『すべてがFになる』/森博嗣 ○

すみません。水無月・Rは、無教養なんです。根っからの文系人間だし。だから、この『すべてがFになる』の謎解きは、全っ然、出来なかったです。ていうか、普通の人にこれは解ける謎なんですか?無理ですよね?無理って言ってぇ~!
しょっぱなから、西之園萌絵の暗算能力に驚かされただけの人間に、このミステリは、無理だったのかも・・・トホホ。
森博嗣さんは、久しぶりですね。この方、知らなかったんですが、ホントの大学の先生。今の大学って、こんなにデジタル化してて、教員もコンピュータに詳しいのかなぁ~。水無月・Rが言ってた頃とは、隔世の感があるね・・・。

ストーリーは、きれいに展開し、矛盾もなく、精緻にかつ恐るべき勢いで描かれていきます。孤島の中の、出入りが監視される研究所、そしてその中でも地下の開かずの間である居室兼研究室(ここもビデオ監視されてる)。この3重の密室状態から、ウエディングドレスを着た死体が走り出て来る。完璧な密室で、死体・真賀田四季(とんでもない天才であり、16年前、両親を殺害している)博士を殺したのは、だれなのか。真賀田四季が残したメッセージ「すべてがFになる」とは、何を示すのか。

その謎に挑む、大学助教授(やはり天才)・犀川創平と、犀川の研究室に出入りする富豪の娘(こちらも天才)・西之園萌絵。他、真賀田研究所の所員ら。ところが、それをあざ笑うかのように、研究所の所長・新藤が殺され、研究所の暴走したコンピュータシステムをリセットした副所長・山根も、殺される。次々と犯行を行ったのは、だれなのか。方法は。動機は。

途中から、犀川先生のアタマの中では、犯人も方法も分るんだけど、私にはちっとも分らなかったし、更に言うと、犀川先生が解説してくれる謎解きの理論や計算も全くわかりませんでした・・・。16進法、とか言われた時点で、もう脳が拒絶しちゃうのね(笑)。で「7が孤独」「BとDも孤独」とか言われてもさっぱりなんでございますよ。なので、この辺(重要なのに!)流し読みしました・・・ごめんなさい、森さん。

ただ、いくつか、気になったことがあるんですよ。実際的には無理じゃないの?ってことが。
ネタばれになりますが、四季が産んだ子供・道流のことです。ていうか、道流を一人きりで、外界と遮断された(物理的にも情報的にも~ネットにも繋げなかった筈)密室で育てることは、無理なのでは?という事です。いかに、四季が天才少女であったとしても、所長であり叔父でもある新藤の協力があったとしても、赤ん坊を育てるには、特殊なもの(成人は使わないおむつや衣類)、しつけの方法(トイレトレーニングや言語的な他者との交流)などが、必要。それを入る物すべて監視されているのに、気づかれないわけがないと思うんですが?おむつも服も全部四季が手作り?離乳食も?母乳だったわけ?14歳の少女が?
曲がりなりにも、子供を産んで、育てたことのある女として言わせてもらうと、どう考えても、それは無理なのですよ。いくら、四季がとんでもない天才であるとしても、相手は理性のない赤ん坊相手。私的には絶対に、ありえませんね。

それと、さすがに司法解剖したら、死んだのは29歳の真賀田四季ではなく、10代前半の女性であることはすぐに分かるはず。・・・まあ、これは分かった頃には現場から遠く離れ、姿を変え、全くの別人として生きる算段はついてる、って計算だったのかしらん。

あと、犀川先生ですら理解できなかった、動機。あれだけ頭がいいんだから、なにも殺さなくても四季は自由になれたはず。もちろん、道流も。なぜ、そういう方法を取らなかったのか。たとえ、道流が叔父との子であり、両親の死の真相は一般に知られていることとは全く違っているとしても、それを公表して、自由になることはできなかったのだろうか?しかも復讐ではないという。
頭が良すぎる人の思考論理は、わからないな・・・ていうか、犀川先生ですらわからなかったんだから、凡人の私に分かる訳がないか・・・(-_-;)。

てな訳でこの作品は、水無月・Rの理解を超えた、ミステリでありました。「本格の精髄」なんだそうですが、それを堪能する、というわけにはいかなかったです・・・残念。
森さんのS&Mシリーズという括りの中に、この作品が入ってるので、犀川先生&萌絵の活躍シリーズってことなのでしょうか。もう1冊ぐらい読んでみて、水無月・Rは「現代の本格ミステリ」に向いているのかどうか、判断したいと思います・・・(泣)。
いやでも、ストーリー展開とかは、流れるように緻密で、読んでて気持ちよかったんですよ?ただ、謎解きはサッパリとなるとちょっと・・・。

(2007.12.27 読了)

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The perfect insider講談社文庫 著者:森博嗣出版社:講談社サイズ:文庫ページ数:5


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