『三千円の使いかた』/原田ひ香 〇 人によって、三千円の価値はそれぞれ。御厨(みくりや)家の祖母・琴子、母・智子、長女(既婚)・真帆、次女(独身)・美帆、それぞれにとっての〈お金とは〉を緩やかに描く原田ひ香さんの『三千円の使いかた』、それぞれ違う彼女たちの事情、考え方、その考え方の変わって行く様子、興味深かったです。 アラフィフで主婦の智子の章が、一番刺さったかな~。離… トラックバック:0 コメント:2 2021年03月24日 続きを読むread more
『姑の遺品整理は、迷惑です』/垣谷美雨 〇 ううう、身につまされすぎて、胃が痛いです、垣谷美雨さん(笑)。いや、まだ現実には両親・義両親ともに健在ですが、いずれはたぶん・・・、我が身です。『姑の遺品整理は、迷惑です』 は、急死した姑の住んでいた団地の3DKを引き払うために、その遺品整理をしなくてはならなくなってしまった望登子の奮闘物語。 最初の頃は、ひたすらため込み気質の姑を恨… トラックバック:0 コメント:2 2021年03月08日 続きを読むread more
『ババア上等! 大人のおしゃれDO!&DON'T!』/地曳いく子×槇村さとる ◎ 『ババア上等! 大人のおしゃれDO!&DON'T!』というタイトルと、表紙の凛としてカッコいい女性のイラストが目を引く本作。スタイリストである地曳いく子さんとスタイリッシュな女性を描かせたらピカイチの漫画家である槇村さとるさんがタッグを組んで、「おしゃれ更年期」でおしゃれ迷子になっている女性たちに、手を差し伸べてくれました!「おしゃれ」… トラックバック:0 コメント:0 2021年01月28日 続きを読むread more
『完璧じゃない、あたしたち』/王谷晶 〇 たくさんの「あたしたち」の関係を描く、王谷晶さんの『完璧じゃない、あたしたち』。新聞の書評を見て、面白いかなと思ってリスト入り。23もの短編があり、様々な「あたしたち」がいて、理解出来たり出来なかったり。軽い文体で、するすると読み易かったですねぇ。 最初の物語「小桜妙子をどう呼べばいい」は「自分の1人称を選択できない女」の話。実を言う… トラックバック:0 コメント:0 2021年01月11日 続きを読むread more
『主婦悦子さんの予期せぬ日々』/久田恵 〇 やっば~い!!身につまされるし、イタイし、イライラするし、・・・すっごい勢いで読んじゃったですよ!専業主婦の悦子さん、定年退職後の嘱託で週数回仕事に行ってる夫、半分ニートな息子、という家族に、親の反対を押し切って結婚したはずの娘が出戻ってきた挙句に悦子さんの母の家に転がり込む。その母と言えば、離婚&早期退職してきた息子(悦子さんの弟)と… トラックバック:0 コメント:0 2020年07月29日 続きを読むread more
『定年オヤジ改造計画』/垣谷美雨 〇 男尊女卑甚だしい男が定年退職後、嘱託の仕事もなくなり家のことも一切せず、一日中家にいる。う~わ~、ちょっと想像しただけで、気が狂いそうになりますな。そりゃ、奥さんも夫源病になるわ~(-_-;)。垣谷美雨さんの『定年オヤジ改造計画』は、読んでてむかっ腹立ちまくりで、いやあ、疲れた疲れた(笑)。あ、読む方はサクサクと進みましたよ。このオヤジ… トラックバック:0 コメント:2 2020年06月07日 続きを読むread more
『あなたのゼイ肉、落とします』/垣谷美雨 〇 垣谷美雨さんの『あなたのゼイ肉、落とします』・・・。タイトルが、スゴイですよね・・・。リアル本屋さんで買うのに、ちょっとためらうような、開き直っちゃいそうな(笑)。『あなたの人生、片づけます』の大庭十萬里の妹、小萬里が「ダイエット指南」をするという物語なんですが、いわゆるダイエットのハウツー本ではありません。『あなたの人生~』の「心に抱… トラックバック:0 コメント:0 2020年04月28日 続きを読むread more
『妻のトリセツ』/黒川伊保子 〇(実用書) 黒川伊保子さんの『妻のトリセツ』。新聞の書籍広告か何かで、このタイトルを初めて見た時は、「なんて失礼なタイトルだ!しかも女の人が著者ですって~?!」と、内容を知らないくせにむかっ腹を立てたのですが、のちに『夫のトリセツ』が出た時は「私の夫源病発症を防ぐことが出来るかも・・・!」という期待でいっぱいになって購入に走ったのでした(←ご都合主… トラックバック:0 コメント:0 2020年04月27日 続きを読むread more
『あなたの人生、片づけます』/垣谷美雨 〇 垣谷美雨さんの『あなたの人生、片づけます』。〈片付け屋〉として人気で、TVに出たり本を出したりしてる大庭十萬里。見た目は、ぽっちゃり気味のフツーのオバサン。片付け度・重症な人々の家を訪問して、片付け指南をしていくうちに、その人たちの心のゴタゴタも解きほぐして、片付ける方法に気付かせていく。お家スッキリ、心もスッキリ、大事ですよねぇ。 … トラックバック:0 コメント:0 2020年04月18日 続きを読むread more
『夫の墓には入りません』/垣谷美雨 〇 以前、『老後の資金がありません』を超絶切実でいずれ我が身かも・・・とビクつきながらも読んだワタクシですが、本作『夫の墓には入りません』も、タイトルからしてもう非常に〈攻めてる〉ですよ、垣谷美雨さん・・・。これ、嫁の立場と姑の立場で、読み方や感想が全然違ってきそうですね・・・。もちろん私は嫁の立場です。そして、読んでるうちにどんどん背筋が… トラックバック:0 コメント:0 2019年12月15日 続きを読むread more
『夫のトリセツ』/黒川伊保子 〇(実用書) 『妻のトリセツ』で一世を風靡した、黒川伊保子さん。当初は予定がなかったのだけど、読者の要望が強く、満を持して出版されたのが本書『夫のトリセツ』。黒川さんは人工知能研究者で、「男女の脳の働き方は真逆である」「女性脳は繁殖のために遺伝子の多様性性を求める」と謳っていて、それに基づくと「妻から見て〈夫はひどい〉というのは濡れ衣なんだけど、自分… トラックバック:0 コメント:2 2019年12月08日 続きを読むread more
『ことことこーこ』/阿川佐和子 〇 離婚して実家に出戻って来たフードコーディネーターの香子と、認知症の症状が出始めた母・琴子。2人の名前を合わせたのが、この作品のタイトル『ことことこーこ』なんだけど、香子のフードコーディネーターという職業柄、料理を煮込んでいる音のようにも感じられます。こっくりとよく味が染みた、美味しいお料理のイメージが浮かびますねぇ。阿川佐和子さん、お腹… トラックバック:0 コメント:0 2019年01月20日 続きを読むread more
『負けるもんか ~正義のセ~』/阿川佐和子 〇 シリーズ当初「融通キカンチン」と称され、猪突猛進新人検事だった凛々子も6年目を迎え、尼崎支部の筆頭検事として、忙しい日々を送っている。 阿川佐和子さんの〈正義のセ〉シリーズ4冊目です。 『負けるもんか ~正義のセ~』、本作では凛々子の検事としてというか人間的な部分での成長が、鮮やかに描かれていました。 甲子園球場近くの官舎に住… トラックバック:0 コメント:0 2018年12月15日 続きを読むread more
『ずぼらな青木さんの冷えとり毎日』/青木美詠子 〇 私、かなりの冷え性でございます。 冬は、靴下なくして眠れない、基本衣類はタートルネック、タイツと靴下とズボンの重ね履きがデフォルト、夏だって、スーパーの食品売り場に行くなら長袖カーディガンが手放せない(棚からの冷気に負ける)。 そんな私が『ずぼらな青木さんの冷えとり毎日』というタイトルを発見したら、読むしかないですよ、ハイ。 ずぼ… トラックバック:0 コメント:0 2018年11月19日 続きを読むread more
『老後の資金がありません』/垣谷美雨 ◎ けっこうなスピードで読めました。面白かった&興味深く切実でした!!私も、主人公の篤子さんと同じく小心者なので、共感する部分が多かったですね(笑)。いずれ我が身かもしれない展開、参考になるネタもたくさんありました。垣谷美雨さん、初読みなんですけど、他の作品も読んでみたくなりました。ギョッとしつつも「これは読みたい」というタイトルの… トラックバック:0 コメント:4 2018年08月27日 続きを読むread more
『我ら荒野の七重奏』/加納朋子 〇 『七人の敵がいる』の続編。 陽子、相変わらずブルードーザー過ぎますよ・・・。読んでてヒヤヒヤするわ~。 ホントにもう、加納朋子さん、心臓に悪いですよ、この作品・・・。 中学生になった息子が入った「吹奏楽部」、その親の会での陽子の奮闘を描いた『我ら荒野の七重奏』は・・・いやいやホント、大変でした。読んでて頭抱えたくなった瞬間、何度も… トラックバック:1 コメント:2 2018年05月10日 続きを読むread more
『枝付き干し葡萄とワイングラス』/椰月美智子 〇 夫婦の日常の機微を描いた、短編集。夫婦関係の破綻を描いたものもあるというのに、何故か淡々と進む物語に「結婚ってこんな感じよね…」と、ちょっと諦念を感じてしまいました。あっさりとした文体で描かれる『枝付き干し葡萄とワイングラス』、するすると読みながらもちょっと身につまされることもあり、椰月美智子さんという作家さんの怖さを見た気がします。 … トラックバック:0 コメント:0 2018年04月08日 続きを読むread more
『読書で離婚を考えた』(エッセイ)/円城塔・田辺青蛙 〇 伊藤計劃さんの構想を引き継いで『屍者の帝国』を書き上げた作家さんであり、『日本文学全集11』で雨月物語を現代訳していた円城塔さんとその妻の田辺青蛙さんのリレー書評エッセイ、『読書で離婚を考えた』です。いやはや、過激なタイトルですよ。いつ、そういう話になってしまうのか、回避は出来るのか、ハラハラしながら読んじゃいましたよ(笑)。 円城塔… トラックバック:0 コメント:0 2017年12月10日 続きを読むread more
『ついに、来た?』/群ようこ 〇 これは・・・、ちょっと切ないわぁ。そろそろ、親がそういうお年頃なので、「介護する側」として読むと、大変切実で・・・。群ようこさんの描く「親の老い」についての8編。『ついに、来た?』ってタイトルも、ホントに切実です。あ、でも、内容はそんなに悲壮なものではなく、くすっと笑えるようなこともあったりするので、読みやすいです。 親はいつまでも丈… トラックバック:0 コメント:0 2017年11月08日 続きを読むread more
『迷える四姉妹』/中居真麻 〇 とある『迷える四姉妹』それぞれの日常を描く、短編集。まあ、どちらかというと〈迷える〉ではなく〈迷走する〉な気がします(笑)。四姉妹それぞれが、微妙に上手くいってない感が、大変、迷走している。中居真麻さん、実は名前も知らない作家さんでした。しかし・・・あの迷走ぶりの描き方は、なかなかです(笑)。 ニートの四女・葵、男をとっかえひっかえア… トラックバック:1 コメント:2 2017年03月05日 続きを読むread more
『京大芸人式日本史』/菅広文 ◎ ~~日本史は物語のように読めば絶対に忘れない ―― ロザン 宇治原史規~~(帯より引用) この宇治原さんの勉強法を、〈菅さんがタイムマシンに乗って日本の歴史上のいろんな時・場所を訪れてインタビューする〉という物語?にした『京大芸人式日本史』。『京大芸人』に引き続き、菅広文さんの宇治原愛が炸裂しています(笑)。 物語?は、菅さんが… トラックバック:0 コメント:0 2017年01月10日 続きを読むread more
『ワーカーズ・ダイジェスト』/津村記久子 ○ うわ~、なんだろう、このあるある感…。正社員・派遣社員時代を思い出しました。津村記久子さんのお仕事小説って、なんでこんなに刺さるんだろうねぇ(^_^;)。事務系で会社勤めしてたの、もうずいぶん昔の話なんですけどねぇ。『ワーカーズ・ダイジェスト』。すっごく、そういう感じ。働く人たちの日常は、こんな風。胸がざわつく感じがするけど、でも何故か… トラックバック:2 コメント:2 2016年03月08日 続きを読むread more
『正義のセ 3』/阿川佐和子 ◎ 前作『正義のセ 2』が、「うわぁ!なんでここで終わる?!」ってところで終わったので、入手した途端がつがつ読みはじめちゃいましたよ、阿川佐和子さん~。 本作『正義のセ 3』は、主人公・凜々子の大ピンチはどうなるの?ってところから、物語が始まります。 しかし…凜々子さん、アナタ酷過ぎる(笑)。 一途に「僕は凜々子ちゃんの味方だから… トラックバック:0 コメント:0 2014年05月14日 続きを読むread more
『正義のセ 2』/阿川佐和子 ○ 前作『正義のセ』ではまだ新人検事だった主人公・竹村凜々子も5年目を迎え、それなりに経験も積んできたのだが、本作『正義のセ 2』では、とんでもない大ピンチに見舞われることになる。 阿川佐和子さんが描く、生真面目すぎる女性検事の物語、「えぇぇ!なんでここで~!」ってところで終わっちゃうという(笑)。これは『正義のセ 3』を読むしかないじゃ… トラックバック:0 コメント:0 2014年01月22日 続きを読むread more
『正義のセ』/阿川佐和子 ○ 融通の利かない、生真面目な女性検事・竹村凜々子。 彼女の悪戦苦闘を描いた『正義のセ』。名エッセイスト・インタビュアーな阿川佐和子さん、私この人の作品好きなのよね、と思ったんだけどブログ始めてから阿川さんの作品てアンソロジーでしか読んでないわ(^_^;)。 エッセイも面白いし、TVの発言も好感が持てるし(さっくりと毒を含んでたりするん… トラックバック:0 コメント:0 2013年12月29日 続きを読むread more
『閉経記』/伊藤比呂美 ◎ (エッセイ) 伊藤比呂美さんは、詩人である。 だけど、水無月・Rにとっては〈肩の荷の降ろせる子育てエッセイスト〉なのだ。 長男妊娠時代から次男幼児期まで、伊藤さんの子育てエッセイにどれだけ助けられたことだろう。 妊婦&赤ちゃん&子育て雑誌からの情報過多で頭でっかちになり、パンパンに腫れ上がった育児への気負いを、「いい塩梅」「良い加減」という言葉… トラックバック:1 コメント:2 2013年06月26日 続きを読むread more
『それを愛とまちがえるから』/井上荒野 ○ う~わ~(笑)。色んな意味で、イタい物語だわ~。『それを愛とまちがえるから』ってタイトル・・・うん、主要登場人物みんな、間違えてますよね~、はい。だけどじゃあ、間違えてなくて、正しくこれが〈愛〉なのだ!というものは…あるのかしらん(笑)。井上荒野さんの作品って「なんかズレてる不倫もの」っていうイメージがあるんですけど、まさにそんな感じ。… トラックバック:0 コメント:0 2013年04月17日 続きを読むread more
『婚外恋愛に似たもの』/宮木あや子 ◎ ・・・わぁぁぁぁぁ!!!う、あううう、うくく・・・。ちょっと宮木あや子さんたらッ、思いっきり笑っちゃったじゃないのよもう!んもう~、宮木さん、好きだわぁ。なんかもう、ずっと笑ってた気がしますわ~。実を言うとね、『婚外恋愛に似たもの』というタイトルから、不穏系なのかなって勝手に思ってたんですよ。いい意味で、裏切られたわ~。でもアレか~、そ… トラックバック:4 コメント:10 2013年03月27日 続きを読むread more
『この世でいちばん大事な「カネ」の話』/西原理恵子 ◎ 西原理恵子さんは、高知出身女流作家ということで、水無月・R的〈はちきん作家さん〉認定されておりまする。〔恒例すぎてしつこい解説:「はちきん」とは、男勝りでサッパリとした気性の、芯がシッカリしている女性をさす、土佐弁です。〕そんな西原さんが、自らの半生をたどりながら描く『この世でいちばん大事な「カネ」の話』。貧困が、いかにして貧困を呼ぶか… トラックバック:0 コメント:0 2011年08月26日 続きを読むread more
『七人の敵がいる』/加納朋子 ◎ うわぁ・・・。冒頭っから、すんごく、身につまされるんですが あの沈黙は、辛いんだよねぇ・・・沈黙の重さに負けて厄介事を引き受けてしまったこと、ありますもん。 PTA役員ね、やったことあるんですよ。すんごいめんどくさかった・・・。非常に旧弊なシステムで、もう勘弁してぇ!もっとシステマティックに、合理的にやろうよ… トラックバック:2 コメント:4 2010年11月06日 続きを読むread more