『ことことこーこ』/阿川佐和子 〇

離婚して実家に出戻って来たフードコーディネーターの香子と、認知症の症状が出始めた母・琴子。2人の名前を合わせたのが、この作品のタイトル『ことことこーこ』なんだけど、香子のフードコーディネーターという職業柄、料理を煮込んでいる音のようにも感じられます。こっくりとよく味が染みた、美味しいお料理のイメージが浮かびますねぇ。
阿川佐和子さん、お腹が空きました~♪

香子が認知症の母と言った言わないのキツイ言い争いをするとか、母の介護を一人でやろうとシャカリキになるとか、弟からのメールを無視するとか、そのせいで母を老人ホームに入れる話が勢いで進んじゃったりとか、そういう展開には、実を言うと正直「え~・・・」と思わざるを得なかったです。もっといろいろ慎重にやって、頼れるところには遠慮なく頼らないとダメなんじゃない?って。

とはいえ、今までなんだかんだ言って気持ちの上では頼りにしていた母が、だんだん緩んでくる(壊れるという言い方はちょっと違うかな)のが、しんしんとツライのも分からなくはないです。
私自身は介護を担ったことはないのですが、結婚で家を離れた後に実家の両親が祖父母を介護しているのを垣間見てたので、介護の難しさは何となく知ってます。まだまだ琴子さんの症状は序の口なんだとは思うんですけどね。
それでも、親が認知症になるのって、辛いと思います。
救いは、人が変わったように暴れたり当たり散らしたりするような変わり方じゃなかったことかな。

最初にちょっと書きましたが、香子はちょっと抱え込みすぎ。
介護認定を受ける、介護度に応じたサービスを受ける、これは介護保険を払ってきた母親(たぶん支払いはほぼ父親だけど)の当然の権利なんだから遠慮なく使えばいいし、どんどん弟は巻き込むべきだし、他人を頼るのは気が引けるのかもしれないけど、助けてくれる人には「ありがとう」と言って助けてもらえばいい。そういうものじゃないの?じゃないと、自分が倒れちゃうもの。

琴子の認知症上の切なさや危険性(火がついてるお鍋を忘れて離れちゃうとか、迷子になって怪我するとか)、香子がテレビ番組での仕事を干されるとかは読んでいて暗くなって来てしまいましたが、香子が作る琴子の料理ノートのお料理の数々には癒されましたねぇ。香子オリジナルの料理も、結構好きなタイプ(あまり凝りすぎてないこと頃が好き)でした。
・・・ていうか、お腹空いた~~!!
誰か私に、こういうコトコトとじっくり煮込んだようなお料理を作ってくれないかしら。自分で作るのも、もうちょっと丁寧にやろうかなと思いもしたんですが、やっぱり人が作ってくれる料理っていいよね~♪

先ほどは香子を非難するようなことを書きましたが、それでも香子の頑張りはすごいなと思います。出来るだけ明るく、母親を励ましたりして乗れる雰囲気を作ったり、いずれは我が身と思うので(夫婦の両親ともどもまだ健在ですが)、介護初期の参考になりました。実践できるかどうかは分かりませんが、優しく明るい雰囲気を作れたらいいな…とは思います。

(2019.01.19 読了)


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