『四畳半タイムマシンブルース』/森見登美彦 ◎

モリミーこと森見登美彦さんの原点ともいえる〈四畳半にわだかまる腐れ大学生〉が遺憾なくその能力?を発揮する物語(笑)。
かつてワタクシのトホホ愛を大いにゆすぶってくれた『四畳半神話大系』のメンバーが、突然現れたタイムマシンを利用して、昨晩壊れてしまったエアコンのリモコンを取りに行こうとしたことで始まる、ドタバタコメディー、『四畳半タイムマシンブルース』

酷暑の京都。黒髪の乙女・明石さんにアピールしたくて映画サークル「みそぎ」の撮影に協力した「私」だったが、打ち上げのドタバタで〈下鴨幽水荘〉唯一のエアコンのリモコンが壊れてしまう。
その前後から、何故か妙にかみ合わない事態が発生している。
翌日、喪われたリモコンに打ちひしがれる?彼らの前に、「タイムマシンで25年後から来ました」というもっさりした男が現れる。
どう見ても畳にビミョーな機器を設置しただけにしか見えないタイムマシンだったが、何と本物。
これを使って「昨日壊れる前のリモコンを持ってこよう」と思い付いた彼らだが、〈歴史改変〉による世界消滅の危機に気付いた「私」ともっさり男・田村君が数多のトラブルに遭いつつも、なんとか歴史?は改変されることなく、そして壊れていないリモコン入手(笑)もかなうのだが・・・。
まあ、終わり良ければ総て良し、~~成就した恋ほど語るに値しないものはない~~(本文より引用)という、明石さんと私の恋の成就もきちんと描かれ?、時の流れは守られたということですねぇ(笑)。

とにかく四畳半ですよ(笑)。表紙の背景にドーンと描かれてる時計も、実は四畳半模様だったりするし、「私」が作中で見る四畳半をひたすらめぐる夢は『四畳半王国見聞録』「四畳半王国開国史」だし、ホント、あの畳の配置って神秘的~♪(笑)。
樋口さんは自分のヴィダルサスーンの行方を探ろうとするし、小津は何が何でも〈人の不幸〉を発生させようとするし、羽貫さんは予定通りの行動を拒否しようとするし、城ケ崎と相島は敵対しまくるし、とにかくみんな自由気ままに動き回ろうとするので、私と明石さんと田村君は様々な問題に次々とぶち当たる。
でも、何とかなっちゃうところが凄い(笑)。ていうか、25年後からリモコン持って来るのはアリなのか(笑)。
・・・ん?その壊れてないリモコンは、もともと25年後から来たものが25年後まで延々と残って来たもののはずで?あれ・・・おかしいな?
まあ、いっか~(笑)。

五山の送り火に明石さんを誘いたい私が、何度もためらいすぎて堂々巡りを繰り返し、何とか「今日の明石さん」に促されて「昨日の明石さん」を誘うという、複雑なような単純なような行動で成功できちゃうところが、好きですねぇ。
結局、明石さんはもともと「私」に好意があったんだと思いますね。
そして、ちゃんとその好意は成就して、最終的に25年後から〈京大1回生の田村君〉が登場するんですから。田村君は自分のお父さんが誰かは明かしていませんが、「成就した恋ほど~」のセリフやムリヤリ田村君の下宿を幽水荘に決めちゃうところとか、田村君のもっさり具合なんてもう絶対、彼のお父さんは「私」ですよね!うふふ・・・微笑ましいなぁ。

しかし、モリミーワールドだなあと思うのが、「タイムマシンを入手した」のに、やることが「リモコン入手」って、・・・小さいですよねぇ(笑)。しかも、皆が好き勝手するもんで、リモコンは手に入らない(100年前の沼沢に没する・・・)し、歴史改変を防ごうとバタバタした末に「私」は自室の押し入れに軟禁状態になった末に自分と小津のあまりにも情けないやりとりをずっと見守らなくてはいけなかったという(笑)。
いやもう、ホント、こういうところが、大好きですよ。阿呆全開で。京大生って、賢い子たちの集まりのはずなんだけどねぇ(笑)。賢すぎて、色々ぶっ飛んでるんですかねぇ・・・あはは。

ところで。
いまでも4畳半一間の下宿って、あるんですかねぇ(笑)。ウチの息子、来年度から(合格すれば)他府県の大学へ進学するんですが、四畳半の下宿だったら安いだろうな、でもアレルギー持ちだからあの環境はダメかな(笑)って思ってるんですよね。まあ、実際は四畳半の下宿があっても決めないとは思いますが、面白い人たちが集まってそうですなぁ(笑)。
(2020.11.29 読了)

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