『大正箱娘 ~見習い記者と謎解き姫~』/紅玉いづき ◎

軽い謎解き系かと思いきや・・・様々な「箱」を開けることによって、新しい時代の中でも「ままならない状態に苦しむ女性たち」の物語が繰り広げられていく。
紅玉いづきさんが大正時代を描くって、どんなだろう?と読み始めて、ちょっとびっくり。
『大正箱娘 ~見習い記者と謎解き姫~』という可愛らしいタイトルからは想像もつかなかった、物語が始まりました。

まだまだ、女性が表舞台に立つことも自分で自分の道を切り開くのも困難な時代なのが、切ないです。
新しい時代が来た、女性解放運動も始まっている、だがまだそれは「物珍しいもの」であって一般的なことではない。
そんな時代風潮の中で、新聞記者見習いの英田紺は、秘めた本当の自分の影を負って仕事を続けている。
上司から託された「旧家で出た呪いの箱の相談」を信州まで聞きに行き、呪いの解明のために頼りにしたのは神楽坂の「箱娘」。
いくつかの箱に絡む事件にかかわることになった紺は、そのたびに神楽坂を訪れ、少しずつ箱娘・うららのことを知っていく。

どの箱の物語も、「箱」や因習にとらわれているのにそれが見えていない、或いは気づかないふりをしたかった女性たちにその状況を教えるのだけれど、そこからすっきりと救うわけではないのが、読んでいてつらかったです。
それでも、それぞれの中で納得がいくように何とか収めた物語は、また別の箱中に入ったのかもしれません。

4つの事件の中で、特に「放蕩子爵」のラストがなんとも切なくて、紺の負っているものの重さが苦しくて、どうしてこんな苦しい思いをしてまで「家」や「体面」を守らねばならないのか…と、やりきれなく思いました。
いつか紺が、負うものの重さを自分の中で変えていける日が来たらいいなと思います。あの思いを完全に開放することは、紺には出来ないでしょうから、せめて自分の中で多少なりとも昇華してくれたらいいな、と。

しかし、うららの素性というか、存在の意味というか・・・「国の根幹」に関わってるのか?というぐらい不思議だし、厳重な見張りがついているのも気になりますねぇ。
「物理的に箱を開けられる」だけではなく、もっと違う「箱」を開け閉めすることによる、何か重大なことを彼女が出来るということだと思うのですが・・・。どんなことなのか、全然想像がつかないですねぇ。

箱娘・うららの謎が気になるし、見習い記者・紺の苦悩と成長も気になります。悪食警部や叉々などの濃いキャラのことももっと知りたいので、続巻『大正箱娘 ~怪人カシオペイヤ~』も読もうと思います。

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(2018.02.28 読了)

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