『書店ガール2 ~最強のふたり~』/碧野圭 ◎

前作『書店ガール』のラストで、大手書店チェーン・新興堂書店の新店舗に転職が決まった主人公・西岡理子。
本作『書店ガール2 ~最強のふたり~』は、新店舗が落ち着いてきた辺りの〈本屋大賞発表〉のシーンから始まります。
碧野圭さんが本と本屋さんが大好きな人々に贈る、書店エンターテイメント作品、今回も楽しませていただきました!
本屋さんで働きたいなぁ、って気持ちになるけど、やっぱりいろいろ大変そうでもあります(^_^;)。

多少ね、「う~む、ちょっくらご都合な気もするけどな~」という感もありつつも、やっぱり本好き本屋好きにはたまりませんわぁ♪本屋さんのお仕事あれこれも読んでて興味深いし、異業種の店主たちが協力してくれるイベントの話なんか、ホントにワクワクしました。
オシゴト話だけじゃありません。
理子に秘めたる気持ちを抱く副店長・田代の動向とそれに対する理子の気持ちの揺れ動きや、理子の部下・亜紀の妊娠とそれに関わる色々なエピソード、書店のみならず出版業界での事件など、気になる物語が満載。
読みごたえありましたわ~

理子も亜紀も書店員としてレベルアップしてるし、物語の中での書店イベントも一店舗単独のものから同じ商業施設内の異業種店とのコラボ、更に商業施設全体の協力を得ての吉祥寺全域の書店を集めた総合イベントまで、格段に進化していきます。
前のペガサス書房時代は社内の風通しの悪さ(男尊女卑や僻みで足を引っ張られたり)がもうホントに、読んでてイライラしたんですが、新興堂書店ではそういった嫌な面はほとんどなく、書店員たちはイキイキと仕事をしてるので、気持ち的にとても盛り上がりました。

亜紀の夫・伸光がかなり保守的なのには、ウンザリしましたけどね~。どうして、子育ては妻の仕事なんですかねぇ。妻が大事に思ってやりがいを感じている仕事を続けるために協力する気が一切ないっての、どうなの。自分は「手伝う」であって「共に育児を担う」気がない。夫婦二人の子供なのに。
しかも、そのことを話し合うこともろくにせず、自分の母親巻き込んで亜紀に仕事を諦めさせようとする。
作品中で、伸光が編集長を務める漫画雑誌が自主回収されるという事件が起こって、そのせいで編集長を辞めさせられたんだけど、その件がなかったら亜紀が仕事を続けることを認めなかったんじゃないかしら。つまり、これから先また、同じような言い争いの火種がこの夫婦にはまだ残ってるような気がしますね。確かに亜紀の仕事を認めるような発言もあったけど、この人根本は変わってない気がするのよねぇ…。不安だなぁ。

作品内で催された『50年後に残したい本フェア』。いいなぁ。そういうの、見に行きたい。どんな本が選ばれてるんだろう、私の好きな作家や作品はあるかな、知らない作家さんとの出会いもきっとあるだろうし、各書店の選んだテーマと自分の興味の範囲で新しい発見があるかも・・・・、と想像が広がりました。
それから、私はどんな本を選ぶかしら…って、まあまず有川さんは外せないんですけど(笑)、1冊だけ選ぶとしたら作品は何がいいだろう、他に選ぶのはどの作家さんのどの作品にしよう・・・選ぶコンセプトはどうしようなんて、とにかくちょっと考えただけでもワクワク。きちんと考えようとしたら、多分すごく長い間思い悩めるでしょう♪

一介の読書好きですらこんな風に思ってるんですから、書店員さんだったら、もっと楽しんだり迷ったりするんでしょうねぇ。
理子の店でも各店員たちが思い思いに選んだ一冊に、心を込めたPOPをつけてました。
イベントが終わり、田代が福岡へ戻り、残されたPOPに書かれていた言葉は、理子の心に灯りをともす。
出会いと別れ、そして思い出と優しさ、それを糧に生きていくのが、人なのだと。
理子と田代がどうなってしまうのか、中盤までは結構危うい感じだったけれど、こういう結末になって良かったなぁ、と思います。これから先、二人が一緒に働くことはないとしても、お互い影響や思いやりを受けたことを心の中で温めながら、より良い仕事ができることでしょう。
そして、そんな書店員さんたちのいる本屋さんと巡り会いたいと、一介の読書好きは思うのでありました。

(2014.04.21 読了)

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