『前巷説百物語』/京極夏彦 ◎

ハイ、きましたよ~♪ 『巷説百物語』シリーズ!
御行の又市さんが、青臭い若者なんですねぇ~。あの又市さんが、怪談になぞらえて人ならぬものの仕業として、物事の始末をつける、その発端を描いた物語です。思わず、「又市キターー!!」とつぶやきながら読み始めてしまった、水無月・Rです。(←最近、とみにアタマがゆるくなってきています

とある事情で上方にいられなくなった又市は、江戸へ入り、双六売りとして生活している。知人の手遊び屋・仲蔵のところで、上方での知り合い・林蔵と再会し、なじみの女郎・お葉の巻き込まれた殺人と林蔵の持ってきた女相撲の死体の始末を、損料屋「ゑんま屋」に依頼したことから、又市とゑんま屋との「損料仕事」が始まる。

~~恨み辛みも未練も消して、残すは巷の怪しい噂-だ。~(中略)~口八丁手八丁、舌先三寸二枚舌、口から先に生まれ出て、口先だけでこの世を渡る-~~(本文より引用)
ゑんま屋の主・お甲相手に切ったタンカ、まさに「小股潜りの又市」誕生である

とは言え、上手く物事を引き回せず、損を始末するための人死にを出す度に「もっと良い方法があったのでは」「殺しじゃ損は埋まらない」、と思い悩む。又市さん、青いです。その青さがいいのですが。

その又市が、「寝肥」「周防大蟆」「二口女」「かみなり」「山地乳」「旧鼠」と、物語が進むに従って、裏渡世の「祇右衛門」と対立し、仲間を殺されし、なんとか解決をつけるものの、表渡世に居残るには納得が行かず、裏渡世へと鞍替えする。

~~俺は損料屋の手下でも双六屋でもねぇ、俺は今日から-」
 ただの御行乞食よ~~(本文より引用)
「祇右衛門になった宗右衛門」の残した、「まかしょう」の衣を羽織って宣言し、
「御行奉為-」
と、又市一行の怪談始末(怪談になぞらえた必殺仕事人ですよ!)の締めくくりの一言。

すごいな~、やっぱり、すごいよ、京極夏彦さん。
『巷説百物語』『後巷説百物語』 と読んできて、又市さんの冴え渡る口八丁の小股潜りに感動してたら、自分の技に納得がいかず悩む若い(青い)又市さんの物語なんですもん。
願わくば、この『前巷説百物語』では、殺しを「始末」に織り込むことにかなり抵抗していた又市さんが、どうして『巷説百物語』になると、殺しに躊躇なく(それでも出来るだけ少なくする努力はしてたようですが)なってしまったのか、その辺の物語も読んでみたいなぁ、と。

あ、そうそう、最終話で少女時代のおぎんさんが出てきましたねぇ。人形のような、美しくも感情のなさそうな、娘として。コレがあだっぽい山猫回しのお姐さんになるんだからビックリだ。その辺の変容振りも読みたいなぁ。

「生駒屋の若旦那」って、アレは後の「若き知性派じゃなくて天然役者」な百介さんですよね。いや~、あの頃から、天然ボケと言うか、アレだったんですねぇ。ふふふ。水無月・Rは百介さんの天然役者&後の哀愁老人ぶりが結構好きで、百介さんファンだったのですよ。だから、ちょっとの出演でしたが、嬉しかったですね。

さあ、後は『続巷説百物語』だな。予約はしたので、M市図書館からの連絡を待つべし。ああ~、楽しみだなぁ♪

(2007.6.4 読了)
水無月・Rの〈巷説百物語シリーズ〉記事


前巷説百物語
楽天ブックス
怪books 著者:京極夏彦出版社:角川書店/角川グループパブリッサイズ:単行本ページ数:729p発


楽天市場 by ウェブリブログ




"『前巷説百物語』/京極夏彦 ◎" へのコメントを書く

お名前
メールアドレス
ホームページアドレス
コメント