『ロボット・イン・ザ・ガーデン』/デボラ・インストール ◎

読書レビューサイト【トドの部屋】todo23さんからお勧め頂いた本作、『ロボット・イン・ザ・ガーデン』
機械技術がかなり向上し、家事アンドロイドなどが普及している世界設定で、ダメダメ大人な主人公・ベンとロボットのタングが旅をしながら成長していく物語だったのですが、とても面白かったです。
著者・デボラ・インストールさんはイギリスの方なのですが、本作は世界各国語に翻訳されて、多くの読者を魅了したとのこと。
そしてもちろん、ワタクシもその一人なのであります♪

いやもう、タングが可愛いというかなんというか。
完全に、ちびっこなのですよ。
最初はまともに会話も成立しなかったのに、少しずつ言葉を覚え会話にもバリエーションが増え、そのうちわがまま言ったりかんしゃくを起こしたり、拗ねたりわめいたり。そうかと思えば、健気な可愛さを溢れさせる。
我が子の小さかった頃を思い出して、ほっこりしました。当時は「早くイヤイヤ期終わってくれ~」とイライラしたりしたものですが。
あのちびっこの、ご機嫌な時の笑顔の破壊力(笑)を思い出してしまって・・・、ホントにたまりませんねぇ。

30代半ばになっても定職にもつかず、ぶらぶらしているダメダメ大人なベンの家の庭に、ある日手作り感満載のロボットが現れた。妻のエイミーは、ロボットではなくて家事アンドロイドが欲しい、ロボットを処分してきてくれというが、片言で意思疎通もろくに出来ないそのロボット・タングを気に入ってしまったベンは、タングの製造元を探したいと言い出す。
もともと冷え始めていた夫婦の仲は崩壊し、エイミーは離婚したいと言って出て行ってしまう。
ベンとタングはまずはアメリカ・サンフランシスコにわたり、その後ヒューストンへ、更にはに東京へ、そしてついにパラオでタングの制作者・ボリンジャーと出会う。

旅の最中にどんどん進化するタング(と言ってもやっぱり子供レベルなんだけど)、タングの父親のような友達のような形で成長していくベン、危なっかしくも微笑ましかったです。
とはいえ、便がお金持ちだからこの旅が出来たってのはあるよねぇ(笑)。普通は思い立って、イギリスからアメリカ、そのまま東京、パラオへ…なんて旅は出来ないし、飛行機でプレミアムシートをとったりいい車をレンタルしたりなんて(笑)。タングのかんしゃくに振り回されるベンには、同情を禁じ得なかったな(笑)。

タングの微笑ましさも私の心をとらえたのですが、アンドロイドはかなり緻密に出来ていて決まった役割に関しては完璧にこなせるけど、本来の役割とちがう機能はまだそんなに追加できないという技術設定の中で、拙いながらも何でもできるというか何でもできる可能性を秘めてるタングって、凄いんじゃないかと思うんですよ。自分を守るために伝えるべき真実を選択したり、自分がとる行動を選んだり(拗ねたり甘えたりもできる)なんて、AIが進化してたって、なかなか出来ることではないはず。アンドロイドよりも飛躍的に出来がいいはずですね!

ただし、そんなタングを作ったボリンジャーに関しては、アンドロイドに対して非人道的過ぎるマッドサイエンティストだと思いました。
アンドロイドは人間じゃないから、非人道的というのは言い方がおかしいかもしれませんが。
ボリンジャーがパラオへ移住してくる前に起こした事件、読んでいて気分が悪くなりましたもの。
そんなひどい人間だけど、タングを作れる技術を持っていることに関してだけはすごい。ただし、タングに対しても「道具」としか感じていない言動を繰り返し、本当にいやな人物でした。

そんなボリンジャーの元から脱出してイギリスに戻って来たベンとタング。
彼らに新しい家族が出来るラストが、ほっこりしましたねぇ。
続巻も出てるので、楽しみにしたいと思います。

(2020.01.26 読了)

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