『タンゴ・イン・ザ・ダーク』/サクラ・ヒロ △

いやぁ・・・久し振りに読了後、「え~と、だから、何?」って思ってしまいました。
サクラ・ヒロさん好きな方、ごめんなさい。私には、このカオスな世界観が理解できませんでした。
真の暗闇の地下室で音楽セッションする夫婦を描いた『タンゴ・イン・ザ・ダーク』、何がどうしてこうなって、そしてどういうラストになったのか・・・。

ある日突然、妻が「顔にやけどをした。病院に行くほどではない。でも見られるのが恥ずかしい。」と言って、寝室に引き籠ってしまう。互いに自立している夫婦であるためしばらくの間はそれで何とかなっていたが、妻は寝室から出てくるどころか、キッチンやシャワーまで整っている地下室に移動してしまい、夫の夕食は夫のいない間に用意できてはいるけれど、ずっと夫婦は顔を合わせることがないまま日々が過ぎていく。
地下室に籠る妻は暗闇の中でなら会うと言い、地下から出てくる条件として、自分がプログラムした「オルフェウス」というゲームの上位者ランキングに入ったら、という。
市役所勤めの夫は「オルフェウス」をプレイし続けるが、全くランキング入りできないどころか、日常生活に支障まで出始める。「オルフェウス」から、地獄の門番を音楽で手懐け妻を連れ帰ろうとするエピソードを思い出した夫は、地下を訪れてフルートを演奏しようと思い立ち、練習に励む。更に日常生活(彼の社会性)は破綻していく。
真っ暗な地下室で、夫はフルートで妻はギターでセッションし、演奏を重ね技術向上するにつれ、夫は不可思議な体験をしていく。

冥界脱出譚、妻は双子で名前も同じ「K」(表記上の漢字は恵と惠)、いつの間にか妻の顔を忘れてしまった夫、自分がいなくなった世界を観察したかった妻の子供時代、常に冷静で自分なんてものは無くて誰とでも取り換え可能だという妻、・・・モチーフやエピソードがたくさんありすぎて、なんだか話が追い付いていない感じがしましたねぇ。

話しはサクサク読めたし、途中までは興味深かったんですけど、頑なに籠りきりの妻の目的が全然わからないことと、最初の言い訳が火傷で「病院行くほどじゃない」という割には、いつまで経っても出てこないこと、などにイライラして来ちゃって。
いつになったら、これ解決するの?って思いながら読んでたせいで、完璧なセッションの後、異分子である「火野」の登場がわけわからなくて、ボー然としてしまいました。そこから繰り広げられる、現実と妄想が入り乱れる世界に、全くついていけなくなり、妻の指示で目隠しをしたまま「火野」を妻の運転する車にせ、どこかへ連れていかれる夫に、「いや違うだろ!」というツッコミを入れるしか出来なかったのでした。
しかも、妻は姿を消し、火野は息を吹き返し・・・。
すみません、結局死んだのは誰だったの?どうしてその人は死んじゃったの?それとも誰も死んでないの?とグルグルしてるまま、話が終わっちゃって、「火野の優雅なる一日」という短い物語が入るのだけど・・・。全然、本編の補足になってないのですよ。時系列が何処かも分からないし・・・。

けっこう、さっさと読めちゃったけど、理解できなかった・・・。
個人的には、「てんぷら油で火傷した」はずの妻が、夫が仕事に行っていない間に作っておいておく、夫の夕食のおかずが毎晩しつこく「てんぷら」だというのが、異様に怖かったです。
最初は、「てんぷら」が、何かすごいキーワードなのかと思ってて。でもそんなこともなく、ちょっとその点はガッカリです・・・。

(2018.12.29 読了)

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単行本 サクラ・ヒロ 筑摩書房タンゴインザダーク サクラ ヒロ 発行年月:2017年11月21日 予


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