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zoom RSS 『晩夏に捧ぐ』〜成風堂書店事件メモ(出張編)〜/大崎梢 ○

<<   作成日時 : 2010/02/08 00:40   >>

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〜〜本屋の謎は本屋が解かなきゃ。〜〜 (本文より引用)
こんなコンセプトの物語、本好きにはたまりませんよね〜!
ってなわけで、大崎梢さんの『配達あかずきん』に続く、〈成風堂書店事件メモ〉シリーズの第2弾・『晩夏に捧ぐ』〜成風堂書店事件メモ(出張編)〜です。
今回は、とある老舗書店に現れる幽霊の謎を追って、杏子&多絵が信州高原を訪れます。
現れる幽霊は、27年前に作家殺人事件の犯人として捕らえられたまま獄死した書生だ、という噂が・・・。

冒頭で、「書店で2時間うろうろする人なんているのか?」という話が出てきますが、いますよ、ここに! 最近はあんまり出来なくなっちゃいましたが、学生時代は良くやってましたねぇ。お金はないが暇はある(今もお金はない)、というあの頃、雑誌の表紙を眺め、文庫コーナーへ行って立ち読みし、単行本のフェアをチェックし、文芸書のコーナーの平台を見つめては悦に入り、なんてことしょっちゅうやってました(笑)。

さて、本編ですが・・・。ちょっと、・・・ううむ、なんですよねぇ。『配達あかずきん』で本屋さんで日常的に起こる謎をほのぼのと解いていたのが、今回は時効を過ぎたとはいえ、殺人事件で。
街に編集者や作家希望の青年達が集まり、「先生景気」をもたらすほどだった作家・嘉多山成治。包丁でめった刺しにされた作家の傍らには、住み込みの弟子・小松秋郎が立ちつくしていたと言う。小松は黙秘を通し、刑について2年後、病死。
なぜ四半世紀もたってから、懇意にしていた老舗書店に幽霊として現れるようになったのか・・・。

杏子の元同僚の美保の勤める「まるう堂」に幽霊が現れ、そのせいで老舗存亡の危機が訪れる。美保やまるう堂店主の案内で、作家・嘉多山殺人事件の関係者を訪ねて回る、杏子と多絵。それぞれが、逮捕された小松に対して複雑でちがった感情を持っていて、事件の真相はなかなか見えてこない。そんな中、多絵はし「真犯人が分かった」と関係者に召集をかけるのだが、それに慌てた者がまるう堂の看板を盗み出す。一堂に会した関係者達を前に、多絵は自分の推理を語り始める。

ミステリーのストーリーの方は、上手く出来ているんだけど、なんとなく入り込みづらかった。27年も前の事件の手がかりが、今になって浮上してくるというのが、なんとなく、ねぇ。いえ、齟齬はないんですけど。確かに多絵は関係者達に会って、その話からいろんなヒントを得てるんですけど、そんな少ない情報で思い及ぶかなぁ・・・?って。まあ、多絵は頭のいい子だし、勘もいいという設定だから、それでいいのかしらん。

どっちかというと、あちこちに差し挟まれる、本屋さん事情の話の方が面白かったです。まるう堂みたいな本屋さんがあったら、通っちゃうなぁ、きっと。店主さんや店員さん達が、きちんと目配りして、丁寧に棚を作っている本屋さん。一本意志が通っていて、落ち着いたお店。
もう一つの支店の方も、のびのびと広がりのある展開、メディアミックスなど型にこだわらない展示方法、何よりも「本を読んでほしい・親しんでほしい」という気持ちの伝わってくる、素敵なお店です。
こういう本屋さんは、頑張ってほしいと思うし、応援したいと思います。ただ・・・なかなかないですけどね〜。
地方都市にいると、ホントに最近本屋さんて厳しいなぁと思うんですよ。チェーンに入って画一化されたり、維持できなくて閉店してしまった本屋さんを何件か知ってるので。私自身、ネットの本屋さんで買うことの方が多い。検索は自分で出来るし、注文したら家まで届くし、便利だから。でも、本屋さんに行くのは好きなのだ。ネットだとどうしても、あの平積みの雰囲気とか、目当ての本じゃなかったのに、気になって手に取ってしまうというようなことが、あまりないから。・・・うん、やっぱりこれからは少し、本屋さんで本を買おう。

何だか中身に全然言及できてないですね・・・。
出来れば、次作は短編で日常と本屋さんのミステリーになってて欲しいなぁ。

あ、そうだ。
物語の中で、多絵が「自分はいい子で過ごしてきた」「行き詰ってたときに杏子の一言がストンと自分に入って来て〜」というような話をしてました。で、物語の最後の方で、杏子がその時に多絵に渡した絵本のキーワードが出てきたんですね。
それを読んで私は「あ、あの本ね」って思ったんですが、解説で「多絵に渡された絵本が何か知りたい」とかって書いてあった・・・。あれ?ということは、その絵本は私がすぐに思いつくようなタイトルではない・・・?もう少しひねった答え・・・?と、ちょっとぐるぐるしています。
いずれ、はっきりするのかなぁ。多絵は「そのうち話します」って言ってたし。

(2010.02.07 読了)

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晩夏に捧ぐ 大崎梢
晩夏に捧ぐ&amp;lt;成風堂書店事件メモ・出張編&amp;gt; 以前成風堂にいて、今は故里に帰り、地元の老舗書店に勤める元同僚の美保から、杏子のもとに一通の手紙が届いた。 勤務先の宇都木書店、通称「まるう堂」に幽霊が出るようになり、店が存亡の危機に立たされている、.... ...続きを見る
苗坊の徒然日記
2010/02/08 23:07
晩夏に捧ぐ:成風堂書店事件メモ(出張編)
 大崎 梢 2006 東京創元社 本屋に幽霊が出たら、それも売り物にしようよー。と、幽霊よりもはるかに生きている人間のほうが怖いと思う私は、素敵な本屋さんには幽霊がいたって魅力の一つに変わってしまう気がする。先日、「だって、見ず知らずの幽霊に恨まれる覚えなんてないもん」と言ったら、「向こうがそう思ってくれるかどうかは別なんだから」と上司に諭されたばかりだが。 前作『配達赤ずきん』の何が出てくるかわからない、わくわくする感じが少なくなったかな。主人公の杏子&多絵の巻き込まれた事件に不自然さを感じた... ...続きを見る
香桑の読書室
2010/02/09 00:10
晩夏に捧ぐ 〜威風堂書店事件メモ(出張編)〜 大崎梢 東京創元社
前回の「配達赤ずきん」から、ほどなくしてのシリーズ二冊目。 ちょいとびっくりの本格ミステリ仕立てでした。 長編じゃないですか。前回と同じコンセプト、つまり短編でいくのかと 思っていたので、これはうれしい誤算。ミステリーの楽しみは長編にあり・・。 ということで、期待して読みました。 う〜ん・・。いろいろと目につくあれこれはあれど、この大崎さんがミステリー というものを真剣に愛して書いていこうとされているのだ、ということは伝わり ましたよ。 ...続きを見る
おいしい本箱Diary
2010/02/10 00:21
晩夏に捧ぐ 成風堂書店事件メモ(出張編)(大崎梢)
「配達あかずきん」に続く成風堂書店シリーズ2作目。 ...続きを見る
Bookworm
2010/02/10 05:37
大崎梢『晩夏に捧ぐ (成風堂書店事件メモ(出張編)) 』
晩夏に捧ぐ (成風堂書店事件メモ(出張編)) (創元推理文庫)大崎 梢東京創元社このアイテムの詳細を見る ...続きを見る
itchy1976の日記
2010/04/25 22:36

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コメント(6件)

内 容 ニックネーム/日時
こんばんわ。TBとカキコありがとうございました。
この作品自体も嫌いではないんですが、本屋の日常ミステリが良かっただけに、何だか違う気がするんですよね。
殺人事件ですし。
地方の個人経営の本屋さんは本当に大変だと思います。
私もついつい近場にある本屋に入っちゃいますもの。
私も小さな本屋で買うように心がけようと思いました。
苗坊
2010/02/08 23:08
苗坊さん、ありがとうございます(^^)。
27年前の事件解明よりも、素敵な本屋さん・まるう堂の方が気になっちゃいますよね(笑)。
本屋さんに行くと、ワクワクします。生活の色々に追われてることが多いので、最近はあんまり長居出来てないんですが、それでも絶対私の生活に本屋さんは欠かせないです♪
水無月・R
2010/02/08 23:21
こんばんは☆ 近所の一番小さな本屋さんに有川さんの新刊が入らないことに焦れてしまい、二番目に近いやや大きめの本屋さんに行ってしまいました。
でも、本屋さんで買ったもん…と言い訳したくなるような感想を、自分で書いていたことを思い出しました。
このシリーズを読んでいた頃、成風堂と重ねて読んでいた本屋さんも既に閉店してしまい、地方都市の郊外の本屋さん事情の厳しさを実感する毎日です。
私も本屋さんでなら、2時間ぐらい軽くつぶせます。それなら自信があります!笑
香桑
2010/02/09 00:34
こんばんは♪
そうですよねえ。本屋さんでないと出会えない本というのがあります。「読んで」ってアピールしてくる子って、必ずいますもんね。
本屋さんて、難しい商売だと思います。利益率もあまり良くないでしょうし・・。
先日、お気に入りだった本屋さんに久しぶりに行ったら、ちょっと手に取りにくい、あっち方面の(どっちやねん)本ばかり並べてある店に変わっていてがっくりしてしまいました。でも、これもニーズに合わせての事なら、お客さんとしての私たちも、何を買うかが大切なのかもしれませんね。
ERI
2010/02/10 00:29
私も「こんな本屋さんがあったらなー」と思いながら読みました!
この作品を読んだときには「ネット通販じゃなくって地元の本屋さんで買わなきゃ!」と誓ったものですが、あの誓いはどこへやら…の今日この頃です;;;
すずな
2010/02/10 12:49
>香桑さん。
この間、久しぶりに(ネットじゃない)本屋さんで本を買いました・・・!
なんか妙に達成感があった(笑)。
お取り寄せでもいいから、本屋さんを応援していこうかな〜とか思いました。たぶん、本屋さんで過ごす時間を購入額に変換すると、絶対本屋さんが損してるし(^_^;)。

>ERIさん。
実際、本屋さんで平積みになってる表紙を見て、買っちゃったこともありました。案外当たりなんですよねぇ、そういうのって。そういうのを求めて、本屋さんをうろついています。ただ、財政難なので、タイトル・著者・出版社を覚えて図書館にゴー!なところが申し訳ない(-_-;)。
ああ〜、わかります。ニーズがあるから、取扱ジャンルが特化してしまうという・・・(^_^;)。ちょっと行き辛くなっちゃいますよねぇ。

>すずなさん。
一番近い本屋さんは、立ち読みするのも難しい面積なので、長居できないです(笑)。置いてあることがわかってること前提で、お店に行き、パッと手に取ってレジに行ってます。長居出来るちょっと大きい本屋さんは、やっぱり1時間ぐらいはうろついちゃいますね(*^^)v。
〈まるう堂〉素敵ですよねぇ。近くにこういう本屋さんがあったらいいのに〜!
水無月・R
2010/02/10 22:16

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