『ドS刑事 ~井の中の蛙大海を知らず殺人事件~』/七尾与史 〇

死体愛好癖が極まり死体を見たいからと警官になり、捜査一課強行犯係に所属する刑事・黒井マヤ(父は警視監)。彼女に見初められ静岡県警から引き抜かれたイケメンな相棒・代官山(通称代官様)。少女のような可愛らしさを持つ、東大卒キャリア(ぽんこつ)の浜田。
この三人が乗り込んだ豪華客船・リヴァイアサンに爆弾が仕掛けられ、機動隊爆弾処理のエキスパートである春日が登場。
有名女優殺害事件を追う三人、爆弾処理チームの緊迫感、もさることながら、相変わらず警視監(警察組織№2)であるマヤの父の娘溺愛ゆえの叱咤激励は、私情入りすぎですよねぇ(笑)。
七尾与史さんの〈シリーズ名〉シリーズ6作目ですよ。本作『ドS刑事 ~井の中の蛙大海を知らず殺人事件~』、なんと代官様にライバル(?)登場(笑)。

おや~?、今回は死体の数がずいぶん少なめですねぇ(笑)。
いや私、善良なる小市民なんで、グロな死体は得意じゃないんですけど。
〈このシリーズで死体が量産されないだなんて(笑)〉って思っちゃうぐらいには、エンタメフィルターかけてこのシリーズ読むようになっちゃってますねぇ(^^;)。

それと、浜田の不死身エピソードが弱かった(笑)。常にマヤの嗜虐にさらされ、生死の境をさまよいつつも、「姫様は僕のこと好き過ぎですよねぇ」とヘラヘラ生還する。という役回りのはずなのに、今回はマヤに怪しい薬を打たれて失神ぐらいしか、危機シーンはありませんでした(いやそれだけでも十分なんですけどね、普通の人なら)。

今作の注目はもちろん、マヤの元カレ(と思ってたのは本人だけのようですが)・機動隊の春日ですよね。
爆弾処理のエキスパート(冷静で頭が良くて、技術力も高い)で長身イケメン、これは高スペックじゃないのよ・・・と思ったら、マヤに罵られたいドM野郎でした(笑)。ああ・・・残念だ、残念過ぎる(笑)。
でもマヤ父にとっては、代官様と並ぶ「マヤの結婚相手候補」のようですねぇ(浜田はマヤ父の眼中にないところが笑える)。
ところが代官様、何故か「君たちを応援するよ」の一言が言えません。あらあらまあまあ、やっぱりよろめいてますね、マヤに(笑)。私、代官様は陥落寸前と思ったのが数作前なんですが、案外踏ん張るもんでとうとうライバル投入されちゃったね(笑)。

豪華客船の初クルーズに乗り込むトリオ、マヤ父母と会食の席でまたもや「プロポーズ圧力」を受けるもマヤ父にかかってきた電話(その船に爆弾が仕掛けられたとの一報)で何とか回避、爆弾処理班の潜入及び作業開始、有名女優の死体を発見するトリオ、グランドスイートルームの老女と介護する孫娘の違和感・・・色々なエピソードが絡みながらも、爆発まで刻一刻とカウントダウンは進んでいく。

ふわふわとした妖艶美女なマヤ母の推理があてずっぽうなのに、正解というのもなんだかすごいですよねぇ。実は、黒井家を取りまとめてるのはマヤ母なんじゃないかと深読みしそうになりましたよ。マヤも父も自覚ないままにね。

爆弾を仕掛けた真犯人の理由は、思いつかなかったわ~。それと絵画蒐集テロ犯・マモーが誰かは予測はついたものの、巧みな変装だと思ってたら、奇病とはねぇ・・・。なんというか、そこはご都合主義的かなという気もします。

さてさて、ラストで船内でもう1件殺人事件が発生。
これは、次作へ引き継がれるのか、次作で「○○事件を終えた後」とあっさり流されるのか、わかりませんねぇ。
代官様のグラグラぶりも健在、ライバルも投入されたことだし、恋愛的な新展開が望めるのかしら。まあ、マヤはソルちゃん(春日の名前は太陽だから)のことはあまり候補扱いしてないようですが。

(2019.08.15 読了)


水無月・Rの〈ドS刑事シリーズ〉記事


"『ドS刑事 ~井の中の蛙大海を知らず殺人事件~』/七尾与史 〇 " へのコメントを書く

お名前
メールアドレス
ホームページアドレス
コメント