『エナメルを塗った魂の比重 ~鏡稜子と着せ替え密室~』/佐藤友哉 〇

佐藤友哉さんの〈鏡家サーガ〉シリーズ第2作、『エナメルを塗った魂の比重 ~鏡稜子と着せ替え密室~』
偉業で異能な鏡家兄弟の中でも、エキセントリックさで群を抜いている次女・稜子が事態の周辺に出入りする物語。そう、稜子が主人公じゃないってところが、すごいですよね~。だけど、稜子の存在感がとんでもないってことがよくわかる作品です。
そして、鏡家兄弟じゃなくても、登場人物全員がクレイジーです・・・(^^;)。

鏡稜子が高校2年生の時。クラスの中では凄惨ないじめが日常化し、見て見ぬふりをする〈傍観者〉を量産していた。いじめる者、いじめられる者、コスプレで自己を特別化したい少女、ある日突然人肉しか食べられなくなってしまった少女、美しい転校生、密室化した教室で死んでいた少年、姿形を乗っ取られた美少女、怪しげな探偵、吸血者、そして予言者たちとそれを「作製」したものたちの意向。

語り手や視点は次々と入れ替わり、目を覆いたくなるようないじめや暴力が蔓延し、カニバリズムが炸裂し、・・・読んでると眩暈がしてきます。様々な出来事がどんどん進行してしまうので、物語がどこへ向かうのかも、全く想像がつかない。
前作『フリッカー式 ~鏡公彦にうってつけの殺人~』などを読んでいるので、稜子の「能力」を知っている私(=読者)でも付いて行くのがやっと、若さゆえの無知と傲慢にあふれる登場人物たちは、わからないままに事態を余計に乱れさせるのみ。
だけど、全てを超越する存在があったとはね。ズルに近い展開にもかかわらず、不満を覚えるより納得がいってしまう。このなげやりな感覚・・・ホントはヤバいんじゃないかと思う、自分でも…。

しかし、初瀬川研究所は相変わらず怪しさ全開ですな。「学」が付くものは何でも網羅しており、知名度は抜群ながら、常人には何をしているかわからない、謎の超秘密主義研究機関。そこで縦横無尽に異能を発揮しているらしい長男・潤一郎・・・とんでもない奴ですよ、ホントに。この人のストーリーが楽しみというか、怖いというか・・・。マッドサイエンティストとかそういうレベルを超えてるんだろうなぁ。

コスプレ少女の変貌(なり替わり?)が一番、ゾッとしました。切り替え早過ぎでしょ…。

(2018.08.14 読了)

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