『お迎えに上がりました。 国土交通省国土政策局幽冥推進課』/竹林七草 ◎

新卒終活に失敗し、非正規雇用を渡り歩き、やっと正社員で採用された会社は入社式で倒産宣言。
絶望のどん底で「国土交通省の臨時職員募集」の貼り紙を見つけた主人公・朝霧夕霞はそれに応募し・・・。
いやあ、面白かったです!
集英社夏の文庫100冊で初めて知った竹林七草さんですが、続編も出てまして、さっそくもう図書館予約してます(笑)。
『お迎えに上がりました。 国土交通省国土政策局幽冥推進課』、主人公の夕霞の成長と「幽冥課」の仕事の切なさや解決法の暖かさに、ほっこりしました。

読了したの、2週間ぐらい前なんですけどね・・・。
暑いし、身辺色々な面倒ごとだのお盆休みだのありまして、なかなかレビュー作成に取り掛かれませんでした。・・・って、毎夏、同じような言い訳してますね~。ははは。

しかしね、ホント面白かったです。
国土交通省国土政策局幽冥推進課、という職場の名前(サブタイトル)がなんのこっちゃ?って目について、ざっくりあらすじを読むと「おお、ラノベだな(笑)」と読みやすそう。これは帰省の移動中に読むのに最適~♪と購入して、アタリでしたねぇ。
サクサク読めるんで、是非読んでいただきたい。私の拙いあらすじ紹介とか、邪魔なだけなんで、やめときます。
気に入ったこと、気になったことだけ、ぽつぽつと…。

いやあ、幽冥課メンバーの中でもイチオシは、辻神課長ですよねぇ。私にとって、眼鏡美男子は正義です♪残念ながらトホホの香りはいたしませぬ。・・・惜しい!(笑)。
火車先輩は是非、リュックに入って頂いて連れ歩きたい。なんなら、抱っこスリングでもよろしくてよ。
そして、百々目鬼先輩も・・・怒らせたらヤバい(悪い夢にうなされそう)けど、普段は素敵なキャリアウーマンで女子力も高いし、仕事熱心でとってもいい先輩ですもんね。
後輩になった橋姫ちゃんも、健気でかわいいし。
ただし・・・、ただし皆さん全員、〈人外〉ですけど。
幽冥課初の〈生きてる人間職員〉の夕霞(笑)。ホントに大丈夫?
でも、空回りだったり遠回りだったりしても、仕事相手の〈地縛霊〉の皆さんたちに対して、とても真剣に心を込めて対応しようとする姿勢は、素晴らしいです。

話が進んでも、初の〈生きてる人間職員〉なだけに、色々とツッコミや疑念を抱いたりする夕霞。でも、その発想の根底には「次々と職場という世界から拒否され続けて来たからこそ、持ちうる思いやり」があって、割と猪突猛進に事態に突っ込んでいくバイタリティと相まって、ハラハラしながらも楽しく、そして心温かく読めました。

なんせお仕事の相手は〈地縛霊〉。
何とか地縛霊になってしまった理由を解き明かし、解決策を提示し、地縛霊の皆さんが心安らかに幽冥界へ行けるようにする、その過程は試行錯誤であっても真剣であり、思いやりが深く、少しずつ成長していく様子が、とても良かったです。

地縛霊の皆さんにはそれぞれの事情があり、立ち退いてほしい国土交通省の方としても、無理矢理力づくで成仏させるのではなく、出来るだけ心を砕いて納得できるように手配するというやり方なので、悪い人(霊)は出てこないので、安心して読めます。

続巻では、どんなことが起こるんでしょう。他の幽冥課のメンバーもきっと個性豊かでしょうし、地縛霊の皆さんのバリエーションもたくさんありそうだし、夕霞の成長も気になります。新たな〈生きた人間職員〉も増えるかもしれません。楽しみですねぇ。
ただ本作中で、人々から妖怪や神霊への意識が薄れてしまってきた現代、幽冥課のメンバーの存在自体がいつまで続くか・・・という話を辻神課長と火車先輩がしていたのが、すごく寂しいですね。
いつまでも、みんなで仲良くワイワイと…というわけにはいかないのかもしれません。
でも、そこも筋の通った物語として、読んでみたい気がします。

(2018.08.06 読了)

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