『イマジン?』/有川ひろ ◎

毎度ながら、「やられたわ・・・」と白旗上げちゃいますよ、有川ひろさん!!
映像制作会社の新人・イー君が縦横無尽に駆け回る『イマジン?』、すっごく面白かったです!!
有川さんの作品って、キャ~ッ!てなる萌え要素、登場人物たちが真摯に取り組むお仕事小説要素、テンポよく進む会話と展開、色々てんこ盛りで、本当に気持ちが充実するんですよねぇ。
大好きです、やっぱり!!

新卒で入社したはずが計画倒産の見せかけネタに使われてしまい、ずっと憧れていた映像制作の業界から切り離されてしまった、良井良助(いいりょうすけ)。
バイト先での知り合い・佐々に誘われ、人気ドラマ『天翔ける広報室』の撮影にバイトで入ることになる。
「新人は走れ!とにかく走りまくれ!」といわれ、作品を、現場をより良くするために奔走する日々。

映像制作という業界のことは、せいぜいTVドラマや映画のパンフレットなどでちょっとだけ知ってるぐらいだったのですが、やはり「自分が関わる作品への真摯な思い」で支えられているのですねぇ。
表立ってはキャスト、裏方は監督や脚本家やプロデューサー、美術関係・カメラマン、そして良助達のように様々な雑事や手配を請け負う制作会社など。
一言で「映像作品」といっても、本当にいろいろな人たちに支えられて、作品というものは出来上がって行くのだと、痛感しました。  

有川さんご本人が自作の映像化に際して体験したこと、見聞きしたことなどをもとに描いてるんだろうなぁ・・・と、察せられるエピソード満載。イー君的な、元気で頑張り屋さんな制作スタッフも、沢山いたんでしょうね。
そういう人たちは、この作品をとても喜んでいるだろうし、ますます自分の仕事に誇りを持てるようになりますね!
想像力を駆使して、どうやったら作品が良くなるか、どうやったら現場の雰囲気が上がるか、登場人物たちみんなが誠実に取り組んでいく姿が、とても気持ちが良かったです。

もちろん、よい作品でよい現場だけではなく、良助本人がセクハラに遭ったり、高圧的な監督の下でぎくしゃくしながら作品を作り上げたり、素晴らしい作品が出来上がったのに、たった一人のプロデューサーの驕りのせいで続編が作れなくなってしまったり、色々な事態が発生して、それらを乗り越えて成長していく良助の姿が、本当に清々しかったです。
良助本人の成長も良かったのですが、周りの人々も上手く助けを出したり、ヒントを与えて色々考えさせたり、ちゃんと良助を見てくれているのが分かって、かっこいいなって思いました。人間関係、恵まれてたなあ、良助。

ぽんぽんと弾む会話のテンポの良さが、とても楽しいですよね。
強面の佐々が若頭、さらなる強面の社長・殿村が組長で、良助本人は豆柴とか、形容も可笑し過ぎて、ゲラゲラ笑いながら読みました。
そんな強面の佐々と人気女優の喜屋武七海が付き合ってても誰も疑わないのは「ゴツいボディーガードがついてんなとしか思わねぇだろ」とかも、ニヤニヤしましたし。

ところで、30歳代前後って「お百度を踏む」、通じませんかね(笑)。『みちくさ日記』のロケ交渉の際に殿村社長がそう言ったら、良助と佐々はきょとんとしてましたけど。読みながら「ゼネレーションギャップか!!」と、爆笑しちゃいました。

ああ・・・本当に書きたいことはいっぱいあるけど、あまり書き連ねても訳が分からなくなりそうです。
とにかく「いい作品なんで、読んで下さい!!」ですね!

(2020.04.05 読了)

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