『蝦蟇倉市事件〈1〉』/アンソロジー ○

何といっても伊坂さんの章が読みたくて、図書館に予約を入れた『蝦蟇倉市事件〈1〉』
架空の「蝦蟇倉市(不可能犯罪発生率異様に高し)」を舞台にしたひねりあるミステリー連作、面白かったです。
執筆は、1970年代生まれの作家さん達。
実は伊坂さんと道尾さん以外、読んだことがないんですが、同年代ってことで、親しみ感じますね~。

「弓投げの崖を見てはいけない」道尾秀介
3か月前の、自動車事故。被害者の妻の元へ容疑者が来るのではという情報が入り、刑事の隈島は駆け付けるのだが。
「浜田青年ホントスカ」伊坂幸太郎
蝦蟇倉市を訪れた浜田青年は、稲垣という男に「相談屋」の助手をして欲しいといわれる。
「不可能犯罪係自身の事件」大山誠一郎
蝦蟇倉市に多発する不可能犯罪を担当する真知博士が、殺人の罪に問われた。その原因と理由は。
「大黒天」福田栄一
和菓子屋の店頭を飾る大黒天をめぐる不可解な事態。謎を解き明かした和菓子店の孫たちの活躍。
「Gカップ・フェイント」伯方雪日
蝦蟇倉市で格闘技を盛り上げようと新市長が開催誘致した「グラップリングカップ」で、またもや不可能犯罪が。

いやぁ~。道尾さんには騙された。どう騙されたか書いちゃうと、激しくネタバレになるから書かないけど、とても鮮やかに騙されましたねぇ・・・。
そして伊坂さん、上手いなぁ!こちらもあっさり、騙されたというか誤認識というか。浜田青年の「ホントスカ」には、そういう曰くがあったんですね。なるほどなるほど。あちこちにさりげな~く張られてる伏線がきっちり回収され、驚きのラストを迎えるという、伊坂さんらしさが良く出てる作品でしたね。
そして、不可能犯罪が多発する蝦蟇倉市に必要なのは、専門の「不可能犯罪係」。だけどその筆頭たる真知博士が、殺人容疑を受けて、拘留されてしまったので、どうなっちゃうの?という面白さがありましたね。ただ、読んでてすぐに「おかしいぞ」というところには気がついたんで、動機や手段は分からなかったけど、ミステリとしては小粒だったかな、という気がしますね。動機にはびっくりしたけど(笑)。
大黒天そのものにこだわる以上、中に何かが入ってる、のには見当がついちゃったな~。こちらも、ちょっとミステリーとしては不足かな。ただ、靖美と輝之の姉弟が一生懸命調査して歩く様子は微笑ましかった・・・て言っても二人共ハタチは過ぎてる大人だけど。
「Gカップ・フェイント」も、巨大銅像を動かすトリックは簡単だと思うな~。高校生格闘家・鳴海凪の名推理はよかったけど、市長が捕まっちゃった蝦蟇倉市、これからどうなるの?!

舞台が蝦蟇倉市、そして不可思議な事件が多発するという状況、という設定は同じだけど、あんまりお互いにリンクしてないのね。ちょっと残念。
既に『蝦蟇倉市事件2』も出てるんで、そっちにはもう少し関係性が上がって来てるかな・・・と期待してます。
不可能犯罪係の真知博士にも、もっと活躍して欲しいし、市長逮捕という事態に蝦蟇倉市民がどう対応していくのか(不穏な市長選挙とかないかな)・・・とか、面白そうな施設がちょこっとだけしか出て来てないとか・・・、色々気になるところもたくさんありますもんね。

蝦蟇倉市に住んでみたいかというと・・・迷うところですな(笑)。不可能犯罪は面白そうだけど、私に解決能力はないから、当事者になるとか巻き込まれるとか、かなり困ったことになりそうですもんね・・・あはは。

(2011.01.22 読了)

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