『グッドラックららばい』/平安寿子 ◎

平凡な主婦が、突然トチ狂って家族を捨てて、旅芝居の一座についていく。残された家族は、案外あっさりと暮らしている。20年たって、母は帰ってきた。

『グッドラックららばい』は、一言でいうと、そういう物語。
最初は、「しまった。水無月・Rの苦手な‘だからそれが何?‘系の話かも」と思ったが、残された家族があまりにアッケラカ~ンと暮らしているのに、度肝を抜かれ、読み進めるうちに、そのアッケラカンぶりが次第に爽快感に変わり、「なんじゃそりゃ」と苦笑になった。

妻が出て行っても「人助けをしてるんだからいいのだ」「離婚する気はない」と、非常事態に目をつぶるという才能を遺憾なく発揮する、夫。「お母さんはやりたいようにやれば」と、さばさばと男に貢ぐ生活を続ける長女。「お母さんが出て行くなんて、私の生活ステータスはどうなるのよ」と、怒り狂う上昇志向の強い次女。「可哀想な弟と姪達を見てやらなくては」と空回りに発奮する、伯母。「何となく、家に帰るのは、遊びが終わるみたいでイヤ」と、状況に流されつつ、それを楽しむ、流浪?の家出主婦(妻)。伯母に紹介され「結婚紹介行その他」を経営する、やり手の中年女。次女の上司、次女の夫と子供、家出主婦が流浪先で出会った個性の強い人々、・・・とにかく「なんじゃそりゃ」なのである。

家出主婦をめぐる様々な人たちの群像劇、と言ったらいいのだろうか。
いろんな人が出てきて、誰が主人公かもよく分からない。だけど、すごいなと思うのである。普通、一家の主婦が家出したら、大混乱をきたすはずが、何故か「なぁなぁ」で20年過ぎてしまうという・・・。イヤ、私には出来ないけどね~。その20年間で、一番成長というか変わったのは次女だと思うけど、なかなかバイタリティのある人物だと思う。その他の登場人物たちも、味のある、個性的な人たちだ。いい意味でも悪い意味でも、悩み少なく自然体に生きてるって感じだ。

以前読んだ平安寿子は、水無月・R的には理解し難い面もあったけど、この作品は、乾いた苦笑いを誘う、と言う意味で、◎評価をつけるに値する。

(2007.3.9 読了)
グッドラックららばい
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講談社文庫 著者:平安寿子出版社:講談社サイズ:文庫ページ数:567p発行年月:2005年06月この


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