『CAボーイ』/宮木あや子 ◎

あ~、面白かった!!楽しかった!!
この作品は宮木あや子さんのノリテンポ良し系ですねぇ!読みながら色んなツッコミを入れたり、爆笑したり、大変忙しい読書となりましたよ♪
主人公・治真は20代後半なので、『CAボーイ』というタイトルにはちょっと「ボーイ・・・???」ってなったんですけど、途中で『校閲ガール』をはじめとする〈校閲ガール〉シリーズとの意外?な関係が分かって「そっか、お仕事小説として対になる作品なんだ!だからボーイなのね!」と納得。

ていうか、『憧憬☆カトマンズ』とも関わりあるじゃん!!紫絵が鯛焼き買いに行った鯛焼き屋って、『カトマンズ』のパティの実家だし!
更に言うと、不動産屋兼鯛焼き屋店主?の加奈子は『セレモニー黒真珠』のトホホ系眼鏡美男子・木崎の妹だし!!
ハ~イ、水無月・Rの〈高感度過ぎる木崎センサー〉が発動しましたよ!
『黒真珠』の木崎が好き過ぎて、ちょっとでもその影が差しただけで、脳内で紙吹雪を散らして狂喜乱舞を繰り広げるという、大変ヤバい人になるんです、ワタクシ。
残念ながら、加奈子しか出てこなくて、木崎は登場しませんでしたが。
宮木さん・・・お願いですから、どこかで木崎の消息を・・・出来たら登場を・・・!!
(↑強力電波を飛ばしています…宮木さん、キャッチしてくれたら嬉しいです…)

いいなぁ、宮木作品てあちこち繋がってて。時々「これってメタ展開なの?」って疑問がわくこともあるけど(笑)。
あの登場人物は、あの作品で終わりじゃなくて、宮木さんの作品世界でずっと暮らしてるんだな、って思うと楽しい。
そして、もしかしたらまた出てくるかも、ってワクワクします。あちこち好きなキャラが沢山いるんで!!

あ・・・、いかんいかん、脱線が過ぎちゃいましたわ。本題に戻らねば(笑)。

とある事情により、パイロットになる夢を断たれ高級ホテルのホテルマンとして仕事をしていた主人公・高橋治真は、2年間CA(客室乗務員)として勤めた後は他部署へ移動できるという募集を知り、転職をはかる。
厳しいCA研修も究極のサービス業である前職の経験を活かし危なげなく乗り越え、初フライトでは学生時代の友人の護送に遭遇し、保安検査場スタッフ・茅乃と知り合ったり、転職直前に乗客として知り合った先輩CA・紫絵と再会したり、パイロットの夢断念の経緯が明らかになったり・・・と、忙しさと苦悩の日々を送って行く。

治真の父が「薬物使用により操縦を誤った」という事情には、どう考えても裏がありそう。
その操縦を誤った飛行機に乗っていたという茅乃は、「あのパイロットさんは薬物なんか使用してない、いい人だった」というし、紫絵が先輩操縦士にちょっと探りを入れても「操縦士たちは彼の無実を信じている」という言葉が出てくるし・・・なんて思ったら、国土交通省と大臣がキナ臭くちらつく展開に。
そうなった時点で、残りページがどう考えても足りないのですよ。
え~、尻すぼみに終わったら嫌だなぁ、宮木さんお願いしますよ!なんて思いながら読んでいたら。
なるほど、こういうふうに纏めたか!モヤモヤするかと思いきや、何というか治真の「自分の夢のため自分の道を切り開いていく」という決定の気持ちよさに、応援する気持ちになれました。

治真って、ホテルマンだった時も優秀だったんだろうなぁ。
当時の同僚・ラムが個性的すぎて笑えました。ちなみにラムさんは男性(中身女性)なのかしら、反対なのかしら(笑)。清々しくジェンダーを乗り越えるラムさん、かっこよくて好きですね(言葉のチョイスも好き)。
そう、ジェンダーと言えば、オリエンタルホテルでも治真の乗った飛行機でも脱走を図った少年(性自認は女性?)・天祐のCAになって女性用制服を着たいという発言に対して治真が「いまは無理でも、自分たち大人が頑張ってそういう世の中にする」という言葉、もちろん理想論ではあるけど、応援したいなぁ。まあ、この発言について、治真は後にちょっと反省するんですが。でもこの気持ちは失わないで欲しいですね。

茅乃の挑戦も応援したいと思ってたら、物語はコロナ禍に突入。
すべてがひっくり返ってしまったこの事態は、もちろん航空業界にも多大なる影響を及ぼしてしまう。
航空会社はCAの新規募集を停止し、便数もかなり減って治真が搭乗する回数も激減。
治真がCAからパイロットになることは出来るのか、そもそもその適性があるのかどうか、まだわからない。
CAボーイ・治真は、校閲ガール・悦子のように「なりたい職種と天職とは違う」という壁に出会うかもしれない。
それでも、彼は・彼らは前を向いて、自分の道を切り開いていこうとする。
なんと、清々しいラストでしょうか。
読んでいて、本当に楽しくて、気持ちよかったです。

気持ちよかったと言えば、ラムさん以外にも楽しいキャラがいましたねぇ。
CA訓練教官であるオブライエン美由紀、いいキャラでしたねぇ。だいぶ前から公称年齢45歳って、美魔女過ぎる(笑)。
猛烈な勢いで「日本語のはずなのに聞き取れない叱責」を飛ばしたり、搭乗中のトラブルもビシッと決めるところがカッコよかったり、治真のランチの乱入しては「CAとは何か」を語ったり、なんかいいです。キツイところもあるけど、CAという職業に誇りを持ち、後輩の指導に真摯に取り組む、なんとも潔くかっこいい女性でした。

治真の学生時代の友達とかも、ホント人間性が良くて一人一人言及したいですが、現時点でもかなり長いのでやめておきます。
いやホント、CAという職業や航空業界のこととか興味深かったし、みんなキャラが立っててポンポン弾む会話が楽しかったし、色々考えさせられた末にラストのコロナ禍とか、情報量多かったですわ。
皆様、是非読んでみてください!ホントにいい作品です!!

(2021.02.12 読了)

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この記事へのコメント

苗坊
2021年02月14日 13:51
こんにちは^^
あ、ボーイってタイトルは校閲ガールとも絡んでいるんですか!(今更)しかも物語も重なってるし!と思っていましたけど確かにもっとたくさんの物語が絡んでいますよね。水無月さんちゃんと把握されていて流石です。私すっかり忘れていました(笑)
出てくる人たちが個性的で、そしてみんな大体仕事が出来る人たちでかっこよかったですねー。治真もその友人たちもみんな仕事が出来そうですよね…。
色々言いたいことがありますがありすぎるのでここで止めておきます^^宮木さんの本はまだ未読が多くて読みたいと思っているのですがなかなか追いつけず悔しいです><
2021年02月14日 17:06
苗坊さん、ありがとうございます(^^)。
あ、ボーイとガールの関係は私の勝手な推測です(^^;)。
宮木さんのコッチ系(ノリノリ系)作品は結構繋がってるので、誰が出てくるか楽しみにしながら読んでおります。もちろん、一番出てきて欲しいのは木崎なんですが(笑)。
自分の仕事に誇りをもって、一生懸命まい進する人たちって、素敵ですよね。本作はそういう人たちがたくさん出てきて、本当に気持ちよく楽しかったです!