テーマ:〈少女〉であることの痛み・生き辛さ

『友達未遂』/宮西真冬 ◎

イヤミス感たっぷりの表紙にちょっと腰が引けつつも、「書評では爽やかな余韻ってあったし・・・」と読み始めた、宮西真冬さんの『友達未遂』。読み始めたら、痛いのなんのって・・・、グイグイと読まされました!すごい!! 山の奥にある、全寮制の私立女子校・星華高等学校。寮では、三年生と1年生が同室となり、マザー・チャイルドとして世話・指導・保護さ…
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『ヴィオレッタの尖骨』/宮木あや子 ◎

余すところなく、宮木あや子さんのR-18系というか、ダークサイド系ですねぇ。でも、歪んでるって、言ってしまっていいの?何をもって、歪んでいる、いないを判断する?小市民を自認する私だけど、私の身の回りにある〈普通〉が、本当に〈普通〉?そんな疑いにじわじわと侵食される感覚と、甘く爛れた香りが充満してくる、『ヴィオレッタの尖骨』。読んでいる最…
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『じごくゆきっ』/桜庭一樹 〇

桜庭一樹さんの描く〈少女〉は、強くて弱くて生き辛くて残酷だ。『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』の後日譚2編を含む短編集『じごくゆきっ』は、いきなり心を削りにかかってきました。 暴力で支配された子供が、それでも愛を求めてもがく姿が、狂おしく描かれる。そんな子供時代を、苦しみながら色々な欺瞞を抱え、歪んだまま一生懸命生き抜こうとする姿は、読…
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『桜庭一樹短編集』/桜庭一樹 ○

桜庭一樹さんらしい〈強化ガラス製の少女〉の物語もあれば、意外な組み合わせの物語もあり、空気感も色々の『桜庭一樹短編集』、大変楽しませていただきました~ 「このたびはとんだことで」妻と愛人の狂気に満ちた攻防を見守る「俺」は。「青年のための推理クラブ」あの『青年のための読書クラブ』のスピンアウト?「モコ&猫」潔い…
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『官能と少女』/宮木あや子 ○

これはまた・・・。たまたま、図書館の予約本を受け取りに行ったら、2冊とも宮木あや子さんの作品だったんですが、ホントに全然違いますなぁ。『官能と少女』というタイトル通り、未成熟な少女(或いは成熟しない女性)の官能の物語。ただしその官能は、無理やり彼女らに沁み込まされたもののように感じました。美しい物語では、ないです。彼女たちは、類稀な美し…
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『傷痕』/桜庭一樹 ○

キング・オブ・ポップがこの世を去った。彼の歌声を聴かない日はないというぐらい、世の中に浸透し、熱心な平和活動などで名を馳せた、偉大なる男が。彼は11歳になる娘(だと言われる少女)と、銀座の廃小学校を改築した「楽園」に住んでいた。最近の桜庭一樹さんの作風を、私は勝手に〈人生泥沼系〉と呼んでたんですが、本作はそんなことはなく、ちょっと安心。…
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『ガーデン・ロスト』/紅玉いづき ○

少女というのは、何故こんなに頑なで生き辛い毎日を送っているのだろう。かつて少女だった私も、やはり生き辛い思いを抱えていた。いつのまにか、その状況から抜け出したけど、あれは何だったのだろうと、今でも思う。紅玉いづきさんは初読みです。『ガーデン・ロスト』というタイトルに惹かれて、読むことにしました。 読み始める前に抱いていた、子供時代とい…
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『バターサンドの夜』/河合二湖 ○

・・・思春期だなぁ(笑)。女子中学生の、何もかもが敵だ~、みたいな感じにとんがってる感じが、非常によく伝わってきます。河合二湖さんは、本作『バターサンドの夜』で作家デビューだそうです。 ただね~。私的には桜庭一樹さんの描く「少女」のような、痛々しい強さの方が共感するかなぁ。そんな気持ちで読んでたから、ちょっと上の空だったかも。どっちか…
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『秘密の花園』/三浦しをん ○

ただならぬ関係をとてもリリカルに描く三浦しをんさんの、女子高の物語。『秘密の花園』かぁ・・・。何て言うか、非常にぴったりなタイトルだなぁ、と。名門カトリック系女子高に通う3人の女の子たちの、それぞれの悲しさ、残酷さ、潔癖さと頑なさ。まだ大人ではない、だけどもう子供でもない、そんな曖昧な境にいる彼女たちを、ひっそりとかくまっている秘密の花…
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『ブルースカイ』/桜庭一樹 ○

少女は〈クリーチャー(=魔物)〉である。時代の弱者でありながら、カルチャーを作り出し、けん引し、代表する強者でもある存在。桜庭一樹さんの描く「少女」の定義には、こういうことも含まれているのですね、きっと。表紙も『ブルースカイ』。美しく突き抜けるような青い空を持つ、制限された3つの空間の中で、「少女」は「せかい」とつながるのだ。 桜庭さ…
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『推定少女』(角川文庫版)/桜庭一樹 ○

桜庭一樹さんの描く少女は、とても切ない。痛い。まだ世界を切り開くことのできない、自分たちのそんな苦しさを、とてもリアルに描写している。ううう、『推定少女』も、ものすごく、痛い。なにも出来ない「甘い」自分。そして、少女は、幻想と現実の狭間を走り始める。 あんまり頑張らずに生きたいと思ってしまう、中3・15歳の巣籠カナ。学校の裏山にUFO…
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『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』/桜庭一樹 ◎

痛いなぁ・・・。桜庭一樹さんの描く少女って、どうしてこんなに痛いんだろう。痛いと言っても、実際の痛覚ではない。もちろん今流行りの「イタイ」でもなく。「少女」であることのやるせなさというのかな~、私も昔は十三歳で、痛みと闘ってたな~なんてことを思い出してしまう。『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』は、そんな「何にも出来ない少女である痛み」との…
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『赤×ピンク』(角川文庫版)/桜庭一樹 ◎

なんだか、ついこの間も書いたような記憶があるんですが、桜庭一樹さんの描く少女は、痛くて切ないなぁ・・・。夜な夜な、六本木の廃校で開催される「ガールズファイト」。少女と女の中間のようなハタチ前後の女の子達が、自らの技能(ショーとしての格闘技)をつくして、闘う。彼女たちの迷いと、真剣さと、闘いは、この上もなく血みどろで美しい。 タイトルの…
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『荒野』/桜庭一樹 ◎

ああ・・・桜庭一樹さんの描く少女は、どうしてこんなに、リアリティがあるのに、美しいのだろう・・・。なんだか、泣きたくなる。あの頃、確かに私たちは子供で、大人になりたくて、でもなりたくなくて、狭い世界で苦しんだり喜んだりしていた。・・・あの頃の少女だった私たち。『荒野』は、そんな普通の少女の12歳から16歳を切り取って、結晶化したような物…
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『スリースターズ』/梨屋アリエ △

現実とうまく向き合えない中学生の女の子たち。金と物だけはふんだんに与えるけれど愛情はくれない親、親から責任放棄され、子供を無視した親の過干渉、友人関係の崩壊。一度は集団自殺を計画するが、一転して、自爆テロを起こすことに。世の中は、崩れていくばっかり。自分たちがセンセーショナルに死を演出するのだ。「死」に対して、漠然としたイメージしか持た…
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『青年のための読書クラブ』/桜庭一樹 ◎

読み始めてすぐに、「桜庭さん、大好きッ!!」と叫んでしまったデスよ。いや~、すんばらしい。毛並み良き乙女たちの園に紛れ込んだ、異色の存在、「読書クラブ」。ひっそりと、100年の歴史ある女子校の、正史に載せられぬ裏の歴史を「読書クラブ誌」として綴り残した、その物語。自らを「ぼく」と称する、少女たち。毎年選ばれる「女王」ならぬ「王子」。学園…
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『少女には向かない職業』/桜庭一樹 ○

お?今まで水無月・Rが読んできた、昭和初期文学的桜庭一樹じゃないですね。ちょっとちがうな・・・。それも悪くないけど。 今日、図書館で借りてきたんですよ、『少女には向かない職業』。で、午後、一気に読み切っちゃったんです。ハイスピードで展開する、少女たちの殺人。どうしようもなく、自分を守るために、殺人を決行する葵と静香。読み始めたら止まら…
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『少女七竈と七人の可愛そうな大人』/桜庭一樹 ◎

昭和初期の雰囲気を持ち、あえやかな言葉づかいが似合う、ひっそりと美しい物語でした。これが平成の設定なんですから、オドロキですね。いえ、平成でも全然違和感がなく、七竈とその周辺にはなんだか違う時間の流れと空間があるような感じです。桜庭一樹さん、・・・うむ、いい作家さんと出会えました!ホント、こういう美しい文章は、いいですね。こころが豊かに…
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