『犬は勘定に入れません』/コニー・ウィリス ◎

いや~~、長かったね。2段組500ページ以上の大作です。面白かったです。
・・・ただ、惜しむらく、水無月・Rは「無教養」だったのです・・・。イギリス古典文学の引用、ホームズ・ポアロ・ピーター卿などの探偵小説、とにかく、もっとイギリス文学に関する教養があれば、更に面白く且つ楽に読めたのだろうと思います・・・。残念!

コニー・ウィリス、何か聞いたことのあるような著者名だな~、と思ってたら、10年以上前に読んだことのある『わが愛しき娘たちよ』の著者ですね。といっても、内容あんまり覚えてないんですが・・・(-_-;)。

で、『犬は勘定に入れません』ですが、すごいですねぇ。タイムトラベルものは多々ありますが、ここまで行ったり来たりを繰り返し、歴史の自己修復に振り回される人々を描いた作品は、読んだことないです。設定が壮大。しかもつじつまが合ってる。(←コレが何よりもスゴイと思う。

ロンドン大空襲で焼失した「コヴェントリー大聖堂」を完璧に再建するという、とてつもない計画において、「主教の鳥株」という花瓶が大空襲時に存在したのかどうかを確かめる為に、何度も時代降下(タイムトラベル)を繰り返させられた、主人公・ネッド。「時差ボケ」ならぬ「時代差ボケ」でボーっとしてる間に、ヴィクトリア朝へ「休暇かたがた齟齬を修復させる」為に送り込まれるが、時代差ボケのせいで、歴史の流れを修復させるどころかどんどん悪化させてしまう。そこへ現れた仲間のヴェリティと共に、悪戦苦闘の末、何とか消えてしまった花瓶のなぞを解き、「コヴェントリー大聖堂」の献堂式に間に合わせる。というのが、ストーリー。

但し、とにかく話が入り組んで(特にタイムトラベルの齟齬)、ネッドとヴェリティの「齟齬修復」のための東奔西走(いや時代すら駆け抜ける)や(時代差ボケの後遺症と思い込んだりしてる)恋愛が絡み合って、簡単には語れない。いったい何時になったら「主教の鳥株」にたどり着けるのか、ヴェリティが現代に持ち出した猫から起きたと思われる齟齬の修復は出来るのか、ヒヤヒヤしどおしでした。

「大聖堂の完璧な再建」の責任者〈レディ・シュプラネル〉の強引さは、疑問だった。何であんなに強気に出られるんだろう。もちろん、レディ・シュプラネル個人の性格の強さもあるとは思うけど、財力かしら、権力かしら。どうして誰も彼女を止めたり諌めたりすることが出来ないのか、不思議に思っちゃいました。

そうそう、ネッドとヴェリティが「トシーが結婚相手のCと出会えなくなる齟齬」を修復するために東奔西走するのだけど、その謎の人物Cは結構早くから見当がついてました(←偉そうに言うな)。その真実が明らかになったとき、ついつい快哉を叫んじゃいましたね(笑)。

(2007.5.17 読了)

犬は勘定に入れません
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あるいは、消えたヴィクトリア朝花瓶の謎海外SFノヴェルズ 著者:コニ・ウィリス/大森望出版社:早川書


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