『ねずみの騎士デスぺローの物語』/ケイト・ディカミロ ○ (児童書)

お城に住み着いているハツカネズミのデスぺローは、音楽に魅せられ、お城の王女様と出会う。王女・ピー姫に優しくしてもらい、ピー姫に恋い焦がれたデスぺローは、ドブネズミによってお城の地下牢に捕らわれたピー姫を救いに行く。
愛と名誉と勇気の物語、『ねずみの騎士デスぺローの物語』

デスぺローは、普通のハツカネズミの半分の体重、そして異様に大きい耳を持ち、本を齧る代わりに物語にひたるネズミ。お城のお姫様と出会い、さらわれた彼女を救いに行く。
ドブネズミながら、光に魅せられたロスキューロは、地下牢から忍び出て城の大広間のシャンデリアに登る。そこから王妃のスープに落ち、王妃はショックのあまり命を失う。
王妃を愛していた王様は、スープとドブネズミを国から追放(ただしドブネズミは地下に隠れている)。
蔑まれたロスキューロは復讐を誓い、少々頭の弱い城の下働きの娘・ミグはお姫様になりたくて、ロスキューロにそそのかされ、ピー姫誘拐の片棒を担ぐことになる。
そして。姫の危機に駆け付けたデスぺローはロスキューロの胸に縫い針の剣を突き付け、ロスキューロはデスぺローから漂うスープの香りに自分が疎外されたときの記憶を呼び覚まされ、ピー姫の「大広間でスープを」の提案を受け入れる。
そして・・・皆、いつまでも幸せに暮らしたのでした。

ちょっと終わりが駆け足&ご都合主義だったような気もしますが(笑)。「そしていつまでも幸せに暮らしました」と言う童話の終わり方の典型に一言、物申しているのが、非常に良かったです。確かに、ネズミはお姫様と結婚できませんからね。だけど、ハツカネズミ・ドブネズミ・お姫様・王様・召使いの娘が一緒に大広間でスープを飲むという光景は、なかなかにメルヘンチックで平和ですな。ほのぼのしています。

物語の中で、スープを作るコックは~~スープは自分のためにつくるんじゃない。だれかに味わってもらうためにつくるんだ。だれかの心をあっためてやるためにつくるんだよ~~ (本文より引用)と言っている。
もちろん、スープは食べるものだけど、大事な人を幸せにすることができる。心をこめて作ったものは、幸せを呼ぶのだ。
そして看守のグレゴリーは、デスぺローの語る物語を聞き「物語は光だ」とデスぺローに言ったのだ。
語られることで、物語は輝きを増し、幸せを呼ぶ。
その幸せの象徴が、スープであり物語であると。
光、希望、勇気と愛と。そして、ほっとする、温かい物語でした。

(2009.12.14 読了)

ねずみの騎士デスペローの物語
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著者:ケイト・ディカミロ/ティモシー・バジル・エリング出版社:ポプラ社サイズ:単行本ページ数:283


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