『女王様と私』/歌野晶午 ○

引きこもり・ヲタク・デヴ・ニート(パラサイト)中年の俺・真藤数馬。体長30センチの人形・絵夢(妹と妄想)を連れて外出。過激な女王様(SMじゃないけど)と出会い、振り回される。が、女王様の巻き込まれた事件を発端に、引きこもり解消か・・・・。と思いきや。そこには、歌野晶午らしい、ドンデン返しが。
また、ヤラレてしまいましたよ。読むのは3作目、『女王様と私』、「今回は絶対引っかかるまい、歌野晶午なんだから、とんでもないからくりがあるはずだ!!」と最初から疑ってたんですよ。なのに、ネタバレされるまで全く気がつかず。(いや、よく見れば章のタイトルから分かったはずだよ・・・。)
水無月・R、トロすぎ・・・。

だけど、今回のはちょっと物足りなさを感じるなぁ。途中で、すべてが数馬の妄想だ、って事がばれちゃうので。まあ、それもストーリー後半の突拍子もなさを支えていると言えば、そうなんだけど。最後にもう一つのドンデン返しがあったから、そっちがメインだと思えばそれなりに「歌野晶午らしい」といえなくもないけど。

今回は、今まで読んだ2作『ジェシカが駆け抜けた7年間について』『葉桜の季節に君を想うということ』に比べると、ちょっと虚しさが残るかなぁ。水無月・R、小市民なので、出来るだけまっとうな終わり方を望むんですよ。せっかく、数馬引きこもり脱出か、と期待して爽やかに読み進んだ前半に比べ、後半は「これはすべて数馬の妄想(しかも女王様がトンデモナイ奴だ)」ということで、ドロドロ。しかもトドメのドンデン返しが、数馬にとっては幸せというか現実逃避手段として有効なんだろうケド、ちょっとねぇ・・・。
コレだけ想像力豊かなら、他の方面にその能力を活かせばいいのに・・・というのは、まっとうすぎる希望でしょうか。嫌なことがあっても、逃げずに立ち向かわなくてはいけない、って言うのは硬すぎる考え方なのかな~。

内容としては◎ながら、結末が水無月・Rにとって、不本意と言うか好みに合わなかったので○。

(20072.4.23 読了)

女王様と私
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著者:歌野晶午出版社:角川書店/角川グループパブリッサイズ:単行本ページ数:392p発行年月:200


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