テーマ:物語

『この本を盗む者は』/深緑野分 ◎

ザッツ・マジックリアリズム!!面白かったですよ、深緑野分さん!物語読みな私にとって「平凡な日常が呪いにより〈物語世界〉に変容してくる」なんていうシチュエーションは、大好物でございますとも!!私設蔵書館・御倉館の管理者の娘・深冬に訪れた、『この本を盗む者は』 から始まるブック・カース(本の呪い)の世界。深冬とその相棒・真白の冒険と、御倉館…
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『わたしの本当の子どもたち』/ジョー・ウォルトン ◯ 

あの日のプロポーズの返事が、パトリシアの世界を分岐させた。「yes」と答えたトリシア、「no」と答えたパット、それぞれの人生と世界は、大きく変わっていった。書評で「2つの人生をパラレルに生きた女性の物語」と紹介され、興味を持ったので、読んでみることにしました。著者ジョー・ウォルトンさんは、別作品ですがヒューゴー賞・ネビュラ賞をダブル受賞…
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『パラダイス・ガーデンの喪失』/若竹七海 ◯

多い・・・登場人物が多すぎる・・・。私の残念な記憶力では追いつけないレベルに登場人物が多く、しかもエピソードも最初はバラバラ。冒頭についている人物紹介を見てもなかなか頭に入らなかったので、前半はほんとにもう本文と紹介を行ったり来たりで、ちょっと疲れました(^_^;)。若竹七海さん、初読み作家さんですね。書評で〈パッチワークのようにエピソ…
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『千年図書館』/北山猛邦 ◎

以前、『人外境ロマンス』で、ほのぼのした[人と人外のロマンス]の数々を読んで、ほっこりした北山猛邦さん。本作『千年図書館』では、「ラストにどんでん返しがある」ことが裏表紙で先に暴露されてるにも関わらず、どんなどんでん返しかを想像しながら読む楽しみ、そして驚かされる楽しみがきちんと体験できる、良い短編集でした! 『人外境~』のとき、「北…
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『盤上の夜』/宮内悠介 ◯

囲碁・チェッカー・麻雀・古代チェス・将棋・・・、これらの盤上遊戯それぞれを極めたプレイヤーたちの、極めたが故に見えてくる深淵な世界を描いた、短編集『盤上の夜』 。本作は宮内悠介さんの代表作だということで、以前から気になっていました。ただ、ちょっと、私には難しかった・・・。というのもワタクシ、こういった盤上遊戯が非常に苦手で、唯一なんとか…
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『女の子のことばかり考えていたら、1年が経っていた。』/東山彰良 ◯

東山彰良さん、だいぶ前に『ラブコメの法則』を読んで「ラブコメっていうか、ヘタレな男性が美人親族に振り回される話だよねぇ(笑)」って苦笑してたのを思い出すのですが、今作『女の子のことばかり考えていたら、1年が経っていた』 も、なんともトホホな感じです。ていうか、タイトルがまんまネタバレってどうなの?それでいいの?(笑) 有象無象というネ…
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『感応 グラン=ギニョル』/空木春宵 ◎

書評で見かけて、「これは私の好みどストライクそうだわ!」と思った本書、『感応 グラン=ギニョル』 。空木春宵さんというペンネームも雰囲気があって私好みだったりする~♪、ということでかなり期待を持って読み始めました。いやいや、その期待を全く裏切らない、妖しく美しい退廃的な世界を、十分に堪能させていただきました。5篇それぞれに、素晴らしかっ…
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『落日』/湊かなえ ○

う~ん・・・。湊かなえさんらしい、といえば非常にらしい作品ですよねぇ。「映像脚本絡みのミステリー」という分類が・・・。港さんの得意分野を存分に生かした(映像脚本系なだけでなく、微妙な田舎具合の地方都市が舞台ってとこも)作品だなあと、感じましたね。ところでこの『落日』 って、新人脚本家・甲斐千尋と気鋭の映像監督・長谷部香のダブル主人公って…
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『でえれえ、やっちもねえ』/岩井志麻子 ○

岩井志麻子さんの『ぼっけえ、きょうてえ』を読んで、岡山弁が〈土着の恐怖〉トリガーになるというトラウマを負ったのは、このブログを始める前(10数年前)のことでした。本作『でえれえ、やっちもねえ』 も、岡山弁がじっとり絡みついてくる、人間の恐ろしさが描かれていたように思います。 「穴堀酒」ずっと手紙を送ってくる女、最後に一通だけ、返信が・…
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『八咫烏シリーズ外伝 烏百花 ~白百合の章~』/阿部智里 ◎

たまたま同時に図書館の予約の順番が回ってきて受け取っていたのだけど、とりあえず本編である『追憶の烏』を先に読み、本書『八咫烏シリーズ外伝 烏百花 ~白百合の章~』 を後に読むことにしたんですよね。・・・この順番で読むことにしてよかった・・・!!私自身が、この順番で読むことにして、救われたと思います。阿部智里さんの〈八咫烏世界シリーズ〉の…
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『追憶の烏』/阿部智里 ◎

阿部智里さんの〈八咫烏世界シリーズ〉第2部の2作目。山神のための荘園・山内を治める八咫烏たちの世界で、その世界の衰退が確定されながら、なんとかそれを緩やかなものにできぬか、願わくば回避できぬものかと苦闘を続ける、〈真の金烏〉・奈月彦とその側近・雪哉、またその周囲の人々。彼らの〈世界存続〉への崇高な戦いは、権謀術数渦巻く朝廷内の力関係に飲…
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『ししりばの家』/澤村伊智 ◎

夏のうちに読んでおきたかった・・・(笑)。図書館予約の順番が、予想以上に回ってこなくて、すっかり秋も深まった頃に手元に来たことを、ちょっと残念がりながら読み始めたのですが。・・・ああもう、なんでこう、澤村伊智さんって、理不尽系に怖いんだろうなぁ!!読んでると、どんどん心身が冷えてくる感じがするんですよ、ホントに。本作『ししりばの家』 、…
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『白昼夢の森の少女』/恒川光太郎 ◎

恒川光太郎さんさんがデビュー以来、あちこちで発表してきた短編作品を1冊にまとめた本書、『白昼夢の森の少女』 。幻想的なもの、SF的なもの、ホラー・怪談物・・・、それぞれジャンルが違いながら、恒川さんらしさが奥底にたゆたうような、美しい物語たちでした。 「古入道きたりて」戦地で聞いた、山中の不思議な現象の話。「焼け野原コンティニュー」生…
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『エクソダス症候群』/宮内悠介 ◎

人類の他惑星への移住が始まり、開拓地としてまだまだ不便な状態にある火星。とある事情で地球から故郷である火星の精神病院に転職した精神科医・カズキは、物資(薬や食品)も人手も足りない状況において病棟長を任されるが、病院内・市街地を問わず急激に集団発症するようになった『エクソダス症候群』の対処に追われることになる。宮内悠介さんの描く世界は、非…
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『私に付け足されるもの』/長嶋有 △

う~~む。アラフォー世代の、様々な境遇・立場の女性たちの日常を描いた短編集。長嶋有さんは、初めて読む作家さん・・・だと思います。アンソロジーとかでも読んだことないんじゃないかな。残念ながら本作『私に付け足されるもの』 は、アラフィフ真っただ中の私には、あんまり響かなかったです。年代の問題ではない気がするけど。  たぶん、日常過ぎるんで…
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『アンと愛情』/坂木司 ◎

くぅぅぅぅ・・・!!!見事なまでの、スイーツテロ。予想はしてたけど!それでも、やっぱり、和菓子が食べたくなっちゃうじゃないですか!坂木司さんの罠(笑)に、お約束通りに陥るワタクシなのでした。『和菓子のアン』『アンと青春』に続くシリーズ3作目、『アンと愛情』は、ふくふくほっぺのアンちゃんの一生懸命なお仕事物語。・・・読書中、たまらず草大福…
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『作りかけの明日』/三崎亜記 ◎

今までの三崎亜記さんの作品を、緩やかに美しくまとめて織り上げるかのような作品でした。本作『作りかけの明日』は、三崎さんがかつて描いた『刻まれない明日』で繰り返し語られた「10年前の事件」で何があったのかを記す物語。あの時何故、こんなことが起こったのか。何故、消失した人々はラジオ局にリクエストを送り、図書館分館で本を借りているという記録が…
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『クララとお日さま』/カズオ・イシグロ ◎

カズオ・イシグロさんって、読むのに気力と脳の活用エリアを必要とする作家さんなんですよね、私。難解である、というのとはちょっと違って、なんだろう・・・彼の作品の醸し出す〈郷愁〉に共感を覚えながらも、何かちょっとしたボタンの掛け違いを意識してしまうような・・・。そんなふうに色々と考えてしまって、ノーベル文学賞の受賞第1作である本作『クララと…
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『ピュア』/小野美由紀 ◎

読み始めて早々に、「あ。私こういうストーリー好きだわ」と思いました。超絶文系のくせに、未来のテクノロジーを描くSFやファンタジーが大好きな私。更に本作『ピュア』は、物語の奥底に物悲しい美しさを湛えていて、私の嗜好をいたく刺激したんですよねぇ。小野美由紀さんって初めて読む作家さんですが、他の作品もこんな傾向なのかしら。読んでみたいですね。…
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『コロナと潜水服』/奥田英朗 ◎

ほっこりと優しくて、ちょっとだけホラー(全然怖くないけど)な短編集。ここ最近の暑さでなんだかイライラしてたのが嘘みたいに心がふんわりとして自然と笑顔になってしまうような、素敵な作品でした♪奥田英朗さん、ありがとうございました!!どういう作品かという前情報なしで読み始めたので、『コロナと潜水服』というタイトルに「深刻な話かもしれない・・・…
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『碆霊の如き祀るもの』/三津田信三 ◎

かなり久し振りの三津田信三さんの〈土着民族系ホラーミステリー〉、〈刀城言耶『◎◎の如き●●もの』シリーズ〉ですな・・・って、『幽女の如き怨むもの』を読んだの2012年?!ホントに?!9年を隔てても読みたいシリーズであり、読み始めれば一気にその世界に戻って行けるシリーズです。はぁ・・・堪能しましたわぁ。『碆霊の如き祀るもの』、怖ろしきもの…
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『クジラアタマの王様』/伊坂幸太郎 ◎

『クジラアタマの王様』というタイトルが、実はなかなかに意味深ですよね。〈クジラアタマの王様〉とはハシビロコウの英語名?学名?なんだそうですが、〈王様〉ねぇ・・・なるほどなぁ。伊坂幸太郎さんが描く、夢の世界と現実世界のリンクストーリー。主人公の岸がすごく普通の人なのが、好感が持てましたねぇ。 実は、ハシビロコウは結構好きな鳥類だったので…
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『狂骨の夢』/京極夏彦 〇

いやもう、ホント勘弁してほしいですよ、この凶器レベルの製本(笑)。まあねぇ、京極夏彦さんだから、しょうがないんですけどね。ノベルス版で読んだんで、まだそんなに重くなかったのだけが救いですよ、まったく(笑)。頭蓋骨や生首が頻出し、登場人物たちのトラウマや執念が錯綜する『狂骨の夢』、なんというか・・・正直言って、大変疲労しました。でも、頑張…
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『間宵の母』/歌野晶午 〇

とてつもないどんでん返しで、読者の足元をすくってくる歌野晶午さん。警戒しながら読んでても、最後の最後に「うわぁ、さすが歌野さんだよ」と唸らざるを得ない作品多々。という訳で、本作『間宵の母』も、ガチガチに警戒しながら読み始めましたよ、私。間宵紗江子という不幸に見舞われ続ける女性の関係者たちの視点から、彼女やその周辺の出来事が描かれます。 …
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『痴情小説』/岩井志麻子 〇

岡山の女たちの、汗したたり情もねばつくような、痴情に溺れる13編。とはいえ、『痴情小説』とは、あまりにストレートなタイトルではありませんかね、岩井志麻子さん(笑)。あまりにあまりなタイトル故、家族にはタイトルを見られないように気を付けちゃいましたよ、ワタクシ(^^;)。一応、未成年な次男もおりますもので(笑)。 本書は、岡山弁がもつじ…
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『おまかせハウスの人々』/菅浩江 〇

あらまあ、私的〈いつもの菅浩江さん(〈ひと〉と〈機械〉の狭間で揺れ動く物語)〉とも、先日読んだ『ゆらぎの森のシエラ』ともちょっと違う印象でしたね。本作『おまかせハウスの人々』は、割とライトに「ちょっと未来の日本(?)で機械文化が進んだら」という世界を描いた短編集です。ライトなSFだけど、人の悲哀もしっかり描かれ、ホッとしたりゾッとしたり…
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『婚活中毒』/秋吉理香子 ◎

いやぁ、なんとも読後感の悪い・・・。でも、ここのところかなり読書スピードが落ちてた私がイッキ読み出来てしまったぐらい、グイグイ読ませる短編集でした!秋吉理香子さん、すごい!さすが!!『婚活中毒』というタイトルもなかなかに思わせぶりで、短編それぞれのタイトルもシンプルにして秀逸。じゃあ、話はライトなのかというと、ドロドロありゾッとするもの…
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『輪舞曲(ロンド)』/朝井まかて 〇

大正期に活躍した女優・伊澤蘭奢(いざわらんじゃ)。彼女の遺稿集の編纂に携わった、4人の男たち。朝井まかてさんによる伊澤蘭奢を浮き彫りにする物語、『輪舞曲(ロンド)』ですが、果たして彼女の本当の姿は描き切れたのか。それとも、彼女は真に〈女優〉として生き抜いたがために、〈女優としての伊澤蘭奢〉が浮かび上がってしまったのか。人は多面体である、…
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『メルサスの少年 ~螺旋の街の物語~』/菅浩江 ◎

私の中では、〈ひと〉と〈機械〉の狭間で揺れ動くものたちを描くSFファンタジーが菅浩江さんの最も美しいジャンルだと思っていたのですが、そんな思い込みを打ち破って〈少年少女の迷いと懊悩に満ちつつも、清々しい成長〉を描いた作品でした。いやぁ、素晴らしかった。なんというか、とても胸に迫る作品です。『メルサスの少年 ~螺旋の街の物語~』は、私の好…
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『楽園の烏』/阿部智里 〇

阿部智里さんの〈八咫烏世界シリーズ〉、第2部開始!です。1部で描かれた山内という世界とその危機、2部ではどう展開しているのか?と思っていたら、『楽園の烏』というタイトル。なんだか、意外なネーミングだと感じられました。 タイトルにに微妙な違和感を覚えながら読み始めると、だんだんにその違和感の正体が明らかになって来ます。気まぐれな養父から…
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