『異人館画廊 ~当世風婚活のすすめ~』/谷瑞恵 〇

イギリスへ留学し、スキップで図像学を修めた此花千景は、祖母の営む「異人館画廊」で暮らしている。
千景と画廊に集うキューブのメンバーが関わる、図像が使われているという絵画にまつわる事件を描く〈異人館画廊〉シリーズ。本作『異人館画廊 ~当世風婚活のすすめ~』では、千景の幼少時の誘拐事件の関係者も登場するのですが・・・。
谷瑞恵さん、千景の誘拐事件の真相はどうなってるんでしょうか?!気になってたまりません!

隠れキリシタンを守って来たという〈禁断の絵〉を継承してきた成瀬家から、盗まれたその絵を探してほしいという依頼を受けた透磨と千景。
その絵を持ち出したのではないかと思われる成瀬家の次期当主候補者が死体で見つかり、直前に異人館画廊に立ち寄って、ホガースの6枚つづりの版画と婚活イベントのパンフレットを置いて行ったことが判明。その婚活パーティーに潜入したり、婚活パーティーの主催者の私的パーティーに潜入したりした結果、成瀬家に出入りしていた女性が監禁されていたのを救出。
しかし、当の女性が千景を襲い、取り押さえられた後も千景をなじる。

成瀬家にあったのは、幻の禁断の絵ではない。禁断の図像のモチーフを分けて描いた6枚つづりの版画。
その6つのモチーフにもう一つの図像を足して、どんな影響のある絵画が完成するかを、千景は理解してしまった。

婚活パーティーで千景から指名されなかった京一のガックリぶり、透磨の密かな苛立ちが可笑しかったですね~。千景が選んだのは、社会学の調査で婚活パーティーに潜り込んでいた童顔の青年だったのですが、じつはじつは・・・。最後の方に透磨との会話から、この人物がキューブの「姿を見せないメンバー・カゲロウ」であることが分かりました。あらまあ、透磨にライバル出現、なのかしら。
本作で千景の透磨への信頼が上がってきてるというのに、今後どうなってしまうのか、とても気になりますねぇ。まあ、相変わらず二人はチクチク・ツンツンしてますが、少しは緩和してきてるので、ね。

そして、千景の誘拐事件。これもまた、ただの誘拐ではないようで、そろそろ真相を知りたいですねぇ。絵画を読み解く娘の力を危惧というよりは忌み嫌った父親、その父親とかかわりのあった本作の婚活パーティー主催者の関係が調査中ということは、そのうち明らかになってくるのでしょう。

本作では〈禁断の絵〉を巡っての旧家の後継者選び、悪意ある図像のモチーフ、悪意ある行動を促す団体の活動、それらを通して何度も「目隠しをした女(=残酷な運命)」が、その印象がちりばめられていました。
千景は自分を「目隠しをして、都合の悪いことから目を背けている」と言い、目隠しを外したいと思うように。彼女がそうするとき、彼女を支えるのは、透磨だといいなと思いました。もちろん、キューブのメンバーたちもきっと彼女の助けになってくれるでしょう。
谷さんがその日までの物語を描き切ってくれるのを、待っています。

(2019.03.27 読了)

水無月・Rの〈異人館画廊シリーズ〉記事
『異人館画廊 ~透明な絵と堕天使の誘惑~』

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