『婚活中毒』/秋吉理香子 ◎

いやぁ、なんとも読後感の悪い・・・。
でも、ここのところかなり読書スピードが落ちてた私がイッキ読み出来てしまったぐらい、グイグイ読ませる短編集でした!
秋吉理香子さん、すごい!さすが!!
『婚活中毒』というタイトルもなかなかに思わせぶりで、短編それぞれのタイトルもシンプルにして秀逸。
じゃあ、話はライトなのかというと、ドロドロありゾッとするものあり、落ち着かない気分にさせられる話ばかり。
その毒に毒されて、クラクラしながら読み終えました。あ、そういう意味での中毒でもあるわけね!なるほど。

「理想の男」
結婚相談所に紹介された、高スペックな男。なぜ彼が、今まで相手が決まらなかったのかを調べ始めた沙織に起こった出来事とは。
「婚活マニュアル」
街コンでカップルになった美女は、だんだん高額なプレゼントを要求してくるように。彼女の友達に心を移すようになった洋介。
「リケジョの婚活」 
婚活番組でターゲットに定めた相手について、細かくデータを収集・分析・AIを使った会話ソフトまで作り上げた恵美。選ばれなかった彼女の次善の策。
「代理婚活」
親が代わりに婚活するというイベントで、好条件の娘さんからオファーが来た石田家。益男は相手の母親にときめき、息子の意思を無視して縁談を進めてしまうのだが。

どの話にも、予想もつかないどんでん返しがあり、それがまあホントにゾッとするんですよね。とはいえ、〈ありえない話〉でもなさそうな事だな・・・と気付いてしまうわけですよ。
普段、平和に安閑と暮らしてる私なんか、絶対に気付かない落とし穴だな、と思うにつけ〈ゾッとする度〉は倍増です
アラフィフ主婦にとって、婚活ってすっごく遠い出来事なんで「ふ~ん、へぇ~」なんてボケーっと読んでると、ラストで地獄に叩き落されるという。

「リケジョの婚活」、ラスト直前まで「いやもう、そこまでやらんでも」と思ってドン引きしてたんですけどね。
まさかの、甥っ子にプレゼントした自作のミニロボがそんな仕掛けを持ってて、恵美の次善の策というか遠大な計画って、ドン引きどころの騒ぎじゃないですよ。
読み終えた途端、「こっっわ!!リケジョこっっわ!!」って叫んじゃいましたもの。
あ、いえ、世のリケジョの皆さん、怒らないでください。わかってます、普通のリケジョはこんなことしないのわかってます。
恵美が特殊なだけですよね、ただ、思わず恵美の名前が出てこなくなるほどの衝撃だったのですよ・・・。

「代理婚活」が、年代的・立場的には一番身近なのかなぁ・・・(笑)。
と言っても、ウチの長男はまだ21だし、結婚は本人の自由だと思ってるので、我が家で代理婚活が行われることはなさそうですが。
読んでて、どんどん益男に対してムカムカしてきてしまい、ぶん殴ってやりたくなりましたね。
息子の意見を無視して、自分の(妻帯者にあるまじき)ときめきを優先するとか、何考えてんの?って、ねぇ。
大体、息子は断って欲しいと言ってるのに、どんどん話を進めて相手の家まで遊びに行く(息子は急に行けなくなったとか嘘ついて)とか、正直気持ち悪いですよ。それに、事が大きくなって、ウソがばれた時のダメージはかなりのものと予測はつくだろうに、収拾を先延ばしにすることでより事態をひどくしていくという、バカなのこの人?って思いましたね。
ラストで、〔反対に危うく被害者になるところでしたが事前に防げました、益男の悪事も露見せずに済みました、めでたしめでたし〕って終わりになりましたけどね?私としては、痛い目見ろや!って思っちゃったりして(←性格悪い)。

ミステリーというかサスペンスというか、ホントのゾワゾワする話ばかりでした。
人によっては「代理婚活」はラストでホッとするのかもしれないんですけど、私はムカムカしちゃいましたね(笑)。
でも、すごいスピードで読めて、とても面白かった・・・?うん?面白かった?のかな?(笑)
でも、おススメです。

(2021.05.10 読了)

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