テーマ:仄昏き退廃と幻想

『黎明に叛くもの』/宇月原晴明 ◎

昨年、外伝『天王船』を先に読み、年をまたいで本編である本作『黎明に叛くもの』を読み始めました。重厚で緻密で幻想的で・・・読むのにすごく時間がかかりました(なんせ文庫の厚みも3センチ以上ある)・・・。が、やっぱり読めてよかったです。歴史と幻想の物語の名手・宇月原晴明さんの描く戦国絵巻、絢爛豪華で、切なくて、胸を詰まらせながら読みました。 …
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『天王船』/宇月原晴明 ◎

わぁ・・・。やっぱりいいなぁ、宇月原晴明さん。歴史と幻想が美しく織り上げる物語、酔いしれました!本作『天王船』が、未読の『黎明に叛くもの』の外伝的短編集であることは知っていたのですが、あえて外伝から読むことにしました。退廃と陰影に彩られた4つの物語、大変堪能致しました! 「隠岐黒」暗殺組織に属する少年と、傀儡(くぐつ)の出会い。「天王…
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『南の子供が夜いくところ』/恒川光太郎 ○

あれ~?なんか違うなぁ・・・。南の島が舞台だからか、微妙に物語の世界観が期待してたものとズレてる・・・。恒川光太郎さん特有の仄かな寂しさを湛えた異界の気配が・・・しないような。いえ、ファンタジーとしては魅力のある作品だと思うんですよ、『南の子供が夜いくところ』。ただ・・・単に私が期待していた和製ホラー(静かに怖い)と違ってたってだけです…
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『おとぎのかけら ~新釈西洋童話集~』/千早茜 ◎

イソップ童話などの原典は、結構オソロシイ。現代に伝わる「意地悪な継母」が実母だったり、「懲らしめられ改心した元悪者」は罰として惨殺されていたり。それらを何重ものオブラートに包み、悲惨さに安心を上塗りして隠し、現代の西洋童話は流通している。そんな童話達を、あえて現代日本を舞台にして大胆に翻案した、『おとぎのかけら ~新釈西洋童話集~』。千…
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『道徳という名の少年』/桜庭一樹 ○

良くも悪くも、桜庭ワールドだなぁ・・・というのが第一印象。淫靡で甘くまとわりつくような、それでいて砂のように乾いている、一族の歴史。喧しいのに、静かに流れて行く時代。とても、桜庭一樹さんらしいなぁ~と。『道徳という名の少年』、町いちばんの美女から始まる、背徳の歴史。 「1、2、3、悠久!」町いちばんの美女がそれぞれ父親の違う、四姉妹を…
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『復活のヴェヌス』ヴェヌスの秘録〈4〉/タニス・リー △

・・・うわぁ。すんごく肩すかしされたんですが。いえ・・・、単に水無月・Rの趣味からどんどん脱線してっちゃった、ってだけなんですけどねぇ。いや、予想はしてたような気もするんですけど・・・。タニス・リーさんの最近の作風って、あんまりダークじゃないのかなぁ。・・・残念だ~。本作『復活のヴェヌス』は、『水底の仮面』『炎の聖少女』『土の褥に眠る者…
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『蘆屋家の崩壊』/津原泰水 ◎

夏ですな~。ぞ~っとする、怪談話が気持ちいいですねぇ。何故か妖物系を引き寄せてしまう体質?の三十路を越え未だ定職につけずにいる男・猿渡と、黒づくめの怪奇小説家・伯爵のコンビが巡り合う、ゴシックホラーじみた物語の数々。 私、津原泰水さんは『綺譚集』から読み始めてハマったので、こういうホラー系はイイ感じです。ゾクゾクして、細密な世界が広が…
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『カルトローレ』/長野まゆみ ◎

ははぁ~。これは、好みが分かれるなぁ~。私は、かなりこういうの好きだけど・・・。作中にも出てくる複雑なクロシェ編み(鉤針編み)のように張り巡らされた設定。そして回収されることのない伏線。すべては、読者の気持ち次第で。そんな、不思議な浮遊感のある世界を描いた、長野まゆみの『カルトローレ』。感想やあらすじを語るのは、すごく難しい。 主人公…
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『少年トレチア』/津原泰水 ○

う~・・・黒いねぇ~。非ッ常~に、ブラックな・・・。 「悪いことをしたのはトレチア。殺したのはトレチア」と、子供たちの間に流布する言い訳。自分の酷い面を他人へとすり替える「トレチア」って、共同意識の産物? ・・・と思ったら残り3分の1あたりで、話の流れがトレチアから想像種動物「マカラ」へと・・・え~?!それはちょっとどうよ。私的には…
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『桜の森の満開の下』/坂口安吾 ○

うう~む。重苦しい・・。森見登美彦さんの『【新釈】走れメロス 他4篇』の時に「原作読んでない~、やっぱこれは読むべきでしょう!」と心に決めた一篇です。と言っても、『桜の森の満開の下』は短篇集なので、他の物語も含まれてます。しかし坂口安吾と言えば、いわゆる昭和の文豪ですよ。重厚な憂鬱というか、陰鬱な美というか、極甘な羊羹を食べてしまった後…
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『厭犬伝』/弘也英明 ○

人の骸から生えてくる「汚木(よごれぎ)」。それを基に作った「仏(ほとけ)」同士を戦わせる「合(あわせ)」という遊興のある、異世界の物語、『厭犬伝』。 弘也英明さんのデビュー作にして、第19回日本ファンタジーノベル大賞・受賞作。 主人公・厭太郎は、職務の際に死なせてしまった咎人の娘・犬千代から、合による仇討を挑まれる。通常なら認め…
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『悪魔の薔薇』/タニス・リー ◎

現代のシェヘラザード姫、タニス・リーの幻想怪奇短編集ですよ!素晴らしいですね~、『悪魔の薔薇』。仄暗い世界に揺らめく、人とも獣とも妖魔ともつかぬ「もの」達。闇に浮かぶ、かぼそい金銀の操り糸。人の心の裏側をえぐる、繊細な描写。ダークファンタジーの真骨頂とは、このことですよ!(あ~あ、とうとうタニス・リーにも悶えるようになってしまったか、水…
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『綺譚集』/津原泰水 ○

うわ~・・・微妙~・・・。 妖しい雰囲気の漂う短編集、津原泰水の『綺譚集』。妖艶な物語たちなんだけど、水無月・Rの好みと微妙にズレる。 グロテスクなのだ、表現が。もちろん、読めないほど酷いわけじゃない。が・・・『みずうみ』や『廃帝綺譚』など、水無月・Rのに好みに非常に合い、共鳴するかのような作品が続いた後では、違和感がある。 子…
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『鏡の森』/タニス・リー ○

おしい!非ッ常~におしい!タニス・リーの「ダークさ」が変に緩められてしまってる。白雪姫とギリシャ神話を下地にダークファンタジーを描いてると思うんだけど、何だか、物足りないのですよ。なんだろう、何が足りないんだろう・・・。  美しい森の城の王女アルパツィアは、城を攻め落とした征服王ドラコのもとへ略奪され、その子を身篭る。その恐怖から、正…
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『翼を広げたプリンセス』/タニス・リー ○

「ウルフタワーシリーズ」最終巻、『翼を広げたプリンセス』。今まで水無月・Rが読んできたタニス・リーのダークファンタジーとはちょっと傾向の違う、ジュヴナイル向けのファンタジーである。 生まれ育った<ハウス&ガーデン>を脱出し、荒地の旅を経て<シティ>にたどり着き、<ウルフ・タワー>の「掟」を破壊して<シティ>を脱出した、『ウルフ・タワー…
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