テーマ:物語

『ゆらぎの森のシエラ』/菅浩江 〇

読んでて、違和感があったんですよね。あれ、私何読んでるんだろうって。菅浩江さんの作品のつもりで読み始めたのに、何か違う。この違和感は何だろうと思いながら、『ゆらぎの森のシエラ』を読み進めていきました。 違和感の正体は、私の勝手な期待だったことが判明します(笑)。私にとって今までの菅作品は〈ひと〉と〈機械〉狭間で揺れ動く物語だったり、遠…
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『CAボーイ』/宮木あや子 ◎

あ~、面白かった!!楽しかった!!この作品は宮木あや子さんのノリテンポ良し系ですねぇ!読みながら色んなツッコミを入れたり、爆笑したり、大変忙しい読書となりましたよ♪主人公・治真は20代後半なので、『CAボーイ』というタイトルにはちょっと「ボーイ・・・???」ってなったんですけど、途中で『校閲ガール』をはじめとする〈校閲ガール〉シリーズと…
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『神様の暇つぶし』/千早茜 〇

物語の終盤に差し掛かって、「わからない・・・理解できない、いや、理解したいのかどうかも分からない」と思ってしまったのです。千早茜さんの描く、焼けつくような情動とそれが一気に去ってしまってもなお、生き続けてしまったうら寂しさに、焦燥と共に突き放されたような気持ちになりました。『神様の暇つぶし』というタイトル、誰が何が〈神様〉で〈暇つぶし〉…
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『Another 2001』/綾辻行人 ◎

図書館でこの『Another 2001』 を受け取った時、正直「ヤバい・・・」と思いました。まず、京極作品張りに分厚くて重い(笑)。そして、前作『Another』及び『Another エピソードS』で語られた、繰り返す理不尽な〈災厄〉や〈死者〉の存在の不気味さを思い出して。これは、心してかからないと、とんでもなく難航する恐れがあるわ・・…
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『完璧じゃない、あたしたち』/王谷晶 〇

たくさんの「あたしたち」の関係を描く、王谷晶さんの『完璧じゃない、あたしたち』。新聞の書評を見て、面白いかなと思ってリスト入り。23もの短編があり、様々な「あたしたち」がいて、理解出来たり出来なかったり。軽い文体で、するすると読み易かったですねぇ。 最初の物語「小桜妙子をどう呼べばいい」は「自分の1人称を選択できない女」の話。実を言う…
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『シーソーモンスター』/伊坂幸太郎 ◎

2021年、最初の読了本は伊坂幸太郎さんの『シーソーモンスター』です。まあ、本当のことを言うと、21年になってから読んだのはほんの十数ページなのですが・・・(年末は忙しい、と言い訳させてください;;)。この作品は、「人と人の対立」というキーワードで、「海族と山族の血筋をひく者同士はぶつかり合う運命にある」という設定を共有させた、『螺旋プ…
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『零號琴』/飛浩隆 ◎

いやあ、壮大というかもうホント、大変でしたわ~。『グラン・ヴァカンス ~廃園の天使Ⅰ~』で私の心をわしづかみにした飛浩隆さんの『零號琴』、SFでファンタジーでしかも世界観説明がないままに物語が始まるもんだから、世界観が朧げに出も見えてくるまでずっと、「???」が私の頭の中をピヨピヨと飛び交っておりました。 とてもとても、未来の話。人類…
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『発現』/阿部智里 △

〈八咫烏〉シリーズの阿部智里さんのシリーズ外の第1作。・・・なんだけど、う~ん、なんだろこれ。私的にはちょっと不完全燃焼だなぁ。母を自死で亡くした兄妹に『発現』した、怖ろしい幻覚。その過程と苦しみを追う平成30年パートと、戦争帰りの兄の自死の謎を追う弟の昭和40年パートが交互に語られていく・・・。 う~ん、これねぇ、澤村伊智さんだった…
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『四畳半タイムマシンブルース』/森見登美彦 ◎

モリミーこと森見登美彦さんの原点ともいえる〈四畳半にわだかまる腐れ大学生〉が遺憾なくその能力?を発揮する物語(笑)。かつてワタクシのトホホ愛を大いにゆすぶってくれた『四畳半神話大系』のメンバーが、突然現れたタイムマシンを利用して、昨晩壊れてしまったエアコンのリモコンを取りに行こうとしたことで始まる、ドタバタコメディー、『四畳半タイムマシ…
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『30センチの冒険』/三崎亜記 ◎

三崎亜記さんのキーワードが多出する作品。寝過ごしたバスの終点で下ろされた図書館司書のユーリは、〈大地の秩序が乱れた世界〉に紛れ込んでしまう。渡来人としてその世界で〈救世主〉として期待された彼が持っていたのは、30センチのものさしであった。彼の『30センチの冒険』は、この世界を救うのか。ユーリは、元の世界に戻ることが出来るのか・・・。 …
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『理由あって冬に出る』/似鳥鶏 〇

『彼女の色に届くまで』 を読んで、似鳥鶏さん面白いなぁ・・・となり、さっそく図書館で予約を入れた本作『理由あって冬に出る』。似鳥さんのデビュー作なんですってねぇ。テンポよく進むライトミステリで、初々しさも感じられる、いい作品でした!! 文化部部員たちが出入りする芸術棟に幽霊が出る、という噂が発生し、それを恐れた部員たちが練習できる場所…
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『ドミノin上海』/恩田陸 ◎

前作『ドミノ』で〈・・・まさにドミノ〉というアタマ悪い感想(笑)を書きましたが、今回は〈いやはやドミノ・・・〉という更にアタマの悪い感想を、まずは捧げたいと思います(笑)。だって恩田陸さん、とんでもない数のエピソードが絡み合い、パタパタと収束していくんですもん、『ドミノin上海』!!映画監督・フィリップのペット・ダリオに訪れたとある運命…
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『夜は終わらない』/星野智幸 〇

「一度入り込んだら抜け出せない 命がけの最期の物語」という紹介をみて興味が湧いて、読みたい本リスト入りしていた本作・『夜は終わらない』。星野智幸さんは初読みです。男から金を巻き上げ、不要となれば容赦なく葬り去る結婚詐欺師・玲緒奈。男たちを消す際には、彼女を魅了するような物語を語らせるのが、玲緒奈のルール。次々と不要になった男を消していく…
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『彼女の色に届くまで』/似鳥鶏 ◎

似鳥鶏さんは、アンソロジーでちょっと読んだことがあるぐらいで、ほぼ初読みな感じの作家さんです。青春アートミステリーという紹介文の爽やかさに惹かれて〈読みたい本リスト〉入りしたこの『彼女の色に届くまで』、爽やかでいいですわ~。 将来はプロの画家になることを思い描いている画商の息子・緑川は高校で、天才的な画力を持った美少女・千坂桜と出会う…
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『私が誰かわかりますか』/谷川直子 〇

ワタクシ、アラフィフ、長男の嫁。自身の両親、夫の両親、ともに今のところ健在。いずれは介護もあるだろうな・・・と思うと、ついつい〈介護もの〉の作品の存在を素通りできなくなってしまってる今日この頃。いやもう、なんかねぇ、読んでて辛かったわ~。谷川直子さんの『私が誰かわかりますか』、切実すぎて・・・。 鳩ノ巣市という地方都市に住む子供世代(…
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『魍魎の匣』/京極夏彦 ◎

例によって、例の如く、凶器レベルに分厚い(笑)。テーブルなどに置かず、手で持ってるだけの状態で通しで読んだら、腱鞘炎になっちゃうんじゃないだろうか。タイトルが『魍魎の匣』なんですが、まさに箱ですよ、この本の形状(笑)。憑き物落としの〈京極堂シリーズ〉シリーズ2作目です。前作『姑獲鳥の夏』の時と同様、凡人でしかない私は息も絶え絶えになりな…
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『ラギッド・ガール ~廃園の天使Ⅱ~』/飛浩隆 ◎

『グラン・ヴァカンス ~廃園の天使Ⅰ~』の第二弾。前作は一つの区界の崩落の1日を絶望をつぶさに描いた長編でしたが、本作は前作の前日譚など外伝的短編集。飛浩隆さん描く、〈数値海岸(コスタ・デル・ヌメロ)〉にまつわる物語、『ラギッド・ガール ~廃園の天使Ⅱ ~』。 多重現実・仮想現実・電子データの活用など様々な技術が非常に発展したリアルの…
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『姑獲鳥の夏』/京極夏彦 ◎

言わずと知れた京極夏彦さんのデビュー作、『姑獲鳥の夏』。これが初めて書いた作品だとか、・・・マジですか、京極さん。とんでもない量の薀蓄、多分野に渡り繰り広げられる博覧強記・・・、前半なかなかそのペースについて行けず、アワアワしながら読んでおりましたよ。しかし後半になって、惹き込まれること惹き込まれること!! 何故今更、〈京極堂〉シリー…
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『平家物語 犬王の巻』/古川日出男 ◎

いやぁ、えらい勢いで読了しちゃいましたよ!とにかく、面白かった!古川日出男さん、異本・異説というのかな、そういうの上手ですねぇ。とても惹き込まれました!〈正本とされる平家物語〉とは別の物語が繰り広げられ、それによって2人の芸術者の運命は広がって行く。『平家物語 犬王の巻』で語られるのは、平家物語の異本物語そのものではなく、それを語るもの…
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『落花狼藉』/朝井まかて ◎

江戸吉原が誕生し、街として発展し、大火に2度会い焼失、そして新吉原への移転。奢侈禁止令など〈お上〉から命じられたことに対しても、ただ従うではなく様々な交渉や抜け道を使い、商売敵である女歌舞伎や風呂屋を排除したり、世情と絡めて夜見世禁止を解かせたり。そういった吉原の歴史を〈吉原創始者であり傾城屋の楼主・甚右衛門の妻・花仍(かよ)〉の視点で…
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『などらきの首』/澤村伊智 ◎

読了した翌朝から、妙に涼しい風が吹いてきて、まるで私がこのホラーを読み終えたことで、〈真夏〉が終わったかのような・・・。いやいや違うし!そんなんじゃないし!!なんか自意識過剰過ぎるでしょ、私!!澤村伊智さんが放つ〈比嘉姉妹〉シリーズの短編集、『などらきの首』。短編集だから、サクサク読めました。サクサク読めたって、怖いものは怖いんですけど…
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『コロナ黙示録』/海堂尊 ◎

え?これ、大丈夫なの?フィクションだけど、現在進行形のコロナ(COVID-19)で小説?現政権批判?海堂尊さんの『コロナ黙示録』、あまりにリアルタイム過ぎて、私が動揺っておかしいけど、めっちゃ動揺しながら読んでたですよ。長く描かれてきた〈桜宮サーガ〉の中に、こういうリアルの事態を取り入れても不自然さも矛盾もないのが、スゴイですよね。現政…
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『嘘と人形』/岩井志麻子 〇

一体、私が読んでいるのは、「誰の物語」なんだろうか。物語の目的は?・・・と、漂流し続けていました、最後の最後まで。岩井志麻子さんの〈豹コスプレ〉がインパクト大の表紙の単行本、『嘘と人形』。 たしかに一時、豹のコスプレしてましたねぇ、岩井さん(今はしてないですよね?たぶん)。昔、『ぼっけえ、きょうてえ』を読んで「なんちゅう怖い土俗怪談物…
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『グラン・ヴァカンス ~廃園の天使Ⅰ~』/飛浩隆 ◎

飛浩隆さんの『グラン・ヴァカンス ~廃園の天使Ⅰ~』 。私の〈読みたい本リスト〉のメモに、「AI達が封じられた、VR世界の崩落の一日」と書いてあって(このメモ書いたのがいつかも思い出せない・・・)、たぶん私は〈ひと〉と〈機械〉の狭間で揺れ動く物語的なものを期待していたと思うのですが、揺れ動くどころか、本書のAI達は確固とした個性や感情や…
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『主婦悦子さんの予期せぬ日々』/久田恵 〇

やっば~い!!身につまされるし、イタイし、イライラするし、・・・すっごい勢いで読んじゃったですよ!専業主婦の悦子さん、定年退職後の嘱託で週数回仕事に行ってる夫、半分ニートな息子、という家族に、親の反対を押し切って結婚したはずの娘が出戻ってきた挙句に悦子さんの母の家に転がり込む。その母と言えば、離婚&早期退職してきた息子(悦子さんの弟)と…
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『不思議の国の少女たち』/ショーニン・マグワイア ◎

その寄宿学校に通う子供たちは、〈異世界に行ったことがある〉。心ならずも、現実世界に帰ってきてしまった彼らのために、現実と折り合うすべを教えるその学校で、連続殺人が起きる。ショーニン・マグワイアさんは、この『不思議の国の少女たち』が日本で初めての紹介となる作家さんなのだそうです。設定が面白く、すいすいと読め、そしてラストにはちょっとしんみ…
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『夢みる葦笛』/上田早夕里 ◎

新聞の書評か何かで、「あ・・なんか私の好みに合いそう」と〈読みたい本リスト〉入りさせていた、上田早夕里さんの短編集・『夢みる葦笛』。想像以上に、私の感傷的な嗜好に寄り添ってきました!!他の作品も読んでみたくなりますねぇ。遠い未来で、並行世界で、はるかかなたの宇宙の先で、〈異なる存在〉と交流し影響を受ける〈ひと〉の物語たち。ファンタジーと…
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『人ノ町』/詠坂雄二 〇

荒廃した世界に点在する町を、一人の旅人が巡る。詠坂雄二さんの『人ノ町』では、彼女のそんな淡々とした旅路が描かれて行きます。 何故、彼女は旅を続けていくのか。どこへ至ろうとしているのか。分からないながらも、それぞれの町で彼女が出会う人・出来事を共に経験していく、読者(私)。世界は、かつて繁栄していたものの、何かの事情があり衰退したようで…
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『機巧のイヴ ~新世界覚醒篇~』/乾緑郎 ◎

いやぁ、スチームパンクっていいですよねぇ!重厚な雰囲気があるのに、登場人物たちの動きは鮮やかな活劇で。乾緑郎さんの『機巧のイヴ ~新世界覚醒篇~』も、とてもカッコよかった・・・!本作の物語は、前作『機巧のイヴ』 から約100年後の新世界大陸(アメリカを模しているらしい)の「万国博覧会」開催を巡って起こる様々な事態の中で、動かざる機巧人形…
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『滅びの園』/恒川光太郎 ◎

ある日突然、地球上空に現れた<未知なるもの>。その中に存在が確認された男・鈴上誠一。恒川光太郎さんの描く、ささやかな理想郷と地上の悪夢、その中を生き続ける人々それぞれの戦いと信念、そして孤独。突然現代に異次元が滑り込んできたという設定で始まる『滅びの園』、展開が気になって、すごい勢いで読みふけりました! 何故、それは突然地…
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