『この闇と光』/服部まゆみ ◎

隣国に侵攻され、囚われた国王とその娘の王女・レイア。レイアは侵攻からの逃亡の際に事故に逢い、失明している。
目の見えないレイアを慈しみ、育ててゆく国王。
しかしレイアは、ある日突然、全く違う事実に直面することになってしまう。
『この闇と光』という不穏なタイトルや裏表紙のあらすじ紹介文から想像していた展開と全く違う、驚くべき物語へと鮮やかに変化しました。
服部まゆみさん、もうすでにお亡くなりになってる作家さんなんですね。残念です。

いやぁ、最初の方は「中世ヨーロッパの小国の話か、ファンタジーなんだろう」と勝手に思ってたんだけど、妙に現代的な要素が紛れ込んできて、あれあれ?どういうことなんだろう、どうしてその技術がある世界で、こんな感じになってるの?という疑問がふつふつとわきながらも、それでも読み進めていくと、突然大きなどんでん返しが。
そこから、怒涛の衝撃の事実が押し寄せてきて、レイアであった者は新しく目の前に開けた世界で生きていくことになる。直面する事実と自分の認識の狭間で、振りかざさざるを得なかった自尊心、諦観。
そして、レイアであった者は真相だと本人が思うところに到達し、とある者のもとを訪れる。

さて。
レイアだった者の到達した真相は、真実なのだろうか。
さまざまに符合するその別荘地の状態。だが、訪れた先の住人は、一切それを認めない。
レイアだった者が書いた文章は、どこまで真実を暴いたのだろうか。

途中から、なんだかおかしいなと思いつつも読み進め、最初のどんでん返しに驚愕しつつもそれを受け入れ、レイアだった者の心情や周りの状況を読みながら、どうなるんだろうと思ったら、新たな文章が現れ。
その文章を書くに至ったレイアだった者の執念が凄い。色々なことを調べ上げ、組み立て、そして物語として文章化する。
それを「創作だ」として取り合わない相手は、どこまで正しいかを知っているが、何も語らない。
ただ、「今度、中庭でピクニックをしましょう」という。
レイアとその父王が好んだ、中庭のピクニックを。

物語として、こういう終わり方もありかなとは思います。
ただ、私はどうにも中途半端で腑に落ちないんですよねぇ・・・。
動機は、そんな風に曖昧だったのか。そんな強い思いもなく、その後9年もの間、盲目の子供を慈しみ、教養を与え、世話をしてこれるだろうか。
3歳の目の見えない子どもを、子供を育てたこともないものが、養育できるものなのか。
その辺のリアリティがちょっと…ね。
とはいえ、そこまで全部書いてしまったら、別の話になってしまうのかしら・・・。

不思議な読み心地で、読了しました。
どこまでも追及したいような、あるがままを受け入れて、足りない情報でもそのまま流してしまいそうな。


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ポコアポコヤさんの ネタバレ「この闇と光」 服部まゆみ 感想

(2018.02.17 読了)

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