『虚実妖怪百物語(破)』/京極夏彦 ◎

『虚実妖怪百物語(序)』に引き続き、『虚実妖怪百物語(破)』でございますよ。
妖怪馬鹿炸裂、事態はしっちゃかめっちゃかに混乱し、全く収拾が付かなくなってきてますよ、京極夏彦さん!!
いやぁ、面白かったですね♪どんどん増える登場人物(しかも実在の人)に困惑しつつも、「この言動は、あの作家さんらしいわ…」「あの作家さんて、こんな人なのか…」と楽しんでしまいましたね~。ていうか、ホント作家さんて破天荒というかエキセントリックというか・・・(笑)。
いや、作家さんだけじゃなく編集さんたちなんかも、キャラ立ちすぎだって(笑)。

富士の樹海に現れた魔人・加藤は、「この国を滅ぼせ」と配下であるダイモンを寄り憑かせた政治家・次期都知事の仙石原に命じる。
京極夏彦を筆頭とする「妖怪推進委員会」のメンツは、「日本の情操を守る会(NJM)」に包囲されるも、辛くも脱出。
荒俣御大がNASAの技術で強化改築したマンション(妖怪資料を保管している)も暴徒と「対妖怪特殊部隊(YAT)」に襲撃されるが、荒俣御大自ら操縦?する學天則(日本初のロボット?・・・の、付喪神?)で陽動作戦を決行。
黒史郎の元に居座る「しょうけら」は平山夢明達の発言により「邪神・クトゥルー」と化し、海外からの信者を呼び寄せてしまう。

とにかく、どんどん登場人物が増えて、キャラが大渋滞してくる。でもまあ、うまいこと適材適所というか、ぴたりぴたりとはまって行くので、読んでて迷子になることはないのですが、ホント京極さん、各方面に許可取ってるんだろうか(笑)。
会話が弾み、薀蓄が炸裂し、状況は妖怪一派をどんどん窮地に追い込んでいくのですが、その事態の打開展開がもう、力業というか色々壮大すぎる・・・。

毎度のことながら、ストーリーを追うのは無理なんで、私が気に入ったシーンや登場してくる人物や物などにだけ、言及することにします。

まずは何と言っても、學天則!!ですね!!
大阪市科学館にある(レプリカですが)ウチの次男が大好きなロボットですよ~。私も、何度もその動くところを見て(二足歩行ではありません(笑))「これを昭和3年に作ったって、凄すぎでしょ!」って感動しまくってたんですが。
まさかの學天則の二足歩行を荒俣御大が操縦(笑)するなんて…!!
実物(科学館のレプリカ)を見たことあるんで、なんか変な意味で感動しましたわ~(笑)。

「しょうけら→クトゥルー」も、「言葉の力の恐ろしさ(笑)」をまざまざと見せつけられましたね。
そして、海外から信者が集まってきてしまうぐらいの影響力があるのね、クトゥルー。クトゥルー神話、ちょっとだけ齧ったことあるけど、あれが出現したら、そりゃ大騒ぎになるわ~。

それと、・・・すごく私的な感想なんですが、黒史郎氏のマンションに集まって来た人たちの中に、田辺青蛙さんと円城塔さんがセットで居たことに笑ってしまいました。『読書で離婚を考えた』のご夫婦ですな。仲良くて何より(笑)。

次々に出現する妖怪、「郵便ポストが赤いのも電信柱が高いのも、全部妖怪が悪い」並みに思考停止して過剰に妖怪排斥に走る大衆、過激な対応策を振りかざし後ろで操る仙石原(加藤)、展開は非常にシリアスなんですが、あちこちにちりばめられる笑い(おもにレオや平太郎が酷い目に合ってる)や、妖怪馬鹿たちの熱い妖怪談義などで緩和され、話が進むにつれ、どんどん読み易くなってきます。

いやホント、とにかく情報量が凄いことになってますよ、京極さん!でも、すごい勢いで読んじゃうよ!!

荒俣組が立て籠もるNASA改造マンションの目の前に設置された「対策本部」に入った仙石原に襲い掛かったのは、怪談蒐集家・木原浩勝。
木原の振りかざす槍に左目を注されたはずの仙石原は無事…っていう情報で、京極組は仙石原の「非人間」を確信するのだが・・・。
これを見た一般市民、全然疑いを持たないのか。なんというか、怖ろしすぎるわ・・・。

そして出ました、ラストで水木しげる大先生の「あんた達もオニ退治ですよ」宣言
続巻が気になって、このレビューとりかかる前に読み始めちゃったじゃないですか~~!!

(2020.03.18 読了)


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