テーマ:廻り廻るは悪意か狂気か

『姑獲鳥の夏』/京極夏彦 ◎

言わずと知れた京極夏彦さんのデビュー作、『姑獲鳥の夏』。これが初めて書いた作品だとか、・・・マジですか、京極さん。とんでもない量の薀蓄、多分野に渡り繰り広げられる博覧強記・・・、前半なかなかそのペースについて行けず、アワアワしながら読んでおりましたよ。しかし後半になって、惹き込まれること惹き込まれること!! 何故今更、〈京極堂〉シリー…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

『などらきの首』/澤村伊智 ◎

読了した翌朝から、妙に涼しい風が吹いてきて、まるで私がこのホラーを読み終えたことで、〈真夏〉が終わったかのような・・・。いやいや違うし!そんなんじゃないし!!なんか自意識過剰過ぎるでしょ、私!!澤村伊智さんが放つ〈比嘉姉妹〉シリーズの短編集、『などらきの首』。短編集だから、サクサク読めました。サクサク読めたって、怖いものは怖いんですけど…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

『わざと忌み家を建てて棲む』/三津田信三 ◎

本作『わざと忌み家を建てて棲む』は、『どこの家にも怖いものはいる』の続編で、作家・三津田信三氏と怪異譚愛好家の編集者・三間坂氏がとある怪異を読み調べるうちに、身の回りに怖ろしい怪異が迫ってくる・・・という展開は同様ですが、まあ、相変わらず油断が出来ません。三津田信三さんの当時(?)の著作の状況や、『どこの~』の反響についてなどがさりげな…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

『死国』/坂東眞砂子 ◎

いやもう何というか、坂東眞砂子さんだわ・・・。四国という隔絶した土地柄の、遍路とはまた別の土俗信仰を描いた、非常にゾワゾワする作品でした。だいたいね、『死国』ってタイトル、どうなの?!四国=死国、ってのがしっくりきすぎてて、怖いんですよ・・・。少女期の3年半高知に住んでて、3年半だけにもかかわらず多分私の根幹を作ってしまった、あの土地の…
トラックバック:0
コメント:2

続きを読むread more

『ずうのめ人形』/澤村伊智 ◎

2年半前、『ぼぎわんが、来る』で私を恐怖のどん底にたたき落としてくれた澤村伊智さん。本作『ずうのめ人形』も、最初はグロくはあるものの普通のホラーに見えていたのが、途中からとんでもない展開に。「ホラー読むなら、夏だよな」と思って意気揚々と図書館から借りて来たんですが、背筋凍りましたわ~。 オカルト雑誌編集部でバイトをしている青年・藤間は…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

『ヴィオレッタの尖骨』/宮木あや子 ◎

余すところなく、宮木あや子さんのR-18系というか、ダークサイド系ですねぇ。でも、歪んでるって、言ってしまっていいの?何をもって、歪んでいる、いないを判断する?小市民を自認する私だけど、私の身の回りにある〈普通〉が、本当に〈普通〉?そんな疑いにじわじわと侵食される感覚と、甘く爛れた香りが充満してくる、『ヴィオレッタの尖骨』。読んでいる最…
トラックバック:0
コメント:2

続きを読むread more

『ディレクターズ・カット』/歌野晶午 ◎

う~わ~。後味悪~い。さすが歌野晶午さんだよなぁ(^^;)。まさに、『ディレクターズ・カット』。肥大化する自己顕示欲(承認欲求)、捩くれ暴走する「脚色された事実」、救いのないラスト。しかも、実際ありそうなディティールの連続で、読んでいてゾワゾワしました。 知り合いの若者たちを使ってやらせ動画を作成していた製作会社のディレクター・長谷見…
トラックバック:1
コメント:2

続きを読むread more

『女たち三百人の裏切りの書』/古川日出男 〇

世に流布している『源氏物語』の「宇治十帖」は贋物であるとして、没して百余年の紫式部の亡霊が立ち現れる。「ほんものを語ろうぞ、物語として書にし、世に広めよ」と宣言して・・・。古川日出男さんが描き始めた〈本物の「宇治十帖」〉は、亡霊の語る物語の域を超え、夢と現と虚と実を増幅させながら、時代をの趨勢を飲み込んでいく。『女たち三百人の裏切りの書…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

『鬼女の都』/菅浩江 〇

・・・京都の怖さを思い知る、・・・いや、私、知ってた。更に思い知らされた・・・って感じでしょうか。菅浩江さんって、京都在住だったんですね。なんていうか、京都ってやっぱり、私みたいな単細胞には向いてないなぁと、痛感いたしました。京都を舞台にした歴史ロマン小説で人気の同人作家・藤原花奈女の自死から始まる『鬼女の都』は、京都という〈街〉が引き…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

『玩具修理者』/小林泰三 △

以前小林泰三さんの『ドロシイ殺し』を読んだ時、ラストで「私は手児奈」と囁いて去って行った人物がいました。「手児奈」って言ったら「真間の手児奈」だよね?とうとうビル(井森くん)ったら、日本の伝承物語の世界にも迷い込んじゃうわけ?と思ってたら、別作品に「手児奈」が登場するという情報が。その登場作品が、本作『玩具修理者』に入っている「酔歩する…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

『水没ピアノ ~鏡創士がひきもどす犯罪~』/佐藤友哉 〇

偉業で異能な鏡家兄弟を描く、佐藤友哉さんの〈鏡家サーガ〉シリーズ第3弾、『水没ピアノ ~鏡創士がひきもどす犯罪~』。とはいえ、本作では鏡家から出演しているのは、次男・創士のみ。しかも、主人公は別の人物。とはいえ、サブタイトルに名前が入ってくる以上、創士も重要な役目を果たすわけですが・・・。 相変わらず〈暴力と偏狂〉に満ちている、〈鏡家…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

『絶対正義』/秋吉理香子 ◎

評価は◎ですけどぉ~~~。 でも、読後感は、最悪ですよ・・・秋𠮷理香子さん・・・。 前評判は思いっきり聞いてたんで、覚悟してたんですけど、設定から展開から、もうイヤミス感全開で。 ・・・この読後感の酷さは、正直久しぶりです。だけど、グイグイ読まされてしまう。怖ろしい。 『絶対正義』を標榜する範子、範子に助けられた…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

『ウインドアイ』/ブライアン・エブソン △

海外作品って、どうしてこんなに難しいんだろう…。私が無教養だから?それとも苦手意識から構えてしまってるのかしら・・・(^^;)。書評で興味を持ったはずのブライアン・エブソンさんの『ウインドアイ』、全然響かなかった…。 ごくごく短い物語が25もあったのだけど、読んでて眠くなってしまうぐらい、迂遠というか入り込めないというか・・・。時折、…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

『臣女』/吉村萬壱 〇

いやあ・・・、感想、とっても難しいんですけど。 巨大化しつつある妻の介護をしつつ、結局悪循環の末に逃亡・・・なんて物語、予想通り過ぎるのに、それでもグイグイ読まされちゃったんですもん。 吉村萬壱さんという方は、初めて読みました。って、芥川賞とった作家さんなんですね!失礼いたしました・・・。 巨大化する妻を「巨女」と書こうとして『臣…
トラックバック:0
コメント:2

続きを読むread more

『おはなしして子ちゃん』/藤野可織 〇

藤野可織さんを初めて読んだのが、なんと4年前。そんなに経ってたか。 いやあ、未だにあのインパクトは忘れられません(コンタクトの描写とかね)。そして本作『おはなしして子ちゃん』もまた、なかなかに印象的です。 割と私の好きな〈悪夢の中をぐるぐる回って、果てしなく堕ちていくような不穏さ〉が満載です。 幼児のたわごとのような、ふわふわ…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

『BUTTER』/柚木麻子 〇

連続婚活殺人の容疑者として獄中にある梶井真奈子を取材するため、あの手この手で面会を取り付けようとしている、主人公・町田里佳。 「料理」という切り口を親友・伶子から勧められ実行したところ、梶井は「事件のことは話さないが、料理の話はする」と面会の場に現れる。 梶井との面会を繰り返すうちに、里佳とその関係者たちは、変容していく・・・・。 …
トラックバック:0
コメント:2

続きを読むread more

『エナメルを塗った魂の比重 ~鏡稜子と着せ替え密室~』/佐藤友哉 〇

佐藤友哉さんの〈鏡家サーガ〉シリーズ第2作、『エナメルを塗った魂の比重 ~鏡稜子と着せ替え密室~』。偉業で異能な鏡家兄弟の中でも、エキセントリックさで群を抜いている次女・稜子が事態の周辺に出入りする物語。そう、稜子が主人公じゃないってところが、すごいですよね~。だけど、稜子の存在感がとんでもないってことがよくわかる作品です。そして、鏡家…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

『お引っ越し』/真梨幸子 〇

真梨幸子さんらしいよなぁ(笑)。『お引っ越し』に関する、厭ぁ~な短編がいくつか並び、ちょっと登場人物や場所がリンクしてるなって気づいた辺りから、「あ・・・これはアカンやつ・・・」ってなり、帯通りの〈サイコミステリ〉がグイグイと迫ってくるわけですよ。はい。イヤミスの女王って称号、私の中でどの作家さんにするか微妙なところではあるんですけど、…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

『チェーン・ピープル』/三崎亜記 〇

短編集だからって、気を抜いてちゃダメなんですよね、三崎亜記さんの作品は(^^;)。ホント、世界観の設定ノートが見たいわ~。どうなってるんだろう。大きく理不尽なことは描かれていないのに、『チェーン・ピープル』のそれぞれの物語があるのは、やっぱり〈何かがズレている〉世界。ゾワゾワするわぁ~。 「正義の味方‐塗り替えられた「像」‐」塗り替え…
トラックバック:0
コメント:2

続きを読むread more

『ご用命とあらば、ゆりかごからお墓まで』/真梨幸子 〇

百貨店の外商。外商部の顧客のためには、ありとあらゆる手段を使い、商品だけではなく様々なサービスも用意する、やり手のセールスマン(ウーマン)。 老舗の百貨店〈万両百貨店〉の外商部の面々が、顧客のために奔走し、顧客の望みを完遂する『ご用命とあらば、ゆりかごからお墓まで』。とあらば、 ちなみにサブタイトルは~万両百貨店外商部奇譚~。や…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

『鳥の巣』/シャーリー・ジャクスン 〇

新聞の書評が目に入り、『ずっとお城で暮らしてる』の狂気の奔流の印象を思い出してまた読んでみようかなという気になった、シャーリー・ジャクスンさんの多重人格ストーリー。マザーグースやわらべ歌、なぞなぞ歌などがそこかしこに不穏に引用される『鳥の巣』で描かれた、息詰まるような展開、そして不明瞭な終結。落ち着かないことこの上ない!!・・・のに、妙…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

『深泥丘奇談・続々』/綾辻行人 ◎

綾辻行人さんの描く、もう一つの京都に存在する深泥丘。そこに暮らしている作家の「私」の曖昧になる記憶、言いようのない違和感。〈なにか、怖ろしくおぞましい経験をした――ような気がする。〉『深泥丘奇談・続々』でもまた、「私」は霞がかる記憶に頓着せず、致し方ないと放置。・・・、いや、それ一番やっちゃダメな気がするんですけど・・・。さあ目の前に、…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

『虚談』/京極夏彦 〇

おやまあ・・・。京極夏彦さん、とうとう〈投げっぱなしホラー〉からすら、脱却しちゃいましたね。怖いか怖くないかで問えば、本書『虚談』は、あんまり怖くない。淡々と〈妙な〉話が語られ、居心地の悪い思いをしてたら、最後の最後に「全部嘘」とか「多分嘘」と言い放って終わり。どこからどこまでが本当で、どこからが嘘なのか。というより、〈本当にあったこと…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

『暗黒グリム童話集』/村田喜代子・長野まゆみ・松浦寿輝・多和田葉子・千早茜・穂村弘 〇

6つのグリム童話を、大人のためにさらに暗黒方向に翻案させたアンソロジー。6人の著者も6人の挿絵画家も、とても豪華でした。『暗黒グリム童話集』というストレートなタイトル、真っ黒な表紙の地に描かれる各ストーリーのモチーフ、ちょっと大きめの版型、本の装丁そのものもなかなか魅力的でした。 「手なし娘協会」村田喜代子・文×酒井駒子・絵世界各地の…
トラックバック:0
コメント:2

続きを読むread more

『メビウス・ファクトリー』/三崎亜記 〇

とても重要な製品「P1」を作っているという、ME創研という会社の工場がある町。町は完全な企業城下町として繁栄し、町の人々は町に工場に誇りをもって生活している。三崎亜記さんの今回の作品は、ちょっと毛色が違うと思ってました。でも読み終えてら、もしかして・・・?という気がしてきました。『メビウス・ファクトリー』、巡り廻るのは何だったのかを考え…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

『人生相談。』/真梨幸子 〇

新聞の人生相談に寄せられた相談とそれに似通ったシチュエーションの物語、そして新聞での回答。そういう連作短編集の『人生相談。』。作者はイヤミスで有名な真梨幸子さん・・・本作も、うわぁ・・・って感じがてんこ盛りでした(笑)。 ただねぇ・・・。水無月・R、頭悪いんですよね。連作短編、あちこちリンクしてて、しかも時系列もばらばら、登場人物の名…
トラックバック:1
コメント:2

続きを読むread more

『ポイズンドーター・ホーリーマザー』/湊かなえ ◎

うわぁ・・・湊かなえさんらしい短編集だわぁ。 湊さんの作品の何が怖いって、〈肥大化する被害者意識〉と〈廻り廻る悪意の悪循環〉が凄くリアルなんですよ。 なにか一歩間違ったら、自分もそちら側に簡単に行ってしまう可能性が、垣間見えてしまう。 私の中にある、悪意・嫉み・優越感・ひがむ心、それらをまざまざと意識させられました。 『ポイズン…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

『5人のジュンコ』/真梨幸子 〇

う~わ~。ひっでぇ・・・。イヤミスだっていう前情報があったにもかかわらず、ここまでとは思わず、ひたすら「うわぁ・・・」「ひっでぇ・・・」「気ィ悪いわ~」と呟きながら読む羽目になってしまいました。だけど、あまりに酷いので、どうなっちゃうのか気になって気になって、かなりグイグイ読まされました。真梨幸子さん、いろんな意味でヒドイですよ・・・!…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

『どこの家にも怖いものはいる』/三津田信三 ◎

ううう・・・この本、台風の夜に読んじゃダメなやつだった・・・。怖がりながら夢中で読んでて、終章半ばにしてはたと気付いて、慌てて本を閉じました。久し振りの三津田信三さん、今まで読んでた〈◎◎の如き●●もの〉シリーズとは違うものの、やっぱり怖かったですよ・・・。『どこの家にも怖いものはいる』というシンプルでストレートなタイトル、表紙絵の少女…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

『Dの殺人事件、まことに恐ろしきは』/歌野晶午 〇

大どんでん返しはないものの、つらつらと読んでると足元をがっさりと掬われ、転倒を余儀なくされますな・・・。やっぱり歌野晶午さんは、気が抜けないねぇ(^^;)。『Dの殺人事件、まことに恐ろしきは』は、江戸川乱歩作品を、現代のスマホやSNSやVRなどの技術を組み込んで翻案した物語たちです。原案作?である乱歩作品を読んでいないものも、いくつかあ…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more