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zoom RSS 『酔郷譚』/倉橋由美子 ○

<<   作成日時 : 2008/12/28 21:58   >>

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2005年に永眠された、倉橋由美子さんの遺作、『酔郷譚』
倉橋さんの「桂子さんの物語」シリーズですねぇ。人間の女性とも、妖怪変化とも知れぬ桂子さんの紡ぎだす幽境の物語は、過去に楽しませて頂きましたが、今作の主人公は桂子さんではなく、桂子さんの結婚相手の入江さんの孫、慧君です。

慧君が、鬼の眷族とも思われるバーテンダー・九鬼さんに提供される魔酒を呑むと、不思議な世界への旅が始まる。中国神話のような、古代ギリシャの世界のような、神秘的な場所で、あえやかな体験と素晴らしいお酒を堪能をした慧君は、眠りから目覚めると、現世に戻って来ている。
そんな不思議な旅のさなか、九鬼さんとはぐれ、そのうちに真紀さんという女性バーテンダーと知り合い、歓を尽くすような関係になる。真紀さんも九鬼さんと同様、妖魔の眷族のようである。
慧君は、祖父・入江さんやそのパートナー・桂子さん、従妹の舞さん、魔境の登場人物たち、様々な人(あるいは妖魔)とお酒に関して色々な体験をしてゆく。

とまあ、こういう連作短編なのですね。
初出は「サントリークォータリー」とありますから、多分酒類製造の会社・サントリーの出してる小冊子なのかしらん。なのでとにかく、良い「酔い」の物語なのですね。非常にサラサラと読めてしまう。慧君が遊ぶ、酒に酔って漂う桃源郷は、慧君に都合がよく心地よいもので、ああ・・・こういう酒の酔い方が出来るなら、上手な酒飲みだなぁ、と思うけれど、なんだか印象が薄い気がする。
幻想的ではあるけれど、ちょっと主人公に甘い感じ?
そのあたりでちょっと納得がいかないというか、もうちょっとひねってほしかったなぁ・・・と思います。

ちなみに。
倉橋由美子さんといえば、私的には「高知出身女流作家」のパイオニアです。
倉橋さんの作品に一時期非常に入れ込んでて(高校生時代)、作品中に高知の話が出てきて、気になって調べたら高知出身と分かって。ますます読むようになりましたね(既に別の土地に住んでたのですが、やっぱり高知は気になる土地だったのです)。
その後、西原さん(漫画家)の作品が面白い!と思ったら高知大丸の話が出てきて、「あ、この人も高知出身!」となり、ますます応援体制。このあたりで「私は高知出身女流作家が好きだ〜!」てな感じになって来まして。
そして、トドメが有川浩さんですね(笑)。ていうか、有川作品のとっかかりは「高知県知事も絶賛」「高知沖上空で何が起こったか?!」てな、宣伝文句に踊らされ、読んでみたらばまあ!・・・あとはこのザマですよ(^_^;)。
ある意味、有川さんにたどり着くには「自分の好きな女流作家の倉橋さんが高知出身」というルートがなかったら、到達できなかった、あるいは相当遠回りになっていた、と思われます。
以上、蛇足ながら。

(2008.12.27 読了)
酔郷譚
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著者:倉橋由美子出版社:河出書房新社サイズ:単行本ページ数:155p発行年月:2008年07月この著


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