テーマ:やるせない・・・

『滅びの園』/恒川光太郎 ◎

ある日突然、地球上空に現れた<未知なるもの>。その中に存在が確認された男・鈴上誠一。恒川光太郎さんの描く、ささやかな理想郷と地上の悪夢、その中を生き続ける人々それぞれの戦いと信念、そして孤独。突然現代に異次元が滑り込んできたという設定で始まる『滅びの園』、展開が気になって、すごい勢いで読みふけりました! 何故、それは突然地…
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『未来』/湊かなえ 〇

う~~ん。湊かなえさんの「湊ワールドの集大成!」って帯にあったんですけどね。本作『未来』は、どうなんでしょうね・・・。私的には、ちょっと〈湊さんの色〉を強調しすぎというか、なんというか・・・。 水無月・Rは、小市民です。基本的に、痛いのとか苦しいのとか辛いのとか、ダメなんですよね。救われるシーンが欲しかった・・・。ラストシーンで、自分…
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『ヴィオレッタの尖骨』/宮木あや子 ◎

余すところなく、宮木あや子さんのR-18系というか、ダークサイド系ですねぇ。でも、歪んでるって、言ってしまっていいの?何をもって、歪んでいる、いないを判断する?小市民を自認する私だけど、私の身の回りにある〈普通〉が、本当に〈普通〉?そんな疑いにじわじわと侵食される感覚と、甘く爛れた香りが充満してくる、『ヴィオレッタの尖骨』。読んでいる最…
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『無垢の領域』/桜木紫乃 〇

釧路図書館館長の林原、書道家の秋津、秋津の妻で高校養護教諭の伶子、そして林原の妹で飾ることを知らず子供のような精神の持ち主・純香。純香の無垢な言動に揺れ、苛立ち、惑い、道を選び取る3人を描く『無垢の領域』。やっぱり、桜木紫乃さんの作品は、ずっしりと重いです。まるで、彼らが暮らす道東の湿った空気と曇りがちな空のような、そんな重さを実感しな…
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『起終点駅(ターミナル)』/桜木紫乃 〇

それぞれの人生の中で、幾度か巡り合うことのある『起終点駅(ターミナル)』。桜木紫乃さんが描く孤独な人生の物語は、もの悲しさを湛えているような気がします。〈無縁〉をテーマに、寂寥や諦観を含んで、6つの人生が語られその渦に飲み込まれました。 北海道の、うら寂れた街の片隅で、孤独の物語はひっそりと、そしていくつも展開する。北の大地は、凍てつ…
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『ホテルローヤル』/桜木紫乃 ○

湿原を見渡せる場所にある、一つのラブホテルの変遷を遡っていく短編集、『ホテルローヤル』。桜木紫乃さんの直木賞受賞作ですね。釧路湿原に行ったことがあるのですが、あの風景(特に冬)の中にさびれた(廃墟化した)ラブホテルがあったとしたら、とても物悲しい感じがすると思います。ラブホテルが舞台だといってもエロスな物語ではなく、淡々した淋しさが流れ…
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『豆の上で眠る』/湊かなえ ○

良くも悪くも、湊かなえさんだなぁ、という一冊な気がする。非常に映像的。ワンシーンワンシーンが、きっちりと構成されてる感じ。アンデルセン童話『えんどうまめの上にねたおひめさま』を疑惑のモチーフに、家族とは何かを問うミステリー。『豆の上で眠る』姫君は、果たして、本当はいたのか。 子供の頃、読んだことあります、『えんどうまめの上にねたおひめ…
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『官能と少女』/宮木あや子 ○

これはまた・・・。 たまたま、図書館の予約本を受け取りに行ったら、2冊とも宮木あや子さんの作品だったんですが、ホントに全然違いますなぁ。 『官能と少女』というタイトル通り、未成熟な少女(或いは成熟しない女性)の官能の物語。ただしその官能は、無理やり彼女らに沁み込まされたもののように感じました。 美しい物語では、ないです。彼女たちは…
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『月の輝く夜に/ざ・ちぇんじ!』/氷室冴子 ◎

子供のころから、読書は好きだった。 だけど、中学生になったころ氷室冴子さんの作品と出会って、私の読書好きに拍車がかかったと言っていい。 そんな大切な作家さんが亡くなって、もうだいぶ経つ。 ファン待望の文庫未収録作品と古典『とりかへばや』の新釈物語である『ざ・ちぇんじ!』を併せたこの『月の輝く夜に/ざ・ちぇんじ!』。 「月の輝…
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『森の家』/千早茜 ○

千早茜さんは孤独を書くのが上手な作家さんだなぁ、と思ってたのですが、本作『森の家』も、孤独で人との距離の取り方がわからない3人の男女の物語です。2013年初の読書は、淋しさの中で、それぞれの孤独がひっそりと息づいているような、静かな物語でした。 ただね~。私、千早さんの甘美で仄暗い感じの漂う幻想的な物語の方が好きかな~。現代の現実的な…
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『海炭市叙景』/佐藤泰志 ○

新聞の書評で絶賛されていた作品。 普段私が、わぁわぁ言いながら読んでるエンターテイメント系とは全く違う方向の作品だというのは判っていたけれど、それでも何故か心惹かれて、ひっそりと〈読みたい本リスト〉入りしてました。 若くして自死したという佐藤泰志さんは、死後20年を経て再評価されるようになったそうです。 本作『海炭市叙景』の文庫化…
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『からまる』/千早茜 ○

まだ3作しか読んでないけど、千早茜さんは「孤独」を書くのが上手な作家さんだなぁ・・・という気がします。本作『からまる』は、前二作とはちょっと雰囲気を変えて、現代日本が舞台。第1話の主人公・武生から、ちょっとだけ関係のある別の人々の物語を七話つないで、みんながちょっとずつ、癒されていく。ほっとする物語でした。 「まいまい」なんとなく生き…
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『乙女の密告』/赤染晶子 ○

うわ~。なんだろう(笑)。現代が舞台のはずなのに、ノリが『それいゆ』とか『少女の友』の世界なんですが、どうなんでしょう、赤染晶子さん。なんせ、本書のキーワードは〈乙女〉。純潔とかね、「黒ばら組」「すみれ組」とかね、「乙女の皆さん、血を吐いてください」とか、「あたくし、実家に帰らせて頂きます!」(byバッハマン教授)とか・・・これは少女漫…
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『デンデラ』/佐藤友哉 ○

あけまして おめでとうございます 今年も、素晴らしい作品に出会って、良い記事(←かなり疑問)をUPできるといいなぁ~と希望しています。 この一年また、お付き合いいただければ光栄に存じます。 さて2010年のトップを飾りますのは、佐藤友哉さんの描く衝撃作、『デンデラ』。それは、かつて日本の農村にありえた「…
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『とりつくしま』/東直子 ◎

ううむ・・・。いかん・・・。 「ハートフルファンタジー」な評判の方ばかり覚えてて、「死んだ人がものにとり憑く」という根本的な設定をすっ飛ばして読み始めてしまいました。 そして・・・泣いてしまいましたよ。・・・く、くそう。ダメなんだようぅ~こういうの。 逝く者、残される者、お互いの未練というのが全部、私自身の覚悟のなさへ跳ね返って来…
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『光』/三浦しをん ○

この『光』は圧倒的な質量をもって、水無月・Rを打ちのめした。三浦しをんさんは、とてつもない作家さんだと思う。『君はポラリス』で「ただならぬBLも悪くない」なんて思わせておいて、『風が強く吹いている』で「この人すげぇ!笑いのツボを押しまくりだよ!」と大ウケした上に走りの美しさに涙させられ、『三四郎はそれから門を出た』では「しをんさんと私、…
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『砂楼に登りし者たち』/獅子宮敏彦 ○

桜庭さんの『桜庭一樹読書日記』で、桜庭さんがお勧めしてた作品です。 なるほど~ですね。室町幕府末期、老名医師(推定100歳前後)が解く謎の数々。斬新な歴史解釈が、なかなか目覚ましかったです。 本作『砂楼に登りし者たち』が本格的デビュー作となる、獅子宮敏彦さん。 あとがきで作中人物たちが語るところによると、「戦国伝奇ストーリーに…
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『わたしたちが孤児だったころ』/カズオ・イシグロ △

なんだろう・・・この後半にかけての、ストーリーの欠落感は・・・。 本国イギリスで、発売直後ベストセラーになったそうなんですが・・・ちょっとそれには疑問が。確かに上海での少年時代を回想する、その思いを描いた部分なんて、とても美しく細やかに描かれているのだけれど。 大人になってからのことが、やたら省略されすぎている気がするのだ。それも、…
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『私の男』/桜庭一樹 ○

・・・やられたな。これは致命傷だぞ。大丈夫か、水無月・R。桜庭さん・・・・スゴイな、あなたは。こんな湿度の高い、粘液のような物語も紡げるとは。 いつものあの、笑いとツッコミ処満載の、明るい桜庭色は、全くありません。『私の男』というタイトルから浮かび上がる、その淫靡なイメージ。しかし、それを上回る、ストーリー。いや~、かなわんな~。なん…
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『屍鬼』~第4部「傷ついた祈り」/小野不由美 ◎

『屍鬼』は、第4部「傷ついた祈り」に入り、物語は大きく移り変わっていく。 村の中で「屍鬼」の存在を認識しているハンター、寺の若御院・静信と医者・敏夫が、「屍鬼」に襲われた。 静信は、自ら乗り込んで。敏夫は、陥れられて。「屍鬼」に対する姿勢の違う2人が、ますます離れていく。村は、どうなるのか。 静信は、「屍鬼」の首魁である沙子の…
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『屍鬼』~第3部「幽鬼の宮」/小野不由美 ◎

「村は、死によって包囲されている。」小野不由美、『屍鬼』第3部「幽鬼の宮」である。第3部に入り、村におこっている死に事の正体が明らかにされる。村は徐々に「屍鬼」に侵食されていく。伝染病ではない。「起き上がり」なのだ。 「屍鬼」の人を襲う手段、首魁が誰なのか、「屍鬼」の「起き上がり」の過程、何故外場村が「屍鬼」に選ばれたかが、次々と…
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『屍鬼』~第2部「深淵より呼びぬ」/小野不由美 ◎ 

小野不由美、『屍鬼』の第2部「深淵より呼びぬ」です。第1部「鴉たち」で、村に広がりつつあった原因不明の死の病は、更に奇怪な様相を帯び始める。 死因である「多臓器不全」の進行の異様な早さ。罹患患者の家族に即伝染するわけでもない、奇妙な感染ルート。そして、罹患したと思われる一家が何軒も、夜逃げをするかのように、姿を消す。村外勤務者は、…
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『屍鬼』~第1部「鴉たち」/小野不由美 ◎ 

え~~と。2段組上下巻にてこずっている、水無月・Rです。 『屍鬼』は、上下巻で4部構成になっているので、各部の感想をUPしていくことにします。(毎日雑記をUPするのも芸がなさ過ぎなので) 実を言うと、小野不由美を読むのは初めて。確か『十二国紀』の作家だったなぁ~、程度の知識だったので、図書館で上下2巻を見てビックリした。分厚い・…
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