『断絶への航海』/ジェイムズ・P・ホーガン 〇

去年読んだ『図解で分かる14歳から知っておきたいAI』という、〈AIという技術の基礎知識やそれが人間の未来にどんな影響を及ぼすか〉ということを書いた実用書?子供向け解説本?・・・な本を読んだ際に、〈人間とAIが共存する世界〉として描かれたSFである本書『断絶への航海』のあらすじが紹介されていました。
興味があったので〈読みたい本リスト〉に入れて、やっと順番が回ってきました(笑)。
ジェイムズ・P・ホーガンさんがこの作品を描いたのは、1982年。
現代とは技術の発展方向が違ったりはするのですが、SFとしてのリアリティはかなり高かったです。

・・・それで、ですね。
SFとしてはたぶん、大変すばらしい作品だとは思うんですよ?終盤はかなり面白かったですしね。
ただ・・・ただ・・・。
水無月・Rのキャパを越える登場人物の数!!さらに(当たり前だけど)みんな名前がカタカナ!覚えられない!!(笑)。
特にメイフラワーⅡ世サイドの軍人さんたち、それぞれ特性(才能)があり、それを活かした活躍をするんだけど、それもなかなか覚えられない!!
つくづく、自分は重厚系の海外作品を読んじゃいけないんだよなぁ・・・、と思い知らされました(-_-;)。

第3次世界大戦後、探索宇宙船〈クヮン・イン〉が人類が生息できる惑星・ケイロンを発見し、地球から植民船〈メイフラワーⅡ世〉が出発する。
ケイロンに到達したメイフラワーⅡ世の面々は、クヮン・インで生誕しロボットに育てられ、そしてケイロン地表に降り立ち子孫を増やしてきた〈ケイロン人〉の社会と遭遇することとなる。

メイフラワーⅡ世の人々は地球での価値観(しかも我々現代の感覚より旧弊)を持っているので、ケイロンの社会の在り方を受け入れられず、ケイロンを支配下に置こうとする一派、少しずつケイロン社会と融和しようという一派、ケイロン内に自治区を作り独立社会を作ろうという一派など、さまざまに割れ、軍事力を笠に着た支配派がクーデターをいったんは成功させてしまうのだが・・・。

う~ん、ええとですねぇ、ケイロンの社会の在り方を簡単に説明するのが、結構難しいんですよ。
ケイロンには資源がたくさんあり、かつ労働力としてのロボット(AI)が発展しているので通貨はなく、お互いを尊重すること、自らの能力を高め活用することに重きを置く社会。
という感じなんですが、まあ現代社会においてはこういう世界は発生しえません。
ロボット(AI)に(受精卵の状態から)育てられ、互いを尊重し、チャンスは平等であることが大前提ですからね。
でも、こういう世界だったらいいのになぁ・・・と思いますね。
他者を蹴落とすことに汲々とせねばならない社会より、ずっと健全だと思います。

正直、メイフラワーⅡ世やクヮン・インやケイロンでの科学技術的な描写には、ついていけてません(笑)。
水無月・R、完全文系人間なんで…。この辺が分かる人は、もっと面白かったのかもしれませんねぇ。

それとこのレビューの冒頭の方で「人間とAIの共存を描いた作品」と書きましたが、あんまりそういう感じじゃないですね。
AIは発展してるんだろうけど、あまりその面は描かれず、ケイロン社会の特異性が物語の中心という感じですね。

メイフラワーⅡでの「階級格差(差別)」の描写が結構きつく描かれていたのは、作品発表がまだ1980年代だからですかね。
ちょっと鼻につきました。まあそんな面も、最終的にクーデターが失敗に終わったのちの解決展開で消え失せたので、ほっとしましたが。

メイフラワーⅡの軍隊のD中隊のメンバーが、かなり個性的でした。
個性的であるがゆえに通常の軍人像からはみ出してしまった彼らを統率していたのが、シロッコでよかったなぁと思います。
誠実で、融通と応用が利き、懐深い人物でした。・・・私もこんな上司が欲しい(笑)。

ちょこちょこ、言及したい人物はいるんですが、やっぱりカタカナ名前でどうにも印象が薄くて、うまくまとめられないので、やめておきます(笑)。

しかしホントこの作品、読むのに半月以上かかっちゃったよ!!
間にほかの作品が入ったり、バタバタしてたせいもありますが。
ちょっと大変だった(笑)。
ライトな作品を読みたい今日この頃です(笑)。

(2019.10.16 読了)


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