『パーマネント神喜劇』/万城目学 ◎

~ちょっとやだもう、面白いうえに最後にほろりと来ちゃったじゃな~い!~
と、読了したとたん、何故かオネエ口調の感想になってしまいましたよ。
いやだって万城目学さん、ニヤニヤぶはぶは笑いながら読んでたのに、このラストは反則だわ~。私のキャラが変わっちゃうぐらいの衝撃というか感激でしたよ!!
『パーマネント神喜劇』という奇天烈なタイトル、表紙の福々しい(笑)中年オヤジ。
前作『バベル九朔』で、万城目さんの作風が変わってしまったの?と危惧してたのですが、大丈夫!本作は大笑い出来る系でした!しかも、ラストにはほろりと来て胸が温かくなっちゃうという素晴らしさ!
大変楽しかったです~♪

外見(まあ便宜上なんだけど)&性格は小太りでお調子者でおしゃべりのただの中年オヤジ(笑)のこの主人公、縁結びの神様である。
とある末社の神様を千年務めていたところ、フリーライター(こちらも神で、外見は地銀営業マン(笑))が現れ「末社のリアルなお勤めを紹介する本を書きたい」と言われ、密着取材を受けての一人語りで物語が進んでいくんだけど、神様業界もいろいろと大変なようで「願掛け成就の数のノルマ」があったり、チートな神宝(いちおうご法度)を巡ってあれこれあったり、昇進のためにおつとめ具合をこっそり調査されてたり。

言霊を打ち出して人々の願いをかなえる彼(以後縁結び神と書きましょうか)は、ノルマ達成のためにペラペラしゃべりながら策を弄して縁結びを成就させたり、チート神宝を盗まれて慌てたり、他の神様に騙されたり、審査されてるのに気づかなかったり・・・。
ちょっと神道に親しみがある身としましては、縁結び神のスチャラカ具合がとても愛おしい(笑)。
神道の神様って、結構人間臭いものなんですよ~、ホント。
本作の縁結び神も、お調子者でおしゃべりで、テキトーな辻褄合わせ臭が漂ってきて、ニヤニヤしちゃう(笑)。
そんないい加減そうな縁結び神ですが、神様修行時代の彼の師匠の消滅の話の時には、ちょっとしんみりしちゃったな。

師匠は人間を守るために土地に残って、でも人に忘れられてしまって神様としての存在を失って消えてしまった・・・。神様って、人あっての神様なのよね・・・。
そういうところ、神道の神様って本当に。
やっぱり、私の中に意識しないままに存在してるのかもなって思ってしまいます。

昇進異動の合間のよその神社でのアルバイト(神様にもアルバイトあるのねぇ(^^;))で、縁結び神としての資質を問われるような事態になったってことが判明した時は、私もちょっとドキドキしてしまいました。それだけこの縁結び神に、私が入れ込んでたってことですよね。いや、小太り中年はタイプじゃないですけど(笑)。

そんな縁結び神の新しい神社で、彼を襲った事態。
最初は、どういうことかわからなかったけど、物語が進むにつれ、少しずつ見えてきたその状況、入れ込んでた身としては、とても胸が痛くなりました。
何とかならないかと思ってるうちに、小学生の女の子・美琴の物語が進み、その中でフリーライター神の姿が現れ、更に『かのこちゃんとマドレーヌ夫人』のかのこちゃんであろう少女が出てきて、何とかハッピーエンドが訪れるんじゃないかと予感した時は、早く早く結末を知りたいと気が焦ってなりませんでした。
そして、縁結び神の再生とそこに続く<大神>との遭遇のエピソード。
・・・正直、まさかこの作品で泣くとは思わなかったですよ。
スチャラカで小心者の縁結び神が、上級神すらひれ伏すような〈この星の生命の源そのものであろう神様である大神〉の活動から〈最後まで人間を守る〉と宣言する。
ここまで来ちゃったらもう、涙なんて止まらないんですよ。
神様、神様、ありがとう。人間の願いを、人間の存在を、守ろうとしてくれて、そして大神の意思を動かしてくれて・・・・って。

いや勿論、フィクションなのは、重々承知しておりましたよ。
でも、なんかホント、涙がとまらなかったんですよ。
そして、読み終えて、冒頭のオネエ登場となってしまったわけでございますよ。
いやぁ、万城目さん恐るべし!!!

ちなみに。
縁結び神のラッキーナンバーは137(笑)。彼の衣の上を移動しまくって、人間の目をクラクラさせてる137色ね(笑)。「当たり屋」で、当たり屋の男が当てる金額がこの数字をかけたものだったのに、最初は気づかなくて「なんで137倍なんだろう」と思ってたら、そういうことでした。
137という数字そのものに、深い意味があるかどうかは、よくわかりません・・・。一応素数みたいですけど。

(2018.01.09 読了)


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