『深泥丘奇談・続々』/綾辻行人 ◎

綾辻行人さんの描く、もう一つの京都に存在する深泥丘。そこに暮らしている作家の「私」の曖昧になる記憶、言いようのない違和感。 〈なにか、怖ろしくおぞましい経験をした――ような気がする。〉 『深泥丘奇談・続々』でもまた、「私」は霞がかる記憶に頓着せず、致し方ないと放置。 ・・・、いや、それ一番やっちゃダメな気がするんですけど・・・。 …
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『福袋』/朝井まかて ◎

江戸っ子と言えば、喧嘩っ早くて気風がよくて・・・でも、正反対の面もあったりして。そんな江戸っ子たちの日常を楽しく読みました。 朝井まかてさんの描く江戸っ子の日々は、ひねりが効いていて、ニヤニヤしたりほろりとしたり、まさに『福袋』のタイトル通りの色々な物語の詰め合わせ、お得感満載でした。 どの話も面白かったですねぇ。 「ぞっこん…
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『キノの旅 (21) -the Beautiful World-』/時雨沢恵一 ○

時雨沢恵一さんの「キノの旅」シリーズ21冊目。うわぁ、やっと既刊の最新巻に追いつきました・・・!と言っても、去年の秋に出た作品ですけど(笑)。パースエイダー(銃器)有段者・キノと喋るモトラド(自動2輪車)・エルメス。妙齢美人な師匠とハンサムな弟子。亡国の王子・シズ様と喋る犬・陸と無口な少女・ティー。旅を続けるその3組と、定住派で写真家の…
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『虚談』/京極夏彦 〇

おやまあ・・・。 京極夏彦さん、とうとう〈投げっぱなしホラー〉からすら、脱却しちゃいましたね。 怖いか怖くないかで問えば、本書『虚談』は、あんまり怖くない。 淡々と〈妙な〉話が語られ、居心地の悪い思いをしてたら、最後の最後に「全部嘘」とか「多分嘘」と言い放って終わり。 どこからどこまでが本当で、どこからが嘘なのか。というより、〈…
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『最悪の将軍』/朝井まかて ◎

徳川15代の中でも、悪政だったと言われる「五代将軍・犬公方・綱吉」。 しかし、この物語で鮮やかに描かれるのは、「生きとし生ける命を大切にしたいと願った」為政者の姿でした。 綱吉は、本当に『最悪の将軍』だったのか?朝井まかてさんによって光をあてられた真実を、噛みしめながら読みました。 将軍の真意が市井にきちんと伝わるのが、こんな…
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『夜に啼く鳥は』/千早茜 〇

これほど感想が難しい作品は、久しぶり。 千早茜さんの描く現代奇譚・『夜に啼く鳥は』は、八尾比丘尼の末裔であるという〈蟲宿しの一族〉の長である「御先(ミサキ)」とその一族の物語。 悲しくて、美しくて、終わりが来ない日々と永らえられない命が背反する切なさ。 ・・・ううむ、具体的な感想が、なかなか思い浮かばない…難しい。 昔々、と…
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『おばちゃんたちのいるところ』/松田青子 ◎

松田青子さんは、以前『スタッキング可能』を読んだ時に、なんだかゾワゾワと落ち着かない気分になった作家さん。 でも、本作『おばちゃんたちのいるところ』は、書評を目にしたときに「これはスカッと面白そうかも!」と感じました。そして、大正解。ニヤニヤ、うぷぷと笑いながら、楽しく読ませていただきました! まあ、最初は「あれ~?思ってたより…
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『我ら荒野の七重奏』/加納朋子 〇

『七人の敵がいる』の続編。 陽子、相変わらずブルードーザー過ぎますよ・・・。読んでてヒヤヒヤするわ~。 ホントにもう、加納朋子さん、心臓に悪いですよ、この作品・・・。 中学生になった息子が入った「吹奏楽部」、その親の会での陽子の奮闘を描いた『我ら荒野の七重奏』は・・・いやいやホント、大変でした。読んでて頭抱えたくなった瞬間、何度も…
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『異人館画廊 ~盗まれた絵と謎を読む少女~』/谷瑞恵 〇

独自の意味を背景や小物として絵画に書き込む手法、「図像」。その「図像学」をイギリスで学んだ此花千景が、10年ぶりに帰国。彼女に、盗まれた絵画の鑑定の依頼が入り、物語は動き出す。谷瑞恵さんって確か、コバルト文庫の人だよねぇ・・・、じゃあ読みやすいかな…と書評に惹かれての〈読みたい本リスト〉入りした作品です。『異人館画廊 ~盗まれた絵と謎を…
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『フリッカー式 ~鏡公彦にうってつけの殺人~』/佐藤友哉 〇

佐藤友哉さんのデビュー作、『フリッカー式 ~鏡公彦にうってつけの殺人~』。 今まで何作か〈鏡家サーガ〉シリーズの周辺作品(『青酸クリームソーダ ~〈鏡家サーガ〉入門編~』と、『ナイン・ストーリーズ』(短編集)と『鏡姉妹の飛ぶ教室 ~〈鏡家サーガ〉例外編~』←ブログ開始前に読んだのでレビューなし)を読んではいたのですが、やっと本編?を読…
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『代書屋ミクラ すごろく巡礼』/松崎有理 〇

心理学教室の教授の依頼で、研究室の助教(儚げ美人)を探しに辺路島にたどり着いた、論文代筆業の青年・ミクラ。 前作『代書屋ミクラ』では、数多の論文代筆稼業を請け負うたび、恋をして失恋・・・を繰り返す、まことに〈惜しい〉日々を送っていた彼が、今度は一つの恋のために旅に出ます。 松崎有理さんの『代書屋ミクラ すごろく巡礼』、〈惜しい青年・…
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『しろくまカフェ くるみ味!』/ヒガアロハ ◎(コミックス)

一昨年、立て続けに4冊読んで、ちょっと間が空いてました、〈しろくまカフェ〉シリーズの5冊目。 『しろくまカフェ くるみ味!』、揺るぎなく絶好調ですね!もう、ホント楽しくてたまらな~い♪♪ ヒガアロハさん、ありがとうございます! キノボリカンガルーさんのコーヒー焙煎所で働くマサキ(人間)が〈カフェオレ〉と〈カフェラテ〉と〈カプチ…
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『弥栄の烏』/阿倍智里 〇

前作『玉依姫』を八咫烏側から描いた、本作『弥栄の烏』。 展開が分かっている分、ちょっと物足りなかった気がしますねぇ。もっと違う側面が見られるかと思ってたのですが・・・。 とはいえ、シリーズ第一部完結、ってことでお疲れ様でした。第二部以降も楽しみです、阿倍智里さん!! 最後に大猿が語る八咫烏の真実は、苦かったですね。 忘れるこ…
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『大正箱娘 ~怪人カシオペイヤ~』/紅玉いづき ◎

紅玉いづきさんの〈大正箱娘〉シリーズの2冊目。勝手にシリーズと言ってますが、展開的に言って、これは続きますよね~♪ 本作『大正箱娘 ~怪人カシオペイヤ~』は、前作で少し取り上げられた「怪人カシオペイヤ」の事件に何かと関わりが出来てしまう、見習い記者・紺が体験する出来事と箱娘・うららの物語。 前作『大正箱娘 ~見習い記者と謎解き姫…
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『枝付き干し葡萄とワイングラス』/椰月美智子 〇

夫婦の日常の機微を描いた、短編集。 夫婦関係の破綻を描いたものもあるというのに、何故か淡々と進む物語に「結婚ってこんな感じよね…」と、ちょっと諦念を感じてしまいました。 あっさりとした文体で描かれる『枝付き干し葡萄とワイングラス』、するすると読みながらもちょっと身につまされることもあり、椰月美智子さんという作家さんの怖さを見た気がし…
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『本バスめぐりん。』/大崎梢 ◎

本好き、図書館好きにはたまらない、ほのぼのとした、いい物語でしたねぇ! 私、大崎梢さんの〈本にまつわる業界〉の物語はどれも好きですが、これは1・2位を争うかも!! 種川市の移動図書館『本バスめぐりん。』の運転手・テルさんの出会う、心温まるささやかな事件の物語の数々、これは色々なことが新しく始まる春先に読むに相応しい物語でしたね~!!…
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『キノの旅 (20) -the Beautiful World-』/時雨沢恵一 ○

時雨沢恵一さんの「キノの旅」シリーズ20冊目ですよ。 そして、もう巻数のローマ数字を解読できなくなって久しい私でございます(笑)。 パースエイダー(銃器)有段者・キノと喋るモトラド(自動2輪車)・エルメス。 妙齢美人な師匠とハンサムな弟子。 亡国の王子・シズ様と喋る犬・陸と無口な少女・ティー。 旅を続けるその3組と、定住派で写…
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『無垢の領域』/桜木紫乃 〇

釧路図書館館長の林原、書道家の秋津、秋津の妻で高校養護教諭の伶子、そして林原の妹で飾ることを知らず子供のような精神の持ち主・純香。 純香の無垢な言動に揺れ、苛立ち、惑い、道を選び取る3人を描く『無垢の領域』。 やっぱり、桜木紫乃さんの作品は、ずっしりと重いです。 まるで、彼らが暮らす道東の湿った空気と曇りがちな空のような、そんな重…
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『じごくゆきっ』/桜庭一樹 〇

桜庭一樹さんの描く〈少女〉は、強くて弱くて生き辛くて残酷だ。 『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』の後日譚2編を含む短編集『じごくゆきっ』は、いきなり心を削りにかかってきました。 暴力で支配された子供が、それでも愛を求めてもがく姿が、狂おしく描かれる。 そんな子供時代を、苦しみながら色々な欺瞞を抱え、歪んだまま一生懸命生き抜こうと…
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『影王の都』/羽角曜 〇

砂漠のどこかに時々出現するという、〈影の都〉。そこに唯一人君臨する〈影王〉は時折、人を呼び寄せるという。 第一回創元ファンタジイ新人賞・選考委員特別賞受賞作、『影王の都』(受賞時タイトルは「砂の歌 影の聖域」)。 羽角曜さんの新人とは思えない煌びやかで幻想的な描写に、非常に惹き込まれました。 影王に呼ばれたイーラとヴィワン、砂…
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