テーマ:少年少女の健やかな成長

『RDG レッドデータガール 氷の靴 ガラスの靴』荻原規子 ◎

荻原規子さんの〈RDG レッドデータガール〉シリーズの最終巻を読んだのがもう、6年も前ですかぁ・・・。本作『RDG レッドデータガール 氷の靴 ガラスの靴』は、深行視点の短編3つと真響視点の中編1つからなる、スピンオフ作品です。本編はほぼ泉水子目線でストーリーが展開していたので、別の人の視点で本編の間の出来事やその後のことを知れたのは、…
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『室町繚乱 ~義満と世阿弥と吉野の姫君~』/阿部暁子 ◎

室町時代の知識があまりないまま読み始めたのですが、阿部暁子さん、大変面白かったです。 世間知らずだった南朝の皇女・透子の成長を描いた『室町繚乱 ~義満と世阿弥と吉野の姫君~』、相争う南北朝及び幕府という複雑な政治事情を背負った若者たちの苦悩と決意を咲き乱れさせる、力強い物語でした。 吉野の山奥の南朝から、北朝に寝返った楠木正儀を…
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『虎と月』/柳広司 ○

中島敦 『山月記』。高校の国語の教科書に載ってた短編。本書著者柳広司さんも、高校生の時に出会った作品である、と「あとがき」に書いてましたね。膨れ上がる自尊心に押しつぶされて、虎になった李徴。思春期特有の「生き辛さ」をいまだ引きずり、非凡の才に憧れていた高校生の私は、その李徴の境遇に共感とも憧れともつかない、強い感情を覚えたものです。・・…
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『いまはむかし ~竹取異聞~』/阿澄加奈 ○

かぐや姫の5つの宝を天に返すために、旅を続ける月守・アキとキヨ。二人に出会った、家出中の武家貴族の子息・矢吹とその幼馴染で薬師の娘・朝香。 彼らは共に旅をし、新たなかぐや姫の物語を繰り広げていく。 『竹取物語』は、結構好きなモチーフです。 本作『いまはむかし ~竹取異聞~』がデビュー作の阿澄加奈さん。 爽やかで、読み心地の良い物…
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『凍りのくじら』/辻村深月 ○

『ハケンアニメ!』がとても面白かったので、今年は辻村深月さんの作品を少しずつ読んでいこう思っています。まずは本作『凍りのくじら』(文庫の帯に読む順番が紹介されててその1冊目でした)。読み始めは主人公・理帆子に共感できなくてちょっと辛かったのですが、読み進むにつれ先が気になり、読み終えたときはちょっと放心してしまいました。 理帆子が何と…
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『オーブランの少女』/深緑野分 ◎

美しい庭園・オーブランで惨殺された、管理人の老女。彼女やその妹、殺害者、の正体を記したのではないかと思われる記録。彼女らが少女だったころ、この館で何が起こり、何が真相だったのか。 深緑野分さんの鮮烈のデビュー作、『オーブランの少女』。 少女にまつわる謎と、その存在の切なさ強さ恐ろしさを色彩豊かに描いた作品でした。 〈少女〉とい…
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『ブランコ乗りのサン=テグジュペリ』/紅玉いづき ◎

少女サーカスの演者たちの、息詰まるほどのプライド、荒々しく繊細な美しさ。文学者の名前を冠される彼女たちの、「不完全で未熟で不自由で」それでいて「常に至高」な演目。〈少女〉とこういう設定って、本当に似合いますね。紅玉いづきさんの描く、少女たちそれぞれの戦い方。『ブランコ乗りのサン=テグジュペリ』の決意したラストが、とても美しいと感じました…
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『RDG6 レッドデータガール 星降る夜に願うこと』/荻原規子 ◎

本作『RDG6 レッドデータガール 星降る夜に願うこと』、シリーズ最終巻ですねぇ。いやぁ、感無量ですよ。少年少女が、一生懸命成長して、友情や愛情を深めていく、素晴らしい物語でした。なんせ、最初の方の泉水子のぼんやり&他力本願っぷりときたら、ホントイライラさせられましたもんねぇ。それがきちんと、大人たちから情報を得たり利用したりしながら、…
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『無花果とムーン』/桜庭一樹 ○

う~ん。今回の桜庭一樹さんは、〈人生泥沼系〉ではなかったけど、〈強化ガラス細工の少女たち〉の物語でもなかったなぁ。表紙の女の子の絵をみて、期待半々だったけど、・・・ちょっと、残念~。 目の前で大好きだった兄・奈落を失った主人公の少女・月夜が、失った兄を求めて過ごすひと夏を描く、『無花果とムーン』。 なんかね~。 私にとって〈少…
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『わくらば日記』/朱川湊人 ○

昭和30年代、東京の下町で、つつましく暮らす一家。しつけに厳しい母、病弱だが美しく優しい姉、負けん気の強い妹。妹・和歌子は夭逝した姉・鈴音との思い出の日々を、数十年を経て回想している。思い出とは、輝かしく美しくも、どこかもの悲しい。 朱川湊人さんは、ずいぶん前に『太陽の村』という作品を読んで以来ですね。全然傾向が違います・・・(笑)。…
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『RDG5 レッドデータガール 学園の一番長い日』/荻原規子 ◎

いやぁ~、面白かったわ~。学園祭の前日と本番2日間という短期間だけど、非常に内容が濃くて、物語も結構進行したし!(時間経過はないけど、登場人物たちの関係とかね!)荻原規子さんの『RDG』シリーズ、最初の頃は全然進展しなくて、途中で飽きかけてたりしてたんですが、前巻から怒涛の巻き返しですね~。少年少女が、一生懸命に行動して成長する物語って…
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『RDG4 レッドデータガール 世界遺産の少女』/荻原規子 ◎

ようやっと、少しだけ前進したかな~。主人公・鈴原泉水子と相楽深行ペアに、少しずつ情報が入ってきました。意外で壮大なその事実と、現在の自分たちの関係、また周りを取り巻く学園内の勢力闘争…さまざまな要因が絡まって、今作も内容が濃いですね~。そして、1冊の分量で流れる時間が、短いですよぅ、荻原規子さん~。そして未だ、学園祭は始まりません(笑)…
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『緑ヶ丘小学校大運動会』/森谷明子 ○

う~わ~・・・。 タイトルの『緑ヶ丘小学校大運動会』から受ける、のどかなイメージとは裏腹に、小学校の運動会という明るくも騒然とした一日の裏側で一部の保護者による不穏な動きが描かれ、最後にとんでもない隠れた真相が…! 森谷明子さんの作品はいくつか読んできましたが、今回はまた、今までとは違った印象ですね~。 運動会開始直前に、マサ…
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『キミは知らない』/大崎梢 ○

私の中では成風堂シリーズ・ひつじくんシリーズなどの「本にまつわるほのぼのミステリー」作家さんであり、「よさこいも描けちゃう」スンバらしい作家さんでもある大崎梢さん。今度は、女子高生が次々に展開する状況に振り回される、ジェットコースターのようなミステリー『キミは知らない』で、一気読みさせていただきました!ホントにハラハラドキドキ、とにかく…
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『ネバーランド』/恩田陸 ◎

読了してすぐに、「ああ、自分は立派なオバハンになってしまったなぁ」と思った(笑)。というのも、青年・少年(少女)の若さ故の無茶や、根拠のあまりないプライド、エゴイズムや頑なさを、生温かい目で見守ってしまうようになったことに、改めて気付かされたので・・・。彼らに対して郷愁はあるけど、かつては彼らに対して持ったであろう共感も驚嘆も反発も持た…
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『RDG3 レッドデータガール 夏休みの過ごしかた』/荻原規子 ○

えぇぇぇ~。そりゃないでしょう、荻原規子さん~。全然話が進んでないんですけど・・・。いったいこのシリーズ、全体像はいつ見えてくるんですか・・・?シリーズ3作目となる本作『RDG3 レッドデータガール 夏休みの過ごしかた』、夏休みの過ごし方と言いつつ、夏休みは半分ぐらいしか終わってません・・・。 ううむ~。面白かったかというと、まあ、面…
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『ガーデン・ロスト』/紅玉いづき ○

少女というのは、何故こんなに頑なで生き辛い毎日を送っているのだろう。かつて少女だった私も、やはり生き辛い思いを抱えていた。いつのまにか、その状況から抜け出したけど、あれは何だったのだろうと、今でも思う。紅玉いづきさんは初読みです。『ガーデン・ロスト』というタイトルに惹かれて、読むことにしました。 読み始める前に抱いていた、子供時代とい…
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『バターサンドの夜』/河合二湖 ○

・・・思春期だなぁ(笑)。女子中学生の、何もかもが敵だ~、みたいな感じにとんがってる感じが、非常によく伝わってきます。 河合二湖さんは、本作『バターサンドの夜』で作家デビューだそうです。 ただね~。私的には桜庭一樹さんの描く「少女」のような、痛々しい強さの方が共感するかなぁ。そんな気持ちで読んでたから、ちょっと上の空だったかも。…
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『少女たちの羅針盤』/水生大海 ◎

第一回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞優秀作。2008年に創設されたこの地方文学賞で、大賞は逃したものの優秀作品として賞を受け、タイトル「罪人いずくにか」を『少女たちの羅針盤』と変え、出版されたもの。 この原稿を書くにあたってネットで調べたら、今度映画化されるんですねぇ。文学賞を主宰した福山市をロケ地にして。 作者水生大海さんは、…
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『蛇行する川のほとり』(1)~(3)/恩田陸 ○

あの夏は、この夏に続いている・・・。皆がそれぞれ何かを知っていて、お互いを探り合い、少しずつ出来事を語り合い、そして一つの終わりを迎える。そして、〈かれら〉は変容する。 恩田陸さんの描く少年少女達は、強い。繊細で透明な、お互いに捉われている特別な〈かれら〉は、『蛇行する川のほとり』での出来事を通じて色々なものを吸収し、危うさを孕みつつ…
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『秘密の花園』/三浦しをん ○

ただならぬ関係をとてもリリカルに描く三浦しをんさんの、女子高の物語。『秘密の花園』かぁ・・・。何て言うか、非常にぴったりなタイトルだなぁ、と。名門カトリック系女子高に通う3人の女の子たちの、それぞれの悲しさ、残酷さ、潔癖さと頑なさ。まだ大人ではない、だけどもう子供でもない、そんな曖昧な境にいる彼女たちを、ひっそりとかくまっている秘密の花…
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『RDG2 レッドデータガール はじめてのお化粧』/荻原規子 ◎

いや~、すんごい勢いで読了しちゃいましたよ、『RDG2 はじめてのお化粧』。とにかく、先が気になって気になって。主人公・鈴原泉水子(すずはらいずみこ)と同じく、〈姫神〉について知っていることが少なすぎるから謎ばかりで、何とかして少しでも真相に近付きたくて。前作『RDG はじめてのお使い』で〈壮大な物語のプロローグ〉と感じたんですが、ホン…
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『片耳うさぎ』/大崎梢 ○

異様なまでに大きなお屋敷に、一家で居候することになった小学生・奈都。奈都のクラスメートのお姉さん・さゆりと共に屋敷を探索したあと、片耳を切り取られたウサギのぬいぐるみが、部屋に紛れ込んでいた。蔵波家の屋敷には言い伝えがある。「片耳うさぎには気をつけろ。屋敷に入れると、人が死ぬ」という・・・。大崎梢さんは、初読みです。旧家に伝わる言い伝え…
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『風神秘抄』/荻原規子 ○

荻原規子さんと言えば、YAファンタジーの女王的存在ですよね。ブログ始めるよりもっと前に『空色勾玉』を始めとする、勾玉シリーズを読んだのですが、少年少女の成長と神話・伝説世界の融合、日本的な背景に描かれる美しい自然、大変清々しい読後感でした。その勾玉シリーズとは一線を画しつつも、流れをくむ物語、『風神秘抄』。 ○○秘抄、と言えば後白河法…
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『カクレカラクリ』/森博嗣 ○

皆様、明けましておめでとうございます! 今年もよろしくお願いいたします。 今年も良い作品に、たくさん出会いたいです。 いえ・・・きっと出会えることでしょう! そんな今年の記事・第1弾は、森博嗣さんの『カクレカラクリ』です。『スカイ・クロラ』シリーズで「現実感を削ぎ落とした〈キルドレ〉の儚さ」を描き、水無月・Rの陶酔を存分に引き出…
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『RDG レッドデータガール はじめてのお使い』/荻原規子 ◎

荻原規子さんは、『空色勾玉』を始めとする勾玉シリーズが、すごく楽しかったのを覚えてます。ジャンルとしてはヤングアダルトに当たる(M市図書館では)んですが、大人の鑑賞に全く問題なしですよ。今作『RDG レッドデータガール はじめてのお使い』ももちろん、非常にワクワクしながら読みました。 主人公・泉水子は、熊野にある山伏の修験場である玉倉…
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『三番目の魔女』/レベッカ・ライザード ◎

さあ、この作品タイトル『三番目の魔女』を見て、「ああ、水無月・Rよ・・・」と思った人? あなたも聴いてますね、WEBラジオ「関東図書基地 広報課」を!(笑) ―――すみません。とどのつまりは『図書館戦争』がらみです・・・。 ええ、WEBラジオで柴崎役の沢城みゆきさんが「今読んでるんだけど面白いのよ」とラジオで言った小説なんですよ。…
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『コドモノクニ』/長野まゆみ ○

アレレ・・・?何だか変な感じ。長野まゆみさんらしい感じが、あまりしません。主人公の私が女の子だからでしょうか? 小鳥を飼うことになって、中学生である私の色々な出来事を、鳥を絡めたり絡めなかったりしながら丹念に描いていく短編の集まり、「小鳥の時間」。昭和中期(40年代)ごろ、小学生の私の身の回りでおこった事を、細かく描いていく短編の集ま…
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『でかい月だな』/水森サトリ ○

第十九回「小説すばる新人賞」受賞作。思春期の焦燥、混乱、一途さを描いた、力作ですね~。若さゆえの頑なさや、周りを気遣わない行動、或いは気遣い方が間違っている行動、そして、大人にも子供にもなりきれない、違和感。それを端的に表現した「やつら」。たしかに、あのころ、世界は違和感に満ちていた。 主人公・ユキのリアル感が遠ざかり、また満ち始…
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『エンジェル エンジェル エンジェル』/梨木香歩 ○

寝たきりの祖母の夜間の世話を引き受けることで、熱帯魚を飼うことを許された、コウコ。水槽のヒートポンプの低振動音は、おばあちゃんの少女時代の思い出を呼び覚ましたようだ。コーヒー中毒症状緩和を狙って飼い始めた熱帯魚たちは、予想外の行動をとり、コウコとおばあちゃんの思い出を追い詰めていく。不思議なファンタジー。だけど、何かが足りない・・・その…
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