商品だけではなく様々なサービスも用意する、やり手のセールスマン(ウーマン)。
老舗の百貨店〈万両百貨店〉の外商部の面々が、顧客のために奔走し、顧客の望みを完遂する『ご用命とあらば、ゆりかごからお墓まで』。とあらば、
ちなみにサブタイトルは~万両百貨店外商部奇譚~。やっぱりイヤミスの女王・真梨幸子さん、サブタイトルに奇譚と付くわけですよ。確かになぁ、〈奇譚〉ですよねぇ・・・ははは。

万両百貨店外商部のトップセールス・大塚佐恵子、大塚の後輩の駆け出しセールス・森本歌穂、中堅外商マンだが思い込みが強すぎる根津剛平、大塚の先輩だが売り上げでは負けている小日向淑子。それぞれが、顧客の無理難題を通して、外商として四苦八苦して叶えていくブラックな物語、・・・じゃない所が凄い(笑)。
飄々と顧客の要望を叶えていく佐恵子、「なんでここまで・・・」と思いながらも、何故か外商の仕事に目覚めつつある歌穂、思い込みの末に結婚まで雪崩込んでしまった剛平、顧客のトラブル対応を誤って退職することになった淑子、それぞれ無茶振りをするお客様との仕事の艱難辛苦との戦いはありつつも、案外サクサクと読み進めてしまえます。

実はこの作品を読み始めてすぐに、「百貨店の外商のお客さんになるには」というのをちょっと検索してみたんですよ。
まあ諸説色々あったんですが、自薦じゃダメらしいですね~。
やっぱり高年収・そしてその百貨店でのお買い物年額が百万単位(単位であって最低100万とかじゃない)、他にも公表されてない条件があるようですが、やっぱりそれだけのお金持ちともなると、いろんな要望があるんですねぇ(笑)。そして、「百貨店の外商とそれ関係ないよね?」ていうような〈ご要望〉もまかり通っちゃうという。少女歌劇団の落ち目俳優のファンクラブを作って、更にその俳優のタニマチを見つけてくるとか、ストーカー被害をどうにかしろとか、娘を社会勉強で働かせてほしいとか・・・。
いやあ、もちろんそんな財力は全くないんでムリですけど、私には〈外商の顧客〉は務まりそうにありません。小市民すぎて(笑)。

まあ、外商の皆さん優秀ですよねぇ。お客様のご要望に応えるために、色々なネットワークを持ってるし、トラブル処理能力も高いし、何より人を見抜く目が抜かりない(剛平は除く)。そのお仕事ぶりを見てると、へぇ~すごいなぁって驚に加えて、小気味よさすら感じます。
で、ですよ。その小気味よさや、あちこちでの登場人物たちの思い違いや、ところどころに張られる微妙なヒッカケなどで、「うん?あれ?なんか変かも?」という感覚が誤魔化されて、感じる不穏さに蓋をしてしちゃったんですよ。

そしたら最後の2つの章で、大塚佐恵子の外商としての大仕事が描かれて、アレ?アレ?・・・あ、そういうことかウンウン、・・・・って、ちが~~うう!!!って、ひっくり返される。
いや、そうじゃないかなって気はしたのよ。真梨さんだしね。でもやっぱり、やられたなぁ(笑)。
『ご用命とあらば、ゆりかごから墓場まで』かぁ…いい得て妙だけど、やっぱり色々マズいんでないかい?と思った次第。

(2018.07.12 読了)

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